フランスの大手コンサルティング会社キャップジェミニの日本法人、キャップジェミニ(本社・東京都港区虎ノ門、殿村真一代表取締役会長)が3月から、TXつくば駅前にあるトナリエクレオ(つくば市吾妻)の5階に入居する。茨城県が同社の情報サービス事業部門の一部と管理部門(本社業務)の一部を誘致したもので、数百人が勤務する。
トナリエクレオは西武百貨店筑波店が入っていた建物。1~3階に物販などの商業施設が入り、4~6階がオフィス用のフロアーになっている。同ビルを所有している日本エスコン(本社・東京都港区虎ノ門)によると、キャップジェミニが使う区画は5階の一部。
キャップジェミニは県の行政効率化についても助言をしており、県と仕事上のつながりがある。つくばへの進出に際しては、県内に工場進出や本社移転した企業への補助金支給制度の対象になる。その額については「3月中旬、県議会に伝えるまでは明らかにできない」(県立地推進課)としている。

知事「質の高い雇用を創出する」
県によると、キャップジェミニはグローバル展開しており、従業員は約35万人。売上高は約180億ユーロ(約2兆5700億円)。金融、製造、公共事業、エネルギー、自動車、消費財販売、通信・メディアなどを対象に、幅広い分野でコンサルティング業務を展開している。
大井川和彦知事は、同社のつくば進出を「グローバル大手コンサルティング会社を誘致できたことは、若者が望む質の高い雇用の創出に向けた大きな成果であり、大変うれしく思う。本県出身の若者が、就職先としてつくばを選ぶ可能性を高めるなど、大きな変化をもたらすきっかけになる」と歓迎した。
同社の殿村会長は「茨城県は東京への近接性のほか、事業環境が非常に優れており、最適な協労機会を備えている。筑波大や茨城大をはじめとした情報・工学系の教育機関も充実しており、産学連携や将来を担う若手人材の採用ができる。さらに、家族向けの教育施設も充実しており、従業員の生活環境も魅力的な地域だ」と述べている。(岩田大志)