筑波大学(つくば市天王台)は24日、任期満了に伴う次期学長予定者に、現学長の永田恭介氏(70)が決定したと発表した。学長選考は行わず、学長選考・監察会議(議長・河田悌一元関西大学学長、学内・学外委員各10人で構成)の再任審査により決定した。再任後の任期は来年4月1日から2027年3月31日までの3年間。文科相が任命する。
同大の学長選考要項によると、学長の任期が満了する時は、学長候補者の中から新たな学長の選考を行うことになっている。一方、再任される場合の任期が新たな中期計画期間にまたがらず、現学長に再任の意思がある場合は、学長選考は行わず、学長選考・監察会議が再任の審査をすることになっている。
今回、現学長が再任された場合の任期は第4期中期計画期間(22年4月~28年3月の6年間)内にあり次の第5期計画にまたがらないこと、永田氏から再任の意思が示されたことから、新たな学長の選考は実施しなかったという。
再任審査にあたって同会議は5月24日と9月20日、手順の確認と検討を実施、さらに永田氏から提出があった業績調書と所信表明書に基づいて10月24日、永田氏と面談した。
審査の結果、永田氏は人格が高潔で学識に優れ、大学における教育研究活動を適切かつ効果的に運営する能力を有していること、情熱と実行力を有し、ビジョンを明示しながら中期計画を策定・推進し、大学の卓越性を高めるーとして次期学長予定者に決定した。
永田学長は東京大学薬学部薬学科卒、国立遺伝学研究所助手、東京工業大学生命理工学部助教授、筑波大学基礎医学系教授などを経て、2013年4月から同大学長を務める。
前回、2020年の学長選考では、永田氏の再任をめぐって、最長6年だった学長任期の上限が撤廃されたこと、教職員の意見聴取で対立候補の得票数の方が多かったことなどから、同大の教員有志らでつくる「筑波大学の学長選考を考える会」(共同代表・竹谷悦子、吉原ゆかり教授)が選考プロセスの正当性を問う声を挙げている(20年10月21日付、23年3月27日付)。