部活制限、絶対的な時間足りない
ー今の高校生が知らないような貴重なお話をしていただきました。公立高校の部活動の活動時間制限について、公立高校の教員でいらした小菅監督に伺います。週に2回休みを取らされて、土曜日と日曜日のうちどちらか4時間以内、平日は2時間以内の活動時間制限です。これで強くなれますか。
小菅 絶対的な時間としては足りないと思います。高校野球を3年間で仕上げようと思った時、週の練習時間としては絶対的に足りないですね。野球ほど時間のかかるスポーツはないですし、競技性とか特性を無視して活動時間を設定していますね。やはりそこは全ての競技が一律であってはならないと感じますね。
ー活動時間制限の中で強くなるためにはどうしたらいいでしょうか?
小菅 時間の制限がマストであるならば、今日はこのメニューだけやろうとか、選手と合意して、コンセプトを持って時間の足りない分を何かで補うように工夫します。頭脳やら練習目的やらそういったものを磨いていく。それしかありません。
主役は誰かってことですよね。本人たちは青春時代の全てをかけているのですから。部活動と勉強って青春の両輪ですものね。それが制限されちゃうって苦しいことですよね。親にとっても同じですよね。思う存分に高校野球をやって欲しい、部活動をやって欲しいと願っているのに。一体何から来ているのかってことをもう一回考え直した方が良いと思うんですよ。働き方改革だとか子供の安全面とか、パワハラだ、指導の行き過ぎが拡大解釈となってここに行きついているのではないでしょうか。これだけ議論があるのであればもう一回やり直した方が良いと思うんですけどね。昔に戻るってことはないにしても、もう少し緩和して、子供たちも指導者顧問も、話し合ってやるべきじゃないかなと思いますけど。
ーまさにこれは小菅監督にしか聞けない話なんです。部活動制限問題に出てくるのって公立学校の当事者ばかりですし、私立にとっては関係のない話なので、両方とも経験されている小菅監督ならではの意見を伺いたかったんですね。
小菅 私もこの問題には興味があって、ああ、こうなったんだって残念に思いました。ただ、私立もいずれそうなるかもしれないという危機感は持っていなくてはいけないと思いますね。高校の教員の方たちも、もしかしたら自分は転職するかもしれませんって話をされています。このままやっていても夢が持てないですって話をしていますね。そういった夢とか目標を奪っちゃうことになりますよね。
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