木曜日, 6月 26, 2025
ホームつくば2039人でギネス達成 学園の森義務教育学校 つくば 

2039人でギネス達成 学園の森義務教育学校 つくば 

だるまさんが転んだ

日本一児童生徒数が多い、つくば市学園の森、市立学園の森義務教育学校(石黒正美校長、児童生徒数2229人)の1年生(小1)から9年生(中3)まで2039人が19日、鬼ごっこの一種「だるまさんが転んだ」でギネスの世界記録に挑み、見事、達成した。2015年に横浜市内で達成された740人の記録を大幅に塗り替えた。

児童生徒数の増加に伴い来年4月、学校が分離し、近くに研究学園小中学校が開校すること、コロナ禍で通常の学校行事がほとんど開催できなかったことなどから、ギネスに挑戦して、児童生徒同士の団結力を高めようと取り組んだ。

この日、児童生徒は、全員が番号が記されたゼッケンを付けて、午前8時30分から1時間半以上かけて校庭に放射線状に並んだ。生徒会長で9年生の横江晴満(はるま)さん(14)が鬼を務め、朝礼台からマイクを使って「だるまさんが転んだ」と大きな声で言うと、児童生徒たちは全員で一斉に鬼に向かって進むなどした。3回目で生徒が鬼にタッチし終了した。

記録達成に向け、ギネスワールドレコーズ公式認定員の藤渕文香さんが来校したほか、地域住民や筑波大生ら約50人が監視員や証人となり見守った。

審査後、公式認定員の藤渕さんから記録達成が伝えられると、校庭に集まった2039人の児童生徒から大きな歓声と拍手が沸き起こり、生徒会長の横江さんに認定証が手渡された。

世界記録達成の認定証を掲げる生徒会長の横江晴満さん(中央)とプロジェクトリーダーの沓沢夏粋楽さん(右)

横江さんは「本当にたくさんの人が記録達成を手伝ってくれたことにまず感謝したい。2000人の仲間とギネスをとれたことに価値を感じている。(学校が)分離する前に皆で一緒に遊ぶことができた。思い出として残したい。世界一の経験をすることができ、ギネスをとったことが自信となり、モチベーションの一つとなれば」などと話した。

今年4月、委員会活動の中で、9年の沓沢夏粋楽(くつさわ・かいら)さんが、ギネス世界記録を目指そうと発案したことが始まりという。その後、児童生徒約100人で実行委員会を立ち上げ、PTAの協力を得て費用をねん出した。1カ月ほど前からは昼休みなどに学年ごとに練習を重ね、15日に全校児童生徒が集まってリハーサルをして臨んだ。

公式認定員の藤渕さんは「生徒会長から話を聞いた時から、心打たれていた。しっかりと公平に審査し、認定員として立ち会えたことは光栄。世界に発信していきたい」と話した。(鈴木宏子)

