科学の街つくばの夏休みは、子どもたちを夢中にさせる企画が今年も目白押しだ。JAXA筑波宇宙センターなど市内6カ所の研究施設を巡回するつくばサイエンスツアーバス(茨城県科学技術振興財団運行)は「夏バス」として特別便を増便し、夏休み特別企画・謎解きゲーム、実験や工作イベントが開催される。つくば市による「つくばちびっ子博士2022」では、市内36の研究・文化施設を結ぶクイズラリーが開催。一定の正解数を越えると「最優秀ちびっ子博士」号が贈られる。
夏バス、週6日運行
「夏休みの自由研究にお薦めです」と力を込めるのは、夏バスを運行する茨城県科学技術振興財団スタッフの海原麗子さん。夏休み期間の7月23日から8月28日まで、月曜を除く週6日、市内6つの研究施設を循環する。乗り降り自由の1日乗車券で、好みの施設を見学できる。スタッフガイドの詳しい解説がつく同行コースも9回ある。各日募集定員19人でウェブで要予約だ。各施設を巡ることで、地震や宇宙など、さまざまなテーマを多角的な視点で知ることができるのも見どころだ。

海原さんのいち押しが、特別企画「謎解きサイエンスミステリー『暗号だらけの招待状』」。夏バス1日乗車券を購入するともらえる「招待状」を手に、6つの施設に散りばめられた「暗号」を解読する。
つくばサイエンスバスツアー「夏バス」は、つくばセンター発着の「北回り」「南回り」の2ルート。停車地は、国土地理院、つくば実験植物園、つくばエキスポセンター、産業技術総合研究所(地質標本館、サイエンス・スクエア)、筑波宇宙センター。大人500円、小学生250円、幼児無料(保護者同伴)。
スタッフガイド同行コースは各日19名、要ウェブ予約。1日コースは 8月6日(土)、20日(土)の2日間で、地図と測量の科学館、筑波実験植物園、サイエンス・スクエアつくば、地質標本館、筑波宇宙センターの3カ所を回る。午前北回りコースは8月2日(火)、4日(木)、9日(火)、12日(金)、24日(水)。見学施設は地図と測量の科学館、筑波実験植物園。
つくばサイエンスツアーオフィス(茨城県科学技術振興財団)は電話029-863-6868 ウェブサイトはこちら
夏の工作実験イベント開催
期間中、研究機関の見学訪問と、実験や工作を楽しめるイベントがセットになったツアーも開催される。
8月17日(水)と25日には、チョウの翅(はね)にある鱗粉を紙に写し取り、それをもとにポストカードをつくる工作実験教室が開催される。実験教室のほかに、地質標本館とJAXA筑波宇宙センターを見学する。小学生とその保護者が対象。実験材料として300円のほか、サイエンスツアーバス運賃(大人500円、小学生250円)がかかる。
8月21日(日)は、霞ケ浦環境化学センターで、植物のタネが飛散する仕組みを理解するための工作講座が行われる。その他に、地図と測量の科学館、筑波実験植物園を見学する。小学生以上が参加できる(小学生は保護者同伴)。サイエンスツアーバス運賃(大人500円、小学生250円)のほか、筑波実験植物園入園料(一般320円、小学生、65歳以上は無料)がかかる。
各ツアーとも、定員を設けた事前予約制。詳細・申し込みはつくばサイエンスツアーオフィスのホームページで受け付けている。

クイズに答えて「ちびっ子博士」
つくば市による「つくばちびっ子博士2022」では、市内36カ所の研究施設や、歴史・文化施設を結んだクイズラリーを開催する。期間は7月23日から9月30日まで。現地を見学したり、オンラインイベントなどを通じて出されるクイズに答える。
対象施設は、つくばエキスポセンター、ゆかりの森昆虫館などの博物館、高エネルギー加速器研究機構(KEK)などの研究施設のほか、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」にも関連する小田城跡歴史ひろばといった歴史・文化施設など多岐にわたる。新型コロナ感染対策としてオンライン企画を充実させ、現地見学の混雑緩和のために期間を9月末まで延長した。
各施設の動画は特設サイトから視聴できる。さらに同サイト上には、感じた疑問を25の参加機関にぶつけられる『つくばSTEAMコンパス「なぜなぜなぜ」スペシャル!』が実施される。質問の期限は8月7日まで。
クイズラリーの参加に必要な「パスポート」は、つくば市役所、市内の地域交流センター・窓口センター、総合インフォメーションセンター交流サロン(BiViつくば2階)で配布する。クイズの正解数に応じて、「最優秀つくばちびっ子博士」号、「優秀ちびっ子博士」号、「つくばちびっ子博士」号が認定され、それぞれに参加賞が贈られる。
イベントの詳細は、市の特設ページ「つくばちびっ子博士2022」、参加機関の情報は「つくばちびっ子博士2022 参加機関情報」で確認できる。(柴田大輔)