ザ・ヒロサワ・シティに「ユメノバ」
筑西市のザ・ヒロサワ・シティ内にテーマパーク「ユメノバ」が完成、11日にグランドオープンする。広さ約5万6000平方メートルの敷地に、航空博物館はじめ25施設が整備された。陸・海・空・宇宙の乗り物勢ぞろいのテーマパークを打ち出す。1日にはお披露目の内覧会が行われた。
科博廣澤航空博物館には、国産旅客機のYS-11量産初号機、零式艦上戦闘機(ゼロ戦)、南極観測で使用したヘリコプター(シコルスキーS-58)など、貴重な航空機を収めた。国立科学博物館(篠田謙一館長)が所有していた機体をヒロサワグループ(廣澤清会長)に貸与した形で、両者は2021年、運営のための財団法人を設立し、開館に向け準備を進めていた。
科学博物館によれば、民間と共同で常設の展示館を設けるのは初のケース。「航空機は上野本館をはじめ博物館での展示が難しく、長く眠っていたものだが、展示となると普段の手入れも欠かせなくなる」といい、移送やメンテナンスの困難を克服しての開設となった。博物館棟は格納庫をイメージさせる広さ1850平方メートル、高さ15メートルの規模で設けられた。
「収められた機体は技術資料というだけでなく、歴史を背負った航空機」といい、ゼロ戦については太平洋戦争中ラバウル(パプアニューギニア)沖に沈んだ機体8機を引き上げて再構成したものだそうだ。
「ユメノバ」にはこのほか、SLから新幹線(やまびこ)までの鉄道車両を並べたレールパークや鉄道資料館、消防車27台を集めた消防自動車博物館、水上にクルーザー3隻と屋形船を展示する船の博物館、日本初の実験用ロケット・ペンシルロケットなどを展示する宇宙館などの施設をそろえた。
11日、12日にはレールパーク特別見学会を開催予定で、SL「D51」や山形新幹線「やまびこ」の普段は一般公開しない運転席に案内してもらえる特別イベントがある。
広沢商事専務の野口稔夫さんは大の鉄道ファン。引退した車両の引き取りに全国を飛び待って、車両や鉄道アイテムを集めてきた。「航空機も鉄道車両も全部が実機というところにユメノバの真骨頂があると思う」と語る。11日のオープンには間に合わないが寝台特急「北斗星」には実際に宿泊し、食堂車で飲食したりできるプランも用意するという。(相澤冬樹)
🔷ザ・ヒロサワ・シティ(筑西市茂田)は約100ヘクタールの敷地に隈研吾設計の廣澤美術館をはじめ、寺内タケシ記念館や博物館、ゴルフ場やバーベキュー場、体験農園など、多数の展示施設やレジャー施設などを持つ。11日オープンのテーマパーク「ユメノバ」は入園料大人2500円、高校生・大学生1000円、中学生700円、小学生500円(いずれも税込み)。営業時間は午前10時~午後5時、月曜定休(原則)。オープニングイベント等詳細は電話0296-48-7417(ザ・ヒロサワ・シティ)まで。