月曜日, 11月 17, 2025
ホームつくば染色家の協力で洋服アップサイクルに挑む 古着好きの筑波大1年生

染色家の協力で洋服アップサイクルに挑む 古着好きの筑波大1年生

たんすに眠っているTシャツなどの洋服を集めて、地元の染色家が地元産の農産物で染め、新しい服に生まれ変わらせて販売する洋服のアップサイクルを、つくばで実現しようと筑波大生が奔走している。筑波大学総合学域群第一類1年、大本裕陶さん(18)は、昨年NEWSつくばに掲載された記事をきっかけに、染織に興味を持ち、自分らしいイベントを開催しようと奔走する。

アップサイクルは、本来は捨てられるはずだったものに新たな価値を与えて使う取り組みをいう。「リユース(再使用)とリサイクル(再利用)のちょうど中間のような概念。リユースはもう一度使うこと。リサイクルは一度、細かく分解してから使うこと。アップサイクルは、ものを分解せず、そのままの形を活かしてさらに価値を加えることを指す」と大本さん。

古着と出会う

進学した千葉県の県立高校時代に古着と出会い、魅力に取りつかれた。「よく東京に行って、好きなアーティストが開いている古着の店に通った。映画に出てくる服とかも見て回った」2022年に筑波大学に入ってから、今ある仕組みやシステムにただ参加するのではなくて、自分で新しいことがしたいという気持ちを強く感じた。そこで自分が好きな古着で何かできないかと思うようになった。

現在の洋服の生産・流通・販売の仕組みは環境に大きな負荷をかけてしまっているとの問題意識からだ。大量の服がごみとして捨てられている問題などを知って、環境に負荷をかけずにファッションを楽しめる仕組みをどうにかしてつくれないか、もどかしさを抱えていた。

大本裕陶さん

染織のことはよく知らなかったが、NEWSつくばの連載を読み、身近なつくばや土浦にも染織家がいることを知った。2021年10月27日~30日に4回連載の「染織人を訪ねて」は、つくばにゆかりのある染織家を追った記事だったた。

大本さんはアップサイクルの協力を依頼するため、土浦市板谷の染織工房「futashiba248(フタシバ)」(21年10月29日付)を訪れた。草木染を行う工房で、剪定された木枝や規格外で市場に出ない野菜・果物などを県内各地の農家から提供してもらい、農業廃棄物から取り出した染料を用いる草木染を特徴にしている。

「絶対断られるだろうな」と思いながら、自転車で1時間かけて染織工房に行った。「反応は予想外のもので、自分の話をとてもよく聞いてくれて、協力してくださることになった」

顔の見える関係

来年春、つくば市内で集めたTシャツなど衣服約30着を染めて売り出すイベントを開催する予定だ。資金はクラウドファンディングで集め、10月末までに12万円に達した。販売会場などの詳細は検討中だ。「今、友達に呼びかけて服を集めている。つくばで集めて、つくばで染めて、つくばで売る。自分が住んでいるこのつくばで完結することも大事なことだと思う」と話す。

大本さんにとって、顔の見える関係の中でアップサイクルを行うことが重要だという。「元々の洋服の持ち主、それを染めて加工する染色家、染め上げた洋服を販売する人、その人たちがアップサイクルを通じてつながるきっかけをつくりたい」という。「友人のなかには古着を汚いと思い、避けている人もいるけれど、アップサイクルには好印象を持っていたりする。アップサイクルに興味を持ってもらうことで、捨てられてしまう衣服が減ることになる」

大本さんの目標は洋服のアップサイクルを普及させること。まずは染織によるアップサイクルの形を模索するが、染色以外の手法もこれから考えていく。「まだ大学に入学したばかりの18歳で、なにか実績があるわけでもない。いろいろな方の手助けをいただくことができたらうれしい」と話した。(山口和紀)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

