第105回全国高校野球選手権茨城大会は14日、J:COMスタジアム土浦で土浦湖北が守谷と対戦した。前半のきっ抗した展開から、後半に湖北が逆転に成功、最終的には14安打で7-2と突き放し、3回戦に勝ち進んだ。
湖北の先発、久保田蓮大は、予定回数の5回までを3安打1失点の好投。直球を軸に、カットボールでタイミングを外すピッチングで、「自信あるボールで攻めていけ、テンポよくリズムを作れていた」との本人評。一方、打線は軟投の相手投手に対し、毎回のように走者を得点圏に進めるが、肝心の場面での一打が出ない。ようやく5回に清水俊輔の適時打で追い付き、迎えた6回の攻防がカギとなった。
この回湖北は、久保田から浅野真那斗へと投手交代。その替わりばなを攻められた。四球と2連打で無死満塁とされ、右前への適時打で1点は許すものの、2人目の突入には捕手、野口彗太が本塁を死守。野口は次打者のファウルチップにも反応よく飛びつき、この回を最少失点で切り抜けた。浅野は登板直後は球離れに乱れがあったようだが、その後は調子を取り戻し、7回と8回はともに併殺で打ち取り、9回は3連続三振で締めている。
6回裏、湖北は富施賢太の左前打から2死二塁とし、木村恭太郎の左翼線を破る二塁打で同点。投手交代でピンチを乗り切ろうとする守谷に対し、浅野の中前打と長谷川凌汰の左越え三塁打で2点を勝ち越した。長谷川は「打ったのは真ん中に入ってきたスライダー。ストレートにヤマを張りながらスライダーも狙っていた」と振り返る。
湖北は7回にも1死満塁の好機をつくり、平田夢叶のスクイズと木村の左前打で計3点を追加した。土佐一成監督は「投手が替わった後も浮いたボールを狙い、後半は粘り強く打ってくれた。もう少し早く点が取りたかったが、初戦なのでやむを得ない部分もある。レギュラー陣は去年からのメンバーは少なく、緊張もあったと思う」。
「自分たちは後半勝負。俺たちならやれると、あせりなく試合に臨めていた。チャンスにはベンチも盛り上がり、相手のミスにも付け込んで、一つずつつなぐ自分たちらしい野球ができた」と野口主将。「今年のチームはバッティングが魅力的。投手の枚数もあり、去年より完成度は高いと思う。甲子園に向かって一戦一戦、今日と同じ気持ちで戦っていきたい」と次戦を見据えた。