自転車とジオパークの拠点
筑波山麓にある廃校となった旧筑波東中学校跡地(つくば市北条)に、自転車とジオパークの二つの拠点からなる複合施設「筑波山ゲートパーク」が11月3日オープンする。自転車拠点施設の名称は「サイクルパークつくば」、ジオパーク中核拠点施設は「つくばジオミュージアム」で、筑波山の魅力を発見するゲート(入り口)となることが期待されている。
施設の総面積は約3.7ヘクタール。旧校舎の東側を自転車拠点、西側をジオパーク拠点とする。オープンを前に31日、報道機関向け内覧会が催された。
国内最大級のBMXコース
サイクルパークつくばは、国内最大級のBMXレーシングコースがある。コースの総延長は380メートル、スタート台は高さ5メートル級。水はけがよくスピードの出る石灰ダスト舗装を使った、国際大会が可能なコースとなっている。スタート地点のゲートは、東京五輪で実際に使用したゲートの払い下げを受けて設置する。BMXコースの年間来場目標は2000~3000人。
施設(旧校舎)1階には休憩室、工具や空気入れなどを備えた自転車の点検修理室、レンタサイクル保管所などがある。2階はロッカー・シャワー室、会議室があり、会議室は地元住民なら無料で利用することができる。レンタサイクルは約40台あり、パナソニックサイクルテックが無償提供する新型eバイク(電動アシスト自転車)を5台備える。近くの自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」の利用者が立ち寄って休憩したり、自転車の修理をしたり、シャワーを浴びるなどもできる。
玄関通路には自転車が30台駐輪できるラックがあるほか、県が設置した泣き虫ペダルが描かれたオブジェがある。オブジェは自転車置き場にもなる。
市総合交通政策課コミュニティ推進室の高橋研太室長は「3日のオープンにはBMXのレースを行うので、この機会にぜひとも見に来てほしい」と話す。一般のサイクリストの利用は4日からになるという。
オープンする3日は「ペダルでいご~筑波山」と題したイベントが開催され▷自転車競技を題材にした漫画「弱虫ペダル」の作者、渡辺航さんのトークとサイン会▷渡辺さん率いる自転車チーム「弱虫ペダルサイクリングチーム」の活動報告▷つくバスと弱虫ペダルサイクリングチームのラッピングバスのお披露目▷国内トップBMX選手によるレース▷子供たちのBMXレーシング体験▷地元の名産品を販売するローカルマーケット▷筑波地区の名所を巡るサイクルスタンプラリーーなどが催される。
遊び感覚でジオ体験を
つくばジオミュージアムは「ジオ探検ブース」「大地のつながりシアター」「文化財ギャラリー」「発見発信ラボ」などで構成。ジオ探検ブースは、筑波山の成り立ちや構造、ジオパーク地域全体のことを遊び感覚で学べるジオ・マップ、ストーン・ジャーニー、モータージャーニーなどがある。大地のつながりシアターは、身近な地域の魅力と大地のつながりを映像とグラフィックで紹介している。文化財ギャラリーは、市内で見つかった石器、土器、石造物が展示あり、地形や歴史、文化との関わりを紹介している。発見発信ラボは机といす、書籍資料があり、ワークショップなどが開催出来るようになっている。すでに各学校から視察申し込みがきているという。入り口近くに休憩ラウンジがあり、飲食も可能だ。
市観光振興課ジオパーク室の亀沢理映室長は「全国には46のジオパークがあり、筑波山地域ジオパークは39番目に認可された。ジオパークは地質遺産があるということだけでなく、活動活用していくことが必要。そのためにも施設を活用したい」と話す。(榎田智司)
◆筑波山ゲートパークはつくば市北条4160。
◆サイクルパークつくばは、金・土・日・月曜の週4日と祝日営業、火~木曜は休業(祝日の場合は振替営業)など。開場時間午前9時~午後4時30分、休場日は毎週火~木曜日、施設利用料はBMXレーシングコース1日券が市在住の大人1500円、18歳以下500円、市外在住の大人2000円、18歳以下1000円、シャワー室は1回(20分程度)500円、会議室1日2000円、屋内運動場1日3000円など。レンタサイクルは、BMXコース内での使用限定のBMXが1日500円、ヘルメットや防具は無料で貸し出す。施設外で使用できるシティサイクルは大人1日500円、小学生以下250円。eバイク1日2000円、いずれもヘルメットは無料で貸し出す。詳しくはこちら。
◆つくばジオミュージアムの開館時間は午前9時~午後4時30分、休館日は毎週火曜日(火曜が祝日の場合は翌日)など。入館料は無料。