第105回全国高校野球選手権記念大会が6日、甲子園球場で開幕した。県代表の土浦日大は開会式直後の第1試合に登場し、延長10回、タイブレークで上田西(長野)を破り、1986年以来37年ぶりとなる甲子園勝利を飾った。地元の土浦市役所1階ではパブリックビューイングが催され、土浦日大の勝利に大きな拍手が起こった。
土浦日大は2回、5番・松田陽斗が中堅左へ大会第1号となる本塁打で先制。3回には2本の単打と盗塁で1死二、三塁とし、暴投で2点目を奪った。その後は相手投手陣を攻めあぐねた。9回には2死二塁から太刀川幸輝の右前打で二塁から中本佳吾が本塁を狙ったがタッチアウト、開幕試合からいきなりの延長タイブレークに突入した。
延長10回からは無死一、三塁で攻撃スタート。1死後、四球で満塁となり、代打・飯田将生がレフト前にポトリと落ちるタイムリーで勝ち越し。さらに2死後、塚原歩生真から5連打を集めて5点を追加して試合を決めた。タイブレークでの1イニング6得点は過去最多となった。
投げては先発左腕・藤本士生が緩急つけたピッチング。4回に2本の長短打とスクイズで同点とされたが、それ以降は立ち直り連打を許さず、8回途中から2番手・伊藤彩斗に継投。延長10回に藤本が再登板し、試合を締めた。
熱闘に地元からエール
土浦市役所1階では、休日窓口を訪れた市民や、市役所周辺で開催中の夏祭り「きららまつり」を見物に来て市役所に立ち寄った市民らが足を止め、試合の展開を見守った。会場ではきららまつりのうちわが配られ、土浦日大に点が入るたび、うちわを叩いたり、拍手して喜ぶ姿が見られた。
友人と遊びに来て市役所に立ち寄り観戦した近くに住む大学2年、大塚勇翔さん(20)は「(土浦日大は)最初に先制したが追いつかれ、どっちが勝つか分からない緊張したいい試合だった。10回に、県大会決勝で見せてくれたような猛攻を見せてもらってうれしい。これからまた頑張ってほしい」と話した。
きららまつりを見に駅周辺を訪れ、市役所に立ち寄った土浦日大近くに住む無職60代女性は「とても良かった。最初2点取って、追いつかれたが、最後に6点を入れて素晴らしい。地元なのでこれからも勝ってほしい」と語った。
安藤真理子土浦市長は「まず1勝。この後の次の試合も期待したい。優勝目指して頑張ってほしい」と述べた。