ギネス世界記録達成の横断幕を掲げる児童生徒ら

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

5 コメント

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

5 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

運転手不足の減便影響 つくバス利用者減少 つくば市

バス運転手不足や運転手の時間外労働規制などにより2024年4月から実施されたバス減便の影響で(23年11月8日付、24年1月19日付)、つくば市のコミュニティバス「つくバス」の24年度1年間の利用者数が前年度と比べて減少した。一方減便は平均で平日が13.6%減、休日は32.8%だったのに対し、利用者数は全体で1%の減少にとどまった。 つくバスの利用者数は年々増加傾向にあったが、コロナ禍の20年度に前年度比35%減と大きく落ち込んだ。その後は徐々に回復し、23年度はコロナ前を上回り過去最高の113万2827人になった。しかし減便があった24年度は前年度より約7006人(1%)減り112万5821人になった。一方、路線によっては減便により混雑した。1便当たりの利用者数は23年度が平均9.5人だったのに対し、24年度は11.8人になった。 10路線(24年10月からは11路線)のうち24年度の利用者が減ったのは、つくば駅前から大穂地区などを通って筑波山方面に向かう「北部シャトル」(前年度比0.26%、年1041人減)、つくば駅前からテクノパーク桜などを通って小田方面に向かう「小田シャトル」(25%、1万7851人減)、つくば駅前から研究学園駅前、豊里地区などを通って上郷方面に向かう「上郷シャトル」(10%、8559人減)の3路線。他の7路線は前年度比1~13%(483~4798人)増加したが、小田と上郷の減少が大きく全体として減少した。 北部シャトルは年間利用客数が39万4089人と最も利用が多い。減少が0.26%にとどまったのは、通勤通学時間帯の便数を極力確保したため利用客の減少を抑えられたとしている。同路線は減便により混雑し乗車できない利用客がいたことから、今年4月から夕方4時台に1往復(上り下り各1便)増便した。 小田シャトルが25%減と大幅な減少となったのは、減便数が平日27%減、休日47%減と大きかったためとしている。 一方減便により、つくバスの運行経費は23年度の約5億3890万円から24年度は4億7640万円に約6260円減少した。運賃収入は2億2290万円から2億2230万円に約55万円減少し、運行経費における運賃収入の割合を示す収支率は41.4%から46.7%に上昇した。 つくばね号、目標達成 筑波地区を運行する支線バス「つくばね号」の24年度の利用者数は前年度比17%増の年7171人となった。1便当たりの利用者は1.2人となり、目標の1.0人以上を上回った。 乗り合いタクシー「つくタク」の24年度の利用者数は4万8019人で前年度と比べ0.1%減少した。つくタクの予約は今年4月から、電話とインターネットの両方で予約できるようになり、さらにAI(人工知能)で運行を最適化するAIオンデマンドシステムが導入された。システム導入後の今年4月と5月の利用者は前年同期と比べ5.4%増えた。運行の最適化により乗り合い率が高まる一方、遠回りしたり、遅延が発生しているため、市は今後、乗り合いと遠回りの度合いの計算方法などについてさらに検討するとしている。 筑波山の公共ライドシェア、振るわず 今年1月27日、つくば、土浦、下妻、牛久4市の交通空白地区4エリアでスタートした、一般ドライバーが自家用車を使って有償で乗客を送迎する公共ライドシェア(24年10月1日付、25年1月26日付)について、5月末まで約4カ月間の利用実績は、つくば市桜ニュータウンと隣接の土浦市天川団地周辺の「つくば・土浦エリア」の運行回数は104回、利用人数は116人だった。下妻市の国道125号から南側の「下妻エリア」が148回、182人、市街化調整区域住民が市全域で利用できる「牛久エリア」は36回、42人だった。つくば・土浦エリアの利用者については30~50代が最も多く、主に通勤で利用されているとみられるという。 これに対し、筑波山中腹のつつじケ丘や筑波山神社からふもとの筑波山口まで、観光客を含めだれでも、午後5~8時に利用できる「筑波山エリア」の運行回数は約4カ月間で5回、利用人数は6人にとどまった。4月下旬から5月上旬はゴールデンウイークの利用を見込みSNSに広告を出すなど周知活動をしたが、振るわなかった。運行は事業期間の2027年3月末まで続ける。今後は秋の行楽シーズンに向け、新たな周知活動に取り組むとしている。(鈴木宏子)

コメの需給と値段は安定させられるか?《文京町便り》41

【コラム・原田博夫】2024年秋からコメの値段が上昇し始めた。最初、新米(2024年産米)が出回ればそのうち値段は下がる、と江藤拓農水相(当時)は説明していた。ところが、2025年になっても下がるどころか値上がり傾向が顕著になり、備蓄の古米(2023年産米)を競争入札で放出した。 しかし、消費者の支払う値段は下がらないどころか、値上がりする一方だった。そのうち、備蓄倉庫から小売店に並んで消費者の手元に届くには数カ月かかる、という説明も追加されるに至った。事ここに至って、石破茂首相は農水相を小泉進次郎氏に交代させた。本人もコメ担当相を自認して、備蓄米を随意契約で放出すると明言した。小泉農相の登場以来、コメをめぐる政策・値段・在庫状況は日々変動している。 農産物・畜産品の需給・価格に関しては、経済学に有名な理論がある。定期的に(2年サイクルで)上下変動する豚肉価格と産出量の関係から抽出されたホッグ・サイクル(豚の循環)だ。年次ごとの需給量と価格の変動状況をトレースしたグラフがクモの巣状のことから、「クモの巣理論」とも言われている。 要するに、農産物・畜産品の産出・供給は、前期の価格に反応して増産するけれども、今期はその結果、(相対的に)過剰供給になり、価格は下がる。しかし次期は、再び供給が抑制され、(相対的に)供給不足になり、価格が上昇する-というサイクルである。 この仮説には前提が少なくとも2つある。⑴価格変動に対応して供給量を調整するには少なくとも2期程度の準備期間が必要である、⑵この農産物は備蓄・保存が難しく収穫・出荷から販売まで時間差を置けない-という想定である。 安定的価格の実現を阻む要因 しかし、「令和のコメ騒動」で判明したことは、コメには、新米だけでなく、古米(2023年産)、古古米(2022年産)、古古古米(2021年産)、古古古古米(2020年産)…がある。要するに、保存・備蓄が制度的に認められていて、それを可能にしているのは近年の長期保管・冷蔵の技術でもある。したがって、在庫・備蓄はある。しかし、供給を安定的に維持するには難点が目白押しである。 難点1:保管米を消費者に渡すには、実は、数段階を経なくてはならない。収穫米あるいは備蓄米は、そもそも玄米(籾殻付き)である。それを消費者が食するには、精米が必要だが、これを集中的・大規模に行える精米・保管業者は実は限られている。急な需給調整には対応が難しい。 難点2:コメの生産者から消費者に渡るまでには、集荷業者(大手は当然JA)もいるが、従来は数次の卸業者がスポット取引で(入札制下では)需給調整を行い、流通ルートを確立していた。随意契約はこうした取引実態を超越している。 難点3:コメは、国民が主食として消費しているだけではなく、飼料用米や酒米もある。 難点4:日本のコメの産出量は、(事実上の)減反政策や転作奨励策のゆえに、最大可能量以下に抑えられている。 難点5:農業人口は減退傾向で、60歳以上のコメ農家が9割を占めている。 要するに、コメの生産・販売・流通を取り巻く現行制度は、安定的なコメ価格の実現を阻む要因で満ちあふれているのである。くれぐれも小泉農相には、短期的な事態鎮静化ではなく、農政と国民生活の中長期的な安定化のための対策に取り組んでもらいたい。(専修大学名誉教授)

