2018年3月に廃校になったつくば市北条、旧筑波東中学校(約3.7ヘクタール)校舎に、自転車拠点とジオパーク中核拠点を整備する工事が7月に着工する。さらに校庭に、自転車競技の一つ、BMX(バイシクルモトクロス)コースを新設する工事も年度内に着手する。いずれも来年夏か秋ごろのオープンを目指す。
本格的なBMXコースは、ひたちなか市の国営ひたち海浜公園に次いで県内2カ所目、ジオパーク専用の拠点施設は、6市で構成する筑波山地域ジオパークで初となる。
BMXコースは全長350メートル
自転車拠点は、つくば霞ケ浦りんりんロードから約200メートル、峠の坂道を登るヒルクライムで人気の筑波山の不動峠から1.4キロの位置にあることなどから整備する。校舎東側の1、2階約1100平方メートルに、自転車を点検・修理したり、部品を販売するスペースをつくるほか、シャワー室、更衣室などを設置する。
校庭のBMXコースは、でこぼこの小高い山や谷をつくるなどして整備する。コース面積約7500平方メートル、コースの全長は約350メートルで、国際大会が開催できる水準とする。別に初心者向けのコースもつくる。土木工事の予算は約9900万円。
完成後の運営は市の直営とするが、連携事業者として市内に本拠地を置く自転車チーム「弱虫ペダルサイクリングチーム」の知見を借りながら運営するという(21年6月25日付)。
利用料は、埼玉県秩父市の秩父滝沢サイクルパークBMXコース(コース使用料大人1日1650円、2時間1100円など)を参考に今後、決める。利用者目標は、オープン3年後に年間5000人。首都圏からの家族連れが、周辺にも足を運び、筑波山観光に波及することが期待されている。
見て触って、実験・観察も
ジオパーク中核拠点は、校舎西側1、2階の約1200平方メートルに整備する。1階は、来場者が楽しめる4つのスペースを整備する。模型などを触りながら筑波山や霞ケ浦の地形や地質、地域の産物などを体感できる「ジオストーリーラウンジ」、巨石をイメージした大型モニターで映像を見る「ライブスタジオ」、地域の文化財を展示する「文化財展示室」、実験をしたり鉱物の観察などをする「発信・発見ラボ」の4つだ。
運営はつくば市単独の直営とし、入場無料。目標来場者数は2023年度は約半年間で約4000人、24年度は8000人を目指す。
2階は市職員や筑波山地域ジオパーク推進協議会関係者らが利用する事務所や会議室、倉庫などとし、現在、市役所本庁舎にあるジオパーク室が移転する予定。現地ツアーの情報なども提供する。市ジオパーク室の亀澤理映室長は「ここで学んで、現地に出掛けてくれれば」と話す。
ほかに310台分の駐車場を整備する。BMXコースの土木工事費を除いた、校舎の改修工事と駐車場の整備費は、自転車、ジオパーク施設合わせて約2億5000万円。校舎の改修工事は来年3月完成予定で、ジオパーク施設はその後、展示物の製作や搬入などをする。
【6日訂正】第7段落「文化財展示室」の紹介部分で、「ジオパーク関連の出土品を展示する」を「地域の文化財を展示する」に訂正しました。