【鈴木宏子】2020年の東京オリンピックで、スイスが筑波大学(つくば市天王台)で事前キャンプをする。22日、同大が発表した。事前キャンプ実施に向け、同大の永田恭介学長、大井川和彦知事、五十嵐立青つくば市長がスイスを訪問し、4月11日(現地時間)にスイスオリンピック協会と基本合意書を締結する。
同大によると、陸上、柔道、体操などの選手団が競技の2、3週間前などに来日し、同大の陸上競技場、武道館、中央体育館などの施設でトレーニングをする。選手団の規模は、1種目当たり選手、スタッフを含め数十人程度になると見込まれ、市内のホテルに宿泊しながら同大で練習することになるという。
同大つくば国際スポーツアカデミーとスイスのスポーツマネジメント大学院が2014年に連携協定を締結し、相互訪問するなど交流していたことから、スイス側から申し入れがあった。
永田学長は「学生にとってひじょうにいいボランティアが経験できる。できる限りサポートし協力していきたい」と話した。同大ではスポーツ科学やリハビリなどの研究設備も整っていることから、大学院生などが選手たちの測定を手伝ったり、ケアをするなどのサポートもできるという。
永田学長はスイスでさらにIOC(国際オリンピック委員会)のトーマス・バッハ会長を表敬訪問する予定で、同大など4大学が連携して開発したアンチ・ドーピングシステム(薬物検査方法)を紹介したいとしている。
県内で東京オリンピックの事前キャンプ地になるのは、常陸太田市(パラオ)、龍ケ崎市(キューバ=柔道、オセアニア地域=柔道、タイ=陸上)、桜川市(モンゴル=射撃)。つくば市は4市目。事前キャンプは時差を調整し気候に順応するために行う。