0 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

日米に見る軍隊のおかしな使い方《吾妻カガミ》212

【コラム・坂本栄】東北地方のクマ出没に対処するために県知事が自衛隊に出動を求め、話題づくりが上手な防衛相がこれに応じたとのニュースには驚いた。小銃や機関銃を使って掃討するのかと思っていたら、どうやら「前線」で駆除する猟銃の使い手やライフル警察隊の「後方支援」を担当するらしい。これなら災害出動の小規模団だが、最近、軍隊の使い方が内外でルーズになっているのが気になる。 麻薬船爆撃、デモ隊鎮圧 何かと思い付きが目立つトランプさんは、米国に麻薬を運んでいるという理由でベネズエラの小船を撃沈するよう米軍に命令し、すでに何隻か沈めた。爆撃によって麻薬組織の運び屋が数十人殺されたという。この命令に抗議してカリブ海域を管轄する米海軍の司令官が辞表を出したというから、ホワイトハウスのボスと米軍指揮者の間で軍隊活用の是非について意見の対立があったのだろう。 軍隊組織は外国軍の侵略や政戦略を踏まえた対外作戦を想定して整備されている。麻薬取引への対応は麻薬取締部門の担当であり、この部門に密輸船に対応できる備えがないのであれば、沿岸警備隊(日本では海上保安庁)に任せるのがスジだろう。密輸船対応に軍隊を出すということは、ベネズエラに戦争を仕掛けるようなものだ。 ベネズエラの大統領が「麻薬マフィアのボス」(トランプさんのコメント)なのかどうかは知らないが、民間小船を爆撃せよとの命令は常軌を逸している。世界最強の軍隊を擁する国の大統領のこのような雑な軍隊運用を見ると、米国の軍事機構は正常に機能していないのではないかと思う。 別の分野でもトランプさんはおかしなことをしている。彼の移民政策に反対するデモを州兵に鎮圧させるという使い方だ。連邦制の米国には中央政府の軍隊のほかに州政府の軍隊がある。州兵が一種の予備力とは言え、抗議デモ程度の取り締まりに動員するのは異常といえる。交通整理の警察官で対応が無理なら、せいぜい機動隊が担当する分野だろう。 軍隊運用の線引きが曖昧 クマ退治、小船爆撃、デモ鎮圧。日米で軍隊運用の線引きが曖昧になっている。相手がクマにせよ、麻薬船にせよ、デモ隊にせよ、強力な装備を持つ軍隊がこの種のケースに関わると、軍隊に与えられた本来の仕事から逸脱する。軍隊の自立性を生かす災害出動は別にして(もっともクマ退治程度の後方支援は自治体の仕事だが)、国内問題に関与させるのは抑えた方がよい。 外交経験が少ないトランプさんは、ワンマン不動産経営の延長なのか、中国の習さん、ロシアのプーチンさん、北朝鮮の金さんの強権政治に憧れているという。いずれの国も対外用軍隊と国内治安隊が独裁者によって事実上セットで運用されている。トランプさんが沿岸警備隊や警察機動隊の役割を正規軍に持たせるのは、実力組織の運用でも強権国のまねをしたいのだろう。(経済ジャーナリスト)

