火曜日, 4月 8, 2025
ホームスポーツつくばFCレディース伊東選手 デフサッカー世界選手権に挑戦

つくばFCレディース伊東選手 デフサッカー世界選手権に挑戦

日本代表キャプテン

女子サッカーなでしこリーグ2部のつくばFCレディースで正ゴールキーパー(GK)を務め、セキショウグループのアドバンス・カーライフサービスに勤務する伊東美和選手(22)がこのほど、デフサッカー女子日本代表に主将として選出された。世界選手権出場を前に8日、五十嵐立青つくば市長を表敬訪問した。

出場するのは23日からマレーシア・クアラルンプールで開催される第4回ろう者サッカー(デフサッカー)世界選手権大会。聴覚障害者を対象とした競技で、選手同士はアイコンタクトや手話などでコミュニケーションをとる。今大会、女子は10カ国が参加。予選リーグで日本は米国、イングランド、ネパール、トルコと同じBグループに配された。

「出場するからには優勝が目標。日の丸を背負う責任と結果が求められる。応援してくれる方々に一番見ていただきたいのは、厳しい状況でも全員で必死に最後まで戦い続ける姿。一人でも多くの人に感動と勇気を与え、子どもたちに日本代表を目指してもらえるようなプレーがしたい」と伊東選手。

世界選手権は新型コロナの影響により延期され、開催は7年ぶり。今回、女子チームは11人制のところ8人しかメンバーが選出されておらず、人数のハンデを背負って戦うことになる。これはデフフットサルワールドカップ(11月10日~、ブラジル・ノヴァペトロポリス)と開催時期が近いことが原因。両方に出場する遠征費がねん出できず、一方に絞らざるを得ない選手が多かったという。

ルール上は最低7人いればゲームが成立するが、当然控え選手はおらず、ケガをしてもピッチから下がるわけにはいかない。「どうしても厳しい時間が長くなると思うが、キャプテンとして常にチームを鼓舞したり、一人一人に声掛けしたりして、チームが一番いい状態で戦えるよう準備していきたい」

栃木県出身。小3でサッカーを始め、中2からGKを務める。宇都宮文星女子高で3年次に全国高校選手権出場、卒業とともにつくばFCに入団。仕事ではDr.Driveアドバンスセルフ吾妻店に勤務し、カーメンテナンスなどに従事する。

つくばFCでは現在4年目。今季は背番号1を背負い、開幕から多くの試合で先発出場を果たしてきた。身長は157センチ。なでしこリーグ1部・2部を合わせ60人ほどのGKがいる中で、最も小柄なクラスに入るという。だが持ち前のキック力とビルドアップ能力で最後方からゲームを組み立てる。伊東選手の蹴るロングフィードがチャンスをつくり出すことも多い。

右耳は3歳のとき突発性難聴を患い、左耳も3年ほど前から聴力が落ち始め、半年前から補聴器を装着する。デフサッカーには昨年7月の代表候補選考会を機に挑戦を決めた。つくばFCの試合でも前座イベントとして、子ども向けのデフサッカー体験会を自ら主催するなどの取り組みもしている。

五十嵐市長は「障害者サッカーの体験会は市でも開催したことがあり、子どもたちの視点が変わって良い影響があると思う。機会があればスケジュールの許す限り参加したい」と話すとともに、大会での健闘を祈り、激励金を伊東さんに手渡した。(池田充雄)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

