金曜日, 11月 22, 2024
ホームつくば新設校の残土で廃校に造成 旧筑波東中にBMXコース現る

新設校の残土で廃校に造成 旧筑波東中にBMXコース現る

2018年に廃校になった筑波山麓にある、つくば市北条、旧筑波東中学校校庭に、計約6000立方メートルの土砂が運び込まれ、起伏のあるコースを走って順位を競う自転車競技の一つ、BMX(バイシクルモトクロス)コースが姿を現した。今年4月、つくばエクスプレス(TX)研究学園駅近くの同市研究学園に開校した市立研究学園小中学校の建設工事で発生した残土を搬入し造成した。

BMXコースは、自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」に近くに位置する廃校を、自転車と筑波山地域ジオパークの拠点にしようと、同市が今年秋のオープンを目指して整備している施設の一つ(21年6月25日付22年7月6日付)。研究学園小中学校建設時に校庭の地下に雨水の貯留浸透施設を埋めたことから発生した多量の残土を再利用した。同量の残土を購入すると概算で約1530万円かかるという。

同市サイクルコミュニティ推進室によると、お目見えしたBMXコースは上級者用で、全長約380メートル、スタート台の築山は高さ5メートル超、きついカーブを描く3つのコーナーと約40カ所のでこぼこがあり、起伏の高低差は最大で1.8メートル。コースの表面は、グラウンドなどの舗装材として利用される石灰ダストで舗装され、コーナーはアスファルトで舗装されている。

スタート台の様子=4月20日撮影

人気漫画「弱虫ペダル」の作者、渡辺航さんが監督を務める自転車チーム「弱虫ペダルサイクリングチーム」(本拠地つくば市)の運営会社がコースを設計し工事を監修した。起伏の勾配や高低差は危険がないよう、プロのBMXライダーが1カ所1カ所点検しながらつくり、今年3月末に完成した。

今後さらに初心者や子供向けの初級者用コースを、上級者用の隣に造成する。オープン後の管理運営は2023年度は市直営で実施する。来年度以降どうするかは現在、検討中という。

「筑波山ゲートパーク」に

自転車とジオパーク拠点が整備される旧筑波東中は、昨年11月から今年1月まで、施設全体の名称の公募が実施され「筑波山ゲートパーク」と名付けられた。筑波山の魅力を発見するゲート(入り口)となることが期待されている。

校舎は、東側1、2階に自転車を修理・点検するスペースや、ロッカー・シャワー室などが整備される。西側の1、2階はジオパーク中核拠点施設として展示スペース、ライブスタジオ、実験スペースなどが整備される。

昨年開かれた地元説明会で、五十嵐立青市長は「ジオパーク事業は有意義なものなのだけれど、集客という意味では難しい。自転車の事業とマッチングすることにより相乗効果を生んで活性化を図りたい」と語っている。

地元にある写真館のカメラマンで、フェイスブックのグループ「筑波地区廃校後の利用について考える」をつくり、地元の意見を引き出す活動をしてきた矢島祐介さん(42)は「出来上がった後の運用が大事。施設が外の人にも使いやすいものなっていくよう期待したい。地域と、新しい施設が一緒に出来るイベントがあったら良い。この施設がきっかけとなって、地元にも自転車に乗る文化が出来たら」と話している。(榎田智司)

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