ホーム開幕戦で敗れ2勝1敗 つくばサンガイア

バレーボールVリーグ男子のつくばユナイテッドSunGAIA(略称サンガイア、本拠地つくば市)は15日、土浦市大岩田の霞ケ浦文化体育会館で今季ホーム開幕戦を迎え、レーヴィス栃木(本拠地足利市)にセットカウント1-3で敗れた。これでサンガイアは2勝1敗で東地区4位。16日も午後2時から同会場でR栃木と再戦する。 2025-26 Vリーグ男子(東地区)レギュラーシーズン(11月15日、霞ケ浦文化体育会館)サンガイア 1-3 R栃木22-2520-2525-1623-25 第1セットは互いにサイドアウトを取り合う流れでスタート。中盤にはサンガイアがレフト浅野楓のブロックやスパイク、ライト長谷川直哉の多彩な攻撃などでリードを広げるが、終盤にR栃木が曾根裕也のサービスエースなどで追い上げ逆転に成功、22-25でサンガイアは最初のセットを落とした。 第2セットも序盤は拮抗した展開だったが、中盤にR栃木が5連続得点などで引き離し、結果20-25でサンガイアはこのセットも落とした。 「自分たちのやりたいことの半分くらいしか出せなかった。細かいつなぎやコンビネーションが良くなく、相手にチャンスボールを渡し、点につなげられてしまった」と武藤茂主将。「選手の良さを出しきれなかった。相手のポジショニングに想定と違う部分があり、高さでミスマッチが出たところを特に第1セットは突かれた」と加藤俊介監督。 R栃木の先発メンバーにも目を見張らされた。6人のうち架谷也斗、十文字龍翔、奥村航の3人がサンガイア出身。在籍時期やポジションは違うといえ、それぞれに一時代を築いた選手たちだ。 「出身選手だからという意識はなかったが、特に架谷と奥村には相当ポイントを取られたので、この2人を抑えなくてはと選手に話した」と加藤監督。武藤主将は「架谷は去年のうちのエースで、難しいボールも上手に打ちこなすやっかいな選手」と評し、長谷川直哉も「チームメートだったから特徴もよく分かっている。絶対負けたくない」とライバル意識を燃やしていた。 試合は第3セット、サンガイアがメンバーチェンジなどで流れを引き寄せた。セッターを森居史和から浅野翼に変更、村松匠のバックアタックをお膳立てするなど攻撃の幅を広げた。「森居はサイドへの速い供給が得意で、浅野はインサイドをうまく使う。それぞれに良さを出してくれた」と加藤監督。 第3セットを25-16で奪ったサンガイアは、第4セットも終盤まで粘りを見せるが、一歩及ばず23-25でセットを落とし試合終了。 明日の再戦に向けて長谷川は「今日できなかった守備のやり方や、かみ合わなったポイントなどを動画やミーティングで確認し修正したい」、また加藤監督は「うちの良いところが出ればリベンジできる。みんなコンディションは良く、その試合のベストメンバーを出す」と前を向いた。(池田充雄)

