宇宙航空研究開発機構(JAXA)筑波宇宙センター(つくば市千現)が11日、特別公開された。今年開設50周年を迎え、これまでの足跡をたどったり、未来の技術を体験する各コーナーを展開。約5000人の宇宙ファンが、約53ヘクタールの広い敷地内の研究棟などをめぐって楽しんだ。
コロナ禍の影響で一般公開は3年ぶり。市内の研究機関の中でも人気の高い施設で、過去の一般公開は1万人を超す来場者を集めてきた。今回は県に感染防止安全計画を提出して、5000人の事前申し込み当選者のみの入場に限定した。
追跡管制棟前や宇宙グッズを扱う売店の前など会場内の各所に長い行列が出来た。人気漫画「宇宙兄弟」に登場したセンター内の場所をめぐる「聖地巡礼マップ」が用意され、それに従ってロケット広場などをめぐり記念撮影するカップルや家族連れの姿が目立った。
「宇宙兄弟」の大ファンというつくば市の恵郷千鶴さんは「当選したので家族4人を連れてやってきた」。宇宙飛行士、金井宣茂さんの講演「有人宇宙活動30周年企画ーこれからの有人宇宙活動や探査について考えよう」では最前列に陣取って聴講した。
講演が終わると長男の裕貴さん(20)が「訓練中うまくいかないこともあったと思うが、くじけそうになったとき、どのように気持ちを切り替えたか」を質問。金井さんから「開き直りも大事。自分はうまく出来ることから取り組もうとした」との答えを引き出した。裕貴さんは「とっても大切な言葉をいただいた」と言い、自分も宇宙を目指したいとの意思表示に、千鶴さんが「ぜひ行ってほしい」とエールを送った。(相澤冬樹)