夏休みの終わりに修練の成果集めて―。土浦市中央の古民家「寺子屋亀楽」で26日、1日限りの書道展が開かれた。同所でお習字の「おおせき教室」を開く大関まことさんが、日本習字教育財団主催のたなばた競書展に出品した生徒たちの作品を展示した。
教室で学ぶ生徒は、小学生を中心に成人を含む約60人。会場には1人1点、「新星発見」や「夏の太陽」など画仙紙半切サイズに墨書された60点の作品が並べられた。同財団の創立者、原田観峰にちなむ観峰賞をはじめ、金賞、銀賞の審査結果が張り出された。
「亀楽」は江戸時代末期の学者、沼尻墨僊(1775~1856)が開いた寺子屋のあった一画の古民家を改装して、地元のまちづくり団体が運営する。同市内2カ所で習字教室を開いていた大関さんが、同所に一本化して教室を開設したのが2019年。競書展には毎年出品しているが観峰賞に15点も選ばれたのは初めてという。
寺子屋での教室開設直後に新型コロナの感染拡大があり、運営面で苦労もあったが、「大人しく落ち着いて取り組む書道は継続しやすかったのかもしれない。小学校低学年の子どもたちが辞めずにがんばって6年生まで続けてくれた。その子たちが観峰賞をとってくれた」と大関さん。
その中のひとり、坂入柚羽さん(都和小6年)は会場入りして初めて受賞を知った。「とってもうれしい。新星発見の発の字の払いがうまく書けたと思う」とほほ笑んだ。学校から出された習字を含め、夏休みの宿題はほとんど完了、「今年の夏休みはお祭りにも行けたし楽しかった」そうだ。
金賞の神乃々華(じん・ののか)さん(市立東小4年)は、日焼けした体操着姿で会場入り。作品は7月中に仕上げ、今夏は室内のお習字ばかりでなく、室外のプールで思い切り泳いだそう。「水泳は日大幼稚園で始めて今妹が通っている。その土浦日大が甲子園で大活躍。うれしいこといっぱいの夏休みになった」という。(相澤冬樹)