0 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

尾道 坂の街にて《続・平熱日記》179

【コラム・斉藤裕之】愛犬パクと故郷山口に帰って来て1週間。明日は弟夫婦と日本海側に行っておいしい魚でも買ってこようかと…。「尾道はどう?」。義妹の一言で行き先変更。翌日、3月も後半になるというのに広島では雪が舞って、遠くの山々は山水画のよう(日本海側に行かずによかった)。 尾道までそれほど遠くはないのに、訪れるのは初めて。まずは千光寺のロープウェイに乗って、尾道の街を見下ろす。川の幅のような向島との間の尾道水道には、渡し舟が行き交う(3月末で廃止と後日知る)。寒風が身に染みるが、そのおかげで空気は澄んでいて尾道大橋や西に続く島々までよく見える。戸艮(うしとら)神社の樹齢千年と言われる大楠を眼下に、ロープウェイで下りて日本有数の長さで知られるアーケード街へ。 他の地方都市の多くと同じくシャッターを下ろした店舗も目立つが、なんとか踏ん張っているようにみえる商店街。平日にもかかわらず、外国からの観光客も多く見かけた。義妹は金物屋で取っ手の長いトタンのチリトリを買い、私は少々値が張ったが晩のおかずに焼きアナゴを買った。 坂の街と知られる尾道。せっかくなので、少し坂を登ってみようということになった。登り始めてすぐに、かわいらしい薄緑色の木製のドアが気になった。ローマ字で「KAPPAN…」。どうやら活版印刷の店のようだが、あいにく閉まっている。 それから少し上まで行ってみたが、すぐに息が上がってしまい、早々に引き返す。おや、さっきの店に明かりがついているような気がして、ドアに手をやったら開いた。すると、女性が出てきて中に招き入れてくれた。店内には手動の印刷機が2台とその奥に活字の並んだ棚がある。 がんす、タコのてんぷら、… 「懐かしいなあ。実は実家が印刷をやっていて…」と、私と弟はかって活版印刷を生業(なりわい)としていた実家のことなどについて話し始めた。 「そうなんですか。この機材は北海道から船で運んできたんですよ…」。店の方と話が弾む。私は実家から唯一運び出して、弟の家に置きっ放しにしてあるものを思い出した。「うちに電動の立派な活版印刷機があるんですけど、いりますか? ちゃんと動きますよ」。店の方は意外な提案に少し戸惑った様子だったが、それならばと責任者の方の連絡先を教えてくれた。 帰宅して連絡をとると、すぐに返信が届いた。だれかに使ってもらえればと思って取っておいた活版印刷機。残念ながら、弟も私も使い方を知らず鉄くずになりかけていた。願わくば、尾道の街で鉄製の精巧な歯車が力強い印字を刻む雄姿を再び見せてほしい。きっと、インクの匂いとガッチャン、ガッチャンというレトロな響きはこの坂の街に似合うだろう。 その夜の食卓には、がんす(魚のすり身にパン粉をつけて揚げた広島の郷土料理)、タコのてんぷら、焼きアナゴが並んだ。また尾道を尋ねて、今度は別の坂を登ってみようと話し合った。(画家)

見事に矢が的中 日枝神社で流鏑馬祭 土浦

土浦市沢辺の日枝(ひえ)神社で6日、流鏑馬祭(やぶさめまつり)が催された。伝説の登場人物にふんした鎧(よろい)武者が、馬にまたがって長さ150メートルほどある境内の馬場をゆっくり進み、立ち止まって、3カ所に立てられた的に向かって馬上から矢を放った。 一の矢から三の矢まで見事に命中すると、大きな拍手がおこった。当日はあいにくの雨模様だったが約600人の見物客が訪れ、写真愛好家らが矢を打つ瞬間を待ち構えるなど、にぎわった。 境内にすみついた大ザルが村里の作物を食い荒らし村人に害をなしたことから、領主と、弓の達人である家臣が大ザルを退治したという言い伝えをもとにした祭りで、県指定無形民俗文化財に指定されている。山ノ荘地区の平和と五穀豊穣を祈願し、毎年4月の第1日曜日に催される。 開会式には、青山大人、国光あやの衆院議員、土浦市観光協会の中川喜久治会長などがあいさつし、伝統行事の大切さなどを述べていた。日枝神社総代代表で同流鏑馬保存会の宮本勉会長(75)は「これからも未来に向けて続けていければよいと思う。昨年から稚児行列の衣装が変わるなど工夫している。地域全体でもっと盛り上がってくれれば」と話した。 日枝神社は、山ノ荘と称される小高、沢辺、東城寺、小野、大志戸、本郷、永井、今泉、粟野の9カ村の総社で、796年に創建されたと伝えられている。(榎田智司)

