インターナショナルスクール計画が浮上した旧筑波小学校跡(つくば市国松)で、11月12日に「魔女のフェスタ・秋の収穫祭」が開かれる。同小跡でのフェスタ開催は4回目、主催者のいしざき緑子(魔女の学校主宰者)さんは今回のテーマに「星の子どもたち・土とおとなたち」を掲げた。
いしざきさんは、コロナ禍で加速したオンライン授業をはじめとするIT化で、子供たちの個性を発揮する場が損なわれつつある、と危機感を抱く。「星の子どもたち」は、一人ひとりの輝く星をいっぱいに輝かせてあげたいとの願いを込めての企画だそう。子供たちの自由なお店屋さんごっこ用に1教室を充てる「子魔女商店街」をメーンに、手作りのゲームやアート作品、マント作りなどユニークな店舗が軒を並べる。子供たちが一日中遊べたり、お母さんたちが交流出来るような場を用意する。
「土と大人たち」は、足元の大地と繋がりながら様々な人々が自然と共鳴し合おうと呼びかける。ジャンベやディジュリジュなど様々な民族楽器の演奏、踊り、パレードなどで来場者と一緒に盛り上げる。ステージでは群馬県館林市の常楽寺から池田元用住職を迎えてのフリートーク式お悩み相談、デザイナーのルウさんによる「ファッションは生き方」テーマのトークショー、ミュージシャンの奈良大介さんによる野外ライブなどが予定されている。
祭りは、校庭に飲食店のキッチンカーや模擬店が並び、3階建ての校舎にはアクセサリー、フラワーアレンジメントなどの手作り品、占いやアロマセラピー、ハーブを利用した癒し療法の店が出来る。3階の音楽教室ではライブイベントが行われ、ベリーダンスのパフォーマンスもある。魔女の学校関係者、近隣の人たちが一緒になって祭りを盛り上げる。
魔女のフェスタは回を重ねるごとに盛況になり、参加者も広範になった。ことし5月の開催では2000人を超える入場者があり、学校前の狭い市道には車があふれ、警察車両が出動する騒ぎもあった。いしざきさんらは新たな駐車場確保など、地元との連携に腐心する。
いしざきさんによれば、魔女のフェスタの趣旨は「魔法のように見せられているものを追い求め消費することよりも、一人ひとりが自分のなかにある魔法に気づき、自らの手で生み出した魔法で誰かを少しだけ幸せにする、その魔法が多様であればあるほど、魔法が豊かな化学反応となり、コミュニティーに循環していくという社会実験の場」なのだそうだ。「ぜひ、会場に足を運んで誰かの魔法にかかりにきてほしい。魔法を外に求めるのではなく自分のなかに眠る魔法に目覚めてもらえたら」と語る。
旧筑波小学校は2018年に閉校。跡地利用は決まらずにいたが、茨城県の誘致したグローバル・スクールス・ファウンデーション(GSF)によるインターナショナルスクールとしての利活用構想が浮上した。9月中、地元との二度の意見交換会(9月27日付)が開かれている。(榎田智司)