「土浦の花火2025」を振り返る《見上げてごらん!》46

【コラム・小泉裕司】第94回土浦全国花火大会(11月1日)は、競技開始を知らせる直径約24センチの 8号玉5段雷花火が筒から打ち上げ後すぐに爆発、いわゆる過早発(8月17日掲載コラム参照)で、会場の数万人の脳裏に「中止」の二文字がよぎったに違いない。 通常、イベント開催を知らせる雷花火は直径12センチの4号玉なので、2倍の大きさがある。使用の機会はまれだ。安全確認後、プログラムは再開したが、それまでの13分間は、ただただ無事を祈るばかり。再開後は、前線の影響か、例年の風向きとは異なる南風で、観覧席や付近の住宅にガラが舞う夜となったが、大会は無事終了した。 それでは、恒例の「振り返り」をしよう。まずは競技の全体印象だが、2025年の総決算の大会と言って間違いないだろう。その中でも茨城勢と秋田勢、そして山梨勢の強さが際立つ大会となった。特に、夏の大曲全国花火競技大会で内閣総理大臣賞を受賞した野村花火工業(水戸市)のグランドスラム達成は圧巻だった。 10号玉の部(直径30センチの尺玉1発) 上位を占めたのは、やはり五重芯の作品。8作品のうち、優勝した野村花火工業、準優勝の山﨑煙火製造所(つくば市)の五重芯は、安定度抜群で甲乙付けがたい完成度。山﨑煙火のこれまでと異なる色の組み合わせが多少順位に影響したのかも知れないが、僅差(きんさ)であったことは間違いない。 2007年に四重芯花火を完成させた菊屋小幡花火店(群馬県)の五重芯も、昨年あたりから安定度が格段に増している。こうした多重芯が優位の中、入賞したマルゴー(山梨県)の「昇り曲付超(スーパー)変化菊」は、十八番の点滅系花火で、いわゆる自由玉の部類。 自由玉が進化すればするほど、こうした自由玉と多重芯花火を同じまな板の上で採点することについて、花火師や観客から違和感を指摘する声が聞かれる。この点、実行委員会ではすでに数年前から課題としているが、具体的解決策が見えておらず、早期の解決が待たれるところだ。 創造花火の部(直径15センチの5号玉7発) 18回目の優勝を飾ったのは、北日本花火興業(秋田県)の「赤いキツネと緑のタヌキ」。この日、会場で最も大きな歓声が湧いた作品だ。キツネは3匹中1匹、タヌキは4匹中3匹が審査委員側に顔を向けたが、この技術とアイデアこそ「型物花火の神様」と言われるゆえんだ。 社長の今野義和さん(61)は、昨年「現代の名工」に選ばれ、今月には「黄綬褒章」を受賞するなど、日本煙火史に残る卓越した成果を残し続けている。 準優勝は芳賀火工(宮城県)の「ラッパでドレミ」、特等は加藤煙火(愛知県)「今が旬!ドクドクきのこ」の2作品。これらを含めた上位3作品は、老若男女、誰にもわかりやすいデザイン。大きな拍手が審査員の採点を後押ししたに違いない。 打ち上げ順番が早い作品は高得点が出にくいと言われるが、それを実感したのが26番伊那火工掘内煙火店(長野県)の「幸せのクリスマスツリー」。7発一斉打ち上げはこれまで見たことがない。落ちるときに段階的に輝く彩色千輪の段咲きは、打ち上げや開発のタイミングを計算し尽くしたチャレンジングな作品で、まさに「創造花火」の秀作と言える。 審査員のみなさんには、前半とは言え「いいもの」には、勇気を持って高得点を付けていただきたい。 スターマインの部(直径12センチの4号玉以下400発以内) 優勝した野村花火の「颯爽と吹く風になって」は、選曲センスが抜群。ピアニストよみぃさんの演奏によるTVアニメ「とある科学の超電磁砲」 のオープニング曲は、アップテンポで疾走感のあるメロディー。十八番の野村ブルーとグリーンを基調とした八方咲き、輪菊、蜂など手抜きのない名花ばかりが、まさに駆け抜けるように音楽とシンクロ。お見事の一言に尽きる。 準優勝の山﨑煙火の「感情反転~愛と憎悪~」は、奇しくも野村花火と同じピアの曲を採用。ピアニスト清塚真也さんの「恋」と「怒りのともしび」の2曲をシーンごとに使い分けて、紅色のハート花火、牡丹、千輪菊などの連打に加えて、ひときわ大きな音を出す万雷を効果的に散りばめながら、愛情から憎しみへの激しい心の変化を表現した。 名作ぞろいの大会だったが、順位を分けたのは保安点、つまり落下による減点ではないだろうか。例年以上に多かったように感じた。その点、上位3作品は、垂れ落ちる星を一定の高さで消失するよう、見事にコントロールされていた。 内閣総理大臣賞受賞コメント 大会翌日2日の表彰式では、受賞者を代表して、内閣総理大臣賞を受賞した野村花火工業社長の野村陽一さんが謝辞を述べた。今回の受賞で土浦の花火13回、大曲の花火10回と、合わせて前人未踏の23回目の受賞を果たした。 「多くの花火業者が土浦に参加していただくことで多くの学びがある。花火の世界はWhyの連続。1歩進んで、2歩下がるどころか11歩下がってしまうこともある。そんな多くの課題を乗り越えて今があるが、数多の成績は、父との研究開発の成果だ。その私を、技術的にすでに超えた弟子の山口花火師とともに、100周年の土浦の花火がさらに発展するよう、さらには、みなさんに夢と感動を与えられるような花火づくりにこれからも取り組んでいきたい。」 それにしても、1年のうちに石破総理と高市総理2人の総理大臣から表彰された花火師は、史上初ではないだろうか。めでたし、めでたし。大会の無事開催を祝い「ドーン ドーン ドーン!」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