コラムの執筆陣が少し変わります《吾妻カガミ》205

【コラム・坂本栄】新年度に入りました。4月からコラム欄の構成を少し変えます。これとの関連で、5月から新しい執筆者に参加してもらいます。コラムは原則として1日1本ですが、行政記事や催事記事とは色合いの違うコラムを引き続きお楽しみください。 執筆回数は月1回に統一 これまでの執筆者は、月2回の方、月1回の方、隔月の方に分かれていました(ほかに随時出稿の方も)。4月からは月2回を止め、月1回に統一します(隔月執筆はそのまま)。仕事で多忙の方もおり、月2回はきついとの声が寄せられたからです。月2回の田口哲郎さんは研究活動の都合もあり、109回(3月29日掲載)が最後になりました。 研究学園駅周辺の地域活動を紹介してもらった「けんがくひろば」は、15回(2月25日掲載)が最終回になりました。題材が尽きてきたとのことで、4月から「随時」に移ってもらいます。12回(24年11月7日掲載)の後、忙しくて休載が続いた医療通訳の松永悠さんも「随時」に移行します。 親友の瀧田君が昨秋逝去 告知はしませんでしたが、国際政治について独自の分析を執筆してくれた瀧田薫さん(茨城キリスト教大学名誉教授)は2024年秋、逝去されました。バイデンとトランプが争う米大統領選挙の構造を取り上げた62回(24年8月4日掲載)が最後です。 瀧田さんは、幼稚園-小学校-中学校-高校の同級生でした。土浦聖母幼稚園(土浦市大町)の第1回卒園で、いろいろな場でいろいろ議論してきました。彼の茨キリ大での専門分野は国際政治、私の通信社での専門分野は国際経済でしたから、「解」を見つけるための情報をお互いに補完できました。田中角栄は米情報機関によって抹殺されたとの陰謀論については盛り上がりました。 茨キリ大で、彼は常務理事として大学運営にも携わっていました。経営学部を立ち上げた後、「新しい学部で兼任講師として国際経済を教えてくれないか」と誘われました。もちろん私は快諾し、毎週1回、大学がある日立市まで常磐高速道を飛ばしました。若い同僚講師との懇親会、好奇心あふれる学生との交流は実に愉快でした。 水戸の元広報課長も参加 逝去、多忙などで生じた「穴」は埋めていきます。2月から古本屋店主の岡田富朗さん(初回は2月1日掲載)に加わってもらいましたが、5月からは写真家の海老原信一さん、元水戸市課長の沼田誠さんにも参加してもらいます。海老原さんは鳥類の撮影が得意で、毎回2枚アップしてもらいます。今休載中のオダギ秀一さん(直近は1月16日掲載)に続き、写真家は2人目です。 沼田さんは、水戸市の「みとの魅力発信課長」を務めていました。変わった組織名ですが、他の役所で言えば広報課長に当たります。数年前に市役所を辞め、今はつくば市に住み、環境問題や街づくりの分野で活躍しています。好奇心が強い方で、水戸地域の話だけでなく、「水戸っぽ」の視点から学園都市のことも書いてもらいます。 ほかの執筆者についても、現在リクルート活動を続けています。独自の視点や面白い話題を提供してもらい、ネット媒体ならではのコラムにしたいと思います。ご期待ください。(NEWSつくば理事長)

逆転で開幕戦勝利 アストロプラネッツ

プロ野球独立リーグ・ルートインBCリーグの茨城アストロプラネッツは5日、ノーブルホームスタジアム水戸(水戸市見川町)で今季開幕戦を迎え、栃木ゴールデンブレーブスに8-6で逆転勝利した。 【ルートインBCリーグ2025公式戦】(4月5日 ノーブルホームスタジアム水戸)茨城アストロプラネッツ-栃木ゴールデンブレーブス栃木 013 002 000 6茨城 001 000 61X 8 茨城は5点ビハインドで迎えた7回裏、打者一巡の猛攻で6点を奪い逆転に成功した。この回先頭の5番打者ジョ・ミンヨンが四球で出塁、6番の山本仁が右前打でチャンスを広げ、7番・秋川正佳の敵失と8番・原田京雅の遊ゴロ、9番代打・草場悠の内野ゴロで計3点を奪う。この時点で2死走者なしとなったがむしろここから本領発揮。1番・新太郎が遊撃への内野安打、2番・高田龍が右翼線への安打、3番・原海聖の中前打で1点を加え、とどめは4番・北原翔の中越え三塁打で2点を加えた。 「打ったのはストレート真ん中高め。上がりすぎたと思ったが、思ったより飛んでくれた。タイムリーになってよかった」と北原の談。「打線はいい当たりをしていたが、野手の正面をつくなど乗りきれてなかった。みんなで勝ちに行こうという気持ちが全員に伝わり、この回爆発できた。負けてても返せるという自信につながったと思う」とも語る。 新太郎はこの日5打数4安打の活躍。3回に迎えた第2打席のタイムリーでは、バントの構えで初球を見送った後の2球目、インコースのストレートを右前へ運んだ。「第1打席でもこの球があったので頭に入れていて、次来るなという予感があった」とコメント。オフには体づくりに取り組み、筋肉量が増えパワーやスイングスピードがついた。その成果がオープン戦からの好調につながっているという。 今季はチームとして初めて沖縄・宮古島で10日間にわたる春キャンプを実施。「寒い時期に合宿でしっかりスイング量を確保したことで、他チームよりもバットが振れている。このアドバンテージを生かしてスタートダッシュしたい」と巽真悟監督は期待を込める。 投手は7回表を投げた清原浩斗に勝ち星が付いた。「死球でピンチを招いて苦しいピッチングだったが、無失点で抑えれば野手が点を取ってくれると思い、全力で腕を振って投げた。逆転に感謝」とコメント。今季は直球が最速150キロと5キロアップした。決め球のフォークやスライダーの切れ味も増し、成長を実感しているという。 8、9回は佐藤友紀と石野田拓斗が1イニングずつ投げ、いずれも3者凡退と安定感抜群。先発陣も試合で経験を積ませながら、持ち前の高い能力を発揮させていきたいと巽監督は目論んでいる。 次の試合は11~13日、さくら運動公園野球場(つくば市流星台)などで読売ジャイアンツ三軍との交流戦3連戦を行う。(池田充雄)