新たに1人、免許失効したまま公用車など運転 つくば市 全職員を調査

つくば市の教育局職員が約7カ月間にわたって運転免許証の有効期限が切れ、免許証を失効したまま公用車や自家用車を運転していた問題(6月9日付)を受けて、同市が全職員約4000人を対象に運転免許証の原本の有効期限を確認したところ、新たにこども部の職員1人が運転免許証を失効していたことが分かった。23日、同市が発表した。 市人事課によると、こども部の職員の運転免許証は昨年2月29日までが有効期限だったが、今年6月17日に失効が発覚するまで約1年4カ月間にわたって、自家用車で通勤していたほか、公用車を2回運転していた。 今月13日から20日まで、各部局の所属長が、非正規の会計年度職員などを含む全職員の運転免許証の原本の有効期限を確認して判明した。失効が分かった職員は直ちに運転免許証再取得の手続きをとるという。 再発防止策として市は、各部局の所属長が今後、半年に1回、定期的に職員の運転免許証原本の有効期限を確認するほか、公用車使用時に作成する運転記録表に新たに運転免許証の有効期限を記載する欄を設けるなど運転前の再確認を徹底するとしている。

暗やみ坂《短いお話し》40

【ノベル・伊東葎花】 家の近くに、暗やみ坂と呼ばれる坂があった。鬱蒼(うっそう)とした樹木が空を隠し、昼でも真っ暗だ。「暗やみ坂は、一気に駆け上がれ。途中で止まれば闇に取り込まれてしまう」そんな言い伝えがあった。体力があり余った小学生の僕にとっては何でもないことだ。毎日一気に駆け上がった。暗闇などまるで怖くなかった。 ある日、転校生がやってきた。青白い顔の痩せた女の子で、梢子という名前だった。方向が一緒だったので、何となく一緒に帰ることになった。いつものように暗やみ坂を通ろうとしたら、梢子が立ち止まった。 「真っ暗で怖い」 「大丈夫。短い坂だし、一気に駆け上がろう」 僕は、梢子の腕をつかんで走った。僕にとっては易しい坂だけど、梢子は半分の辺りで立ち止まった。 「吉田君、待って。苦しい。走れない」 「だめだ。止まったらだめなんだ」 僕は梢子の手を放して、一気に駆け上がった。しばらく経っても、梢子は上がってこない。おーいと呼んでも返事はない。きっと怖くて下りたんだ。少し心配だったけど、僕はそのまま家に帰った。翌日、梢子は何でもないように登校した。 「きのう大丈夫だった?」 「全然平気よ」 梢子は笑った。昨日よりもずいぶん元気だ。そして驚いたことに、あれほど怖がっていた暗やみ坂を、止まらず一気に駆け上がった。 「吉田君、競争しよう」 梢子は活発な女の子に変わり、僕たちは毎日一緒に帰った。最高の友達になった。 その後、暗やみ坂は閉鎖された。隣に整備された道が出来て誰も通らなくなり「通行止め」の看板が立てられた。僕は高校生になっていた。 「あれ、吉田君?」 駅で、女子高に通う梢子に声をかけられた。久しぶりの再会だった。 「暗やみ坂を通って帰ろうよ」と梢子が言った。 「あそこは通行止めだろ」 「平気よ。看板があるだけで、何も変わってないわ。私、たまに通るのよ」 梢子は躊躇(ちゅうちょ)なく暗やみ坂に入って行き「競争だよ」と、走り出した。僕も走った。久し振りの暗やみ坂は、不気味だった。途中で、飛び出した木の枝に足を取られた。しまった。動けない。 「待って」 梢子は構わず駆け上がる。あの日の僕みたいに。僕の体は、何かに引きずられてどんどん林の奥に入っていく。声も出せない。深い闇の中に、僕の体は放り込まれた。 ふと、柔らかいものに触れた。小さな子供の手だ。 「やっと来てくれたね。吉田君」 青白い顔の子供は、幼いころの梢子だった。あの日僕が置き去りにした梢子だ。 「どうして? 梢子はずっと一緒にいたじゃないか」 「あれはニセモノだよ。これからは、吉田君のニセモノが代わりに学校へ行くの。だから大丈夫。何も変わらない」 闇が僕を呑み込んでいく。もう動けない。「おーい、吉田君」 ニセモノの梢子が、僕の名を呼んでいる。本物の僕と、本物の梢子が、闇の中でそれを聞いていた。 (作家)