3S政策とマリリン・モンロー《映画探偵団》94

【コラム・冠木新市】中学1年生のころ。米国の進駐軍が戦争直後の日本の子どもたちにチョコレートやチュ一インガムを配る記録映像を目にし、不思議に思った。あの行為は、米国が日本人に好印象を持ってもらおうとの戦略だったのだろうか。 同じころ。古本屋で購入した「キネマ旬報/日本映画戦後18年総目録」の中に不思議な単語を見つけた。「…女性尊重、殿様の権威否定(もろもろの権威が殴られる)とともに、野球などのスポーツをねらったものがある。つまり3S政策といわれたものに対する、極めて素朴な、しかし商売上手な戦前からの転身が見られる」(戦後日本映画展望/井沢淳) 3S政策とはなんなのだろうか、疑問だった。だが、以後この言葉を目や耳にすることはなかった。1990年代に入って、ようやくその意味が分かる。 終戦後、米国はかねてから準備していた占領政策を打ち出した。その中核をなすのが「3S政策」、別名「日本弱体化政策」であった。3Sとは、SPORT(スポーツ)、SCREEN(スクリーン、映画)、SEX(セックス)の頭文字を示すもので、この3つのSを日本人の思考と身体に浸透させ、日本人を弱体化し、政治に興味をなくさせ、都合よく操ろうという計画だった(文献は残されていない)。 日本国民は、米国を美化して描いたハリウッド映画の洗礼を受け、知らず知らずに米国を理想化していった。大人たち以上にスクリーンの洗礼を受けた少年少女たちは、後に団塊の世代と呼ばれるようになり、3つのSが浸透し話題の中心となり、生き方を決めていくこととなった。 小津安二郎監督「東京物語」、溝口健二監督「雨月物語」、撮影中の黒澤明監督「七人の侍」など、日本映画界が黄金期を迎えていた1954年。 大リ一グの野球選手だったジョ一・ディマジオと結婚したセックスシンボルの女優マリリン・モンローが「帰らざる河」の撮影を終え、新婚旅行で日本にやって来た。表向きは、ディマジオが読売新聞の野球イベントに招待されたとされている。しかし、そのころは朝鮮戦争中で、モンローは韓国で戦う米兵の慰問を兼ねていたといわれる。米国でコンサートのリハ一サルまでして来たとの情報もある。 日本人は、モンローとディマジオの来日に熱狂した。2人の来日は、もしかして、文化復興してきた日本に対して、3S政策を再度強化するための作戦ではなかったのか(映画探偵団35)。 1960年代の高度成長期に入ったころから、日本人に糖尿病患者が急に増加する。テレビでは、コーラとチョコレートのCMがガンガン流れていた。映画館のスクリーンを見て、コーラを飲み、チョコレートを食べていた私は、成長して当然のように糖尿病となった。 2000年代に入ると、3S政策の話はちょくちょく目や耳にするようになる。そんなある日、病院からの帰り道で突然ひらめいた。3S政策のSとは、SUGAR(砂糖)ではないかと。進駐軍は子どもたちに甘味を覚えさせ、3S政策で興奮を与え、着々と糖尿病患者に育てようとしたと妄想するのだが、糖尿病患者の皆さんはどう思われるだろうか。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家) <お知らせ> 物語観光「つくつくつくばの七不思議セミナー」・日時:11月29日(土)午前11時~午後1時・場所:コリドイオ小会議室・内容: 映画上映「サイコドン(第2話)」、製作発表「新春つくこい祭/北条芸者ロマンの唄が聞こえる」の後、まちづくり懇談(参加費無料)