旧統一教会の関連団体、世界平和女性連合の地域組織「WFWP世界平和女性連合つくば支部」の団体情報が、つくば市市民活動センター(同市吾妻)が9月に発行した「広報71号(2022年9・10月号)」に国際協力団体として掲載されていることが分かった。
紙面では、今年7月までに使用団体情報提供書を同センターに提出した、市内で活動する158の市民団体の一つとして紹介されている。
同センターの担当者は「紙面を編集した7月の時点で(同連合が)旧統一教会の関連団体であることは認知していなかった」と説明する。使用団体情報提供書は、センターの運営が指定管理者から市に移った2021年4月、施設を利用する市民団体に対してセンターが提出を勧めていた。世界平和女性連合つくば支部は、団体冊子をセンターに置いていたことから、団体活動を国際協力団体として提出し、今回の掲載につながった。
茨城県内には世界平和女性連合の地域組織が二つあり、つくば支部は土浦市に拠点を置く茨城第2連合会に属し、同連合主催の女子留学生日本語弁論大会(10月20日付)や、エチオピアの里親支援などをボランティアで会員が行ってきたと、支部担当者は説明する。同連合の公式サイトによると、全国47の各都道府県に156の連合会を置いている。
被害者救済と実態解明求める意見書可決
つくば市議会は9月議会最終日の10月6日、旧統一教会と関連団体による被害者救済と実態解明を国に求める意見書を賛成多数で可決した=メモ=。国に提出された意見書では、霊感商法など教団によるこれまでの違法行為や政治家への働き掛けなどの問題点を指摘した上で、国民の信頼回復のために被害実態の解明、被害者やその家族の救済に向け関係機関が連携して取り組むこと、教団と政治家の関係を究明・公表し決別することを求めている。
意見書を議員提案したつくば・市民ネットワーク代表の永井悦子さんは、関連団体が市民活動センターの広報誌で市民団体として紹介されたことについて「旧統一教会自体は、反社会的なことを行っていることが民事訴訟等で明らか」との認識を示し、「関連団体は市民への入り口となっていると理解している。(団体の動きを)注意しなければならない」と見解を述べた。
市民活動センターは今後の対応について「センターの施設規約では、政治・宗教活動を目的とするものについては、施設使用を許可できないことになっている」としつつ、「国の指針等が出ていない現段階では、市民団体と宗教団体との関連は、それが虚偽かどうかを含めて明確な対応基準はなく、公平性の観点からも判断はしかねる」との見解を示した。(柴田大輔)
【メモ】旧統一教会及び関連団体による被害者の救済と実態解明を求める意見書に
▷賛成した市議19人=ヘイズ・ジョン、宮本達也、塚本洋二、飯岡宏之、鈴木富士雄、川村直子、あさのえくこ、小森谷さやか、皆川幸枝、山本美和、浜中勝美、小野泰宏、高野文男、山中真弓、橋本佳子、川久保皆実、木村清隆、塩田尚、金子和雄
▷反対した市議8人=長塚俊宏、黒田健祐、神谷大蔵、五頭泰誠、久保谷孝夫、木村修寿、小村政文、中村重雄(敬称略)