木曜日, 11月 5, 2026
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私の定番、あれこれ《続・平熱日記》148

【コラム・斉藤裕之】セーターというものを着なくなった。代わりに着るようになったのはフリース。今や冬の定番。私にとっては動物の冬毛のようなもので、春までずっと着っぱなし。しかも何年も同じものを着ているので、肘の辺りがすり減ってみすぼらしい。というわけで近くのリサイクル店に探しに行ったら、運よく同じようなものを見つけた。

若いころ古着屋でバイトをしていたこともあって、セカンドハンドには何の抵抗もないのだが、持って帰って着てみたら結構いい香りがする。色や形、着心地は申し分ないのに…。古着を買うときの基本中の基本、なぜ匂いをチェックしなかったか。体臭というよりも何だろう? 満員電車で嗅いだことのある…、整髪料? 香水?

とにかく激しいおじさんの香り。おじさんが着るのだからいいようなものだが、生理的に無理な匂いだ。まずは重曹に漬けてみたが、頑固なおじさんの匂いは全く取れない。

定番といえば、いつも買っていた靴下がホームセンターから消えた。ネットで検索しても出てこないところをみると、製造中止になったのだろう。綿と化繊の割合とか厚さとかが絶妙で、履き心地が良くて好きだったのに。

それからTシャツも。老舗メーカーの3枚組のものだが、最近見かけなくなった。肌着だからこそのこだわりがあって、例えばちょっとした丈の長さとか。しかし、こちらの定番はネットで見つけてポチっと注文できた。

おじさん臭は残るが許容範囲

冷凍庫の定番だったお気に入りのアイスクリーム。いつものスーパーにない。フルーツと小豆のツブツブ入りで一箱6本入り。系列の別の店舗にも売っていない。店員さんに聞いてみようかと思ったのだけれども、それが聞けないのがおじさん。

さらにここにきて、いつも使っていた一番安価な定番の子供用の紙粘土が見当たらない。フワフワしたソフトなものに代わっている。手は汚れないが、マシュマロみたいで腑(ふ)抜けた形になってしまう。あの素朴なずっしり重い紙粘土が好きだったのに。

さて、件(くだん)のフリースはどうなったかな。少し長めに酸素系の漂白剤に漬けて、洗濯して干しておいたんだけど…。恐る恐る鼻を近づけてみた…かすかにおじさん臭は残るが、許容範囲。

ちなみに気になってフリースの語源を調べてみたら、「羊一頭から刈り取られた、ひとつながりの羊毛」だそうだ。頭の中には、毛を刈り取られて丸裸になった羊とそれを羽織る私。スマホで語源や由来を調べて、「フーン」というのが昨今の私の定番。

私の定番はさておき、どうやら世の中で定番と言われていた物事もそうではなくなってきている? 万博やオリンピック、紅白に正月、さんま、制服、学校、働き方…ちなみに、最近よく聞く「てっぱん」という言い方は私の中では定番になっていない。(画家)

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