土曜日, 10月 10, 2026
ホームつくば不登校支援のあり方検討スタート つくば市 事業者選定の迷走受け

不登校支援のあり方検討スタート つくば市 事業者選定の迷走受け

つくば市が昨年12月に実施した不登校児童生徒の学習支援施設運営事業者の選定をめぐって迷走した問題を受けて、今後の市の不登校支援のあり方について検討する「市不登校に関する児童生徒支援検討会議」の第1回会合が17日、市役所で開かれ、検討がスタートした。

市が、2020年10月から22年3月末までNPO法人リヴォルヴ学校教育研究所(同市二の宮、本山裕子理事長)と協働で実施した「むすびつくば」の事業について検証するほか、今後の市の全体的な支援方針を策定する。

検討会議のメンバーは、森田充・市教育長と市教育委員4人の計5人。不登校の保護者など当事者は入っていない。来年1月までに計14回程度の会合を開く。今年9月ごろ、新たな予算を必要とする施策を決め、来年1月ごろまでに全体的な支援方針をまとめる。

むすびつくばの検証については、利用者の小中学生と保護者にアンケートをとったり、運営者のリヴォルヴに自己評価を作成してもらうなどする。リヴォルヴによる運営は、来年3月までの1年間延長されただけであることから、23年度以降どうするかについても検討会議で協議する。

今後の市の支援方針については、先進自治体を調査したり、市内の民間フリースクールの利用状況を調査したり、市内の不登校児童生徒と保護者にアンケート調査などを実施した上で、フリースクールのあり方や支援策などについて検討する。

検討を始めるにあたって、現在の課題については▽専門職であるスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの人数が十分か注視する必要がある▽発達障害の早期発見や診断が遅れると個人の特性に応じた支援や対応が遅れる▽民間フリースクールは有料であるため公設の支援施設の利用者と負担に差が生じている▽不登校の児童生徒数が増えているのに対して公設支援施設の定員は2割程度しかない▽児童生徒数が増加している市南部に公設支援施設がない▽学校での別室登校による支援は専属の教員がいないーなどを挙げている。

その上で検討にあたってはまず、不登校をできるだけ生じさせないようにするため、楽しく魅力ある学校づくりや、学校で気軽に相談できる環境を整える必要があるとした。さらに、不登校になった児童生徒には多様な学習機会や居場所を確保することが必要だとしている。

市の不登校支援をめぐっては、昨年12月、市が実施した不登校学習支援施設「むすびつくば」の運営事業者の選定で、以前から「むすびつくば」を運営していたリヴォルヴが2位となり、新規のトライグループ(本社・大阪市、平田友里恵社長)が1位となった。選定結果に対し、むすびつくばの保護者会がリヴォルヴによる運営継続を五十嵐立青市長らに陳情。五十嵐市長は「現在の利用者や保護者に多大な不安を与えてしまった」などと謝罪し、2022年度は、リヴォルブが「むすびつくば」の運営を産業振興センター(同市吾妻)で継続し、1位になったトライは場所を移して新たに研究学園駅前のトライ研究学園駅前校で支援事業を開始するという異例の決着を図った。

一方、むすびつくばの一部の保護者などから、市内の不登校児童生徒すべてを公平に支援するよう求める要望が出ていたことなどから、市は、22年度に支援のあり方について検討する場を設けるとしていた。

4月から校内フリースクールや別室登校モデル校

現在の市の不登校支援は、公設の支援施設が、市が直営する市教育相談センター内のつくしの広場(同市沼田、利用者11人)、リヴォルヴが運営する「むすびつくば」(吾妻、33人)、トライが運営する「ここにこ広場」(研究学園、18人)の3カ所。ほかに民間のフリースクールが10カ所あり53人が利用している。

小中学校内での支援は、今年4月から新たに、谷田部中に専属教員を2人配置し校内フリースクールをスタートし10人が利用している。茎崎中では別室登校のモデル校としてNPO法人Leaning for ALL(ラーニング・フォー・オール、東京都新宿区、李炯植代表)からスタッフ1人の派遣を受け教員などと連携しながら支援を実施し3人が利用している。ほかに各校で空き教室などで別室登校を実施しており76人が利用しているという。(鈴木宏子)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho





spot_img

最新記事

カフェ&ラボ テラッツァ《ご飯は世界を救う》75

【コラム・川浪せつ子】公益財団法人つくば文化振興財団が運営する「つくばカピオ」(つくば市竹園1丁目)では、室内アリーナ、会議室、和室などの施設を借りることができます。ここでは、バスケットリーグ、大相撲つくば場所などのスポーツイベント、音楽リサイタルなどの文化プログラムが開かれています。 その西側に、ガラス張りのステキな平屋の建物があります。以前は、障害者関係の方々が飲食店をやっていました。ところが閉店していまい、今年6月、「Cafe&Labo TERRAZZA(カフェ&ラボ テラッツァ)」という名前のイタリア料理店がオープンしました。 私は月1回、つくばカピオの小会議室を借りて、水彩画教室をやっています。教室が終わってから、皆さんとTERRAZZAにご一緒しました。外観だけでなく内部もオシャレで、都会的ないい雰囲気。お店の方も親切です。隣には、展示などができるフリースペース(有料)もあります。 アナタのお子さんは大丈夫 記憶がややあいまいですが、かつてこのコーナーは社会福祉法人の相談所でした。私はわんぱく息子に手を焼き、2回ほど児童相談に行きました。担当の元小学校の校長先生は「アナタのお子さんは大丈夫です」と言ってくださり、特別なアドバイスはありませんでした。 ですが、その言葉で私の気持ちは落ち着き、ホッとして帰宅したことを覚えています。数年後、元校長先生にお礼をと思いましたら、相談所はすでに閉鎖。社会福祉法人に問い合わせたら、その方は亡くなられたとのことでした。 その後、子育ては山あり谷ありでしたが、今でも時々思い出します。男の子は、母親に理解できないことが多い「未知の生命体」ですね。今、息子たちは「チョッピリ親思い」の大人になりました。(イラストレーター)

5カ国の19人を歓迎 日本つくば国際語学院で秋の入学式

つくば文化学園が運営する日本語学校「日本つくば国際語学院」(つくば市松代、東東郷治久理事長兼校長)の2026年度10月生歓迎会(秋の入学式)が8日、同市小野崎の同校に隣接する料亭、つくば山水亭で開かれた。5カ国から来日した19人が、鮮やかな民族衣装などに身を包み、新たな一歩を踏み出した。 新入生はミャンマー、バングラデシュ、スリランカ、ネパール、中国出身で、ミャンマー出身者が9人と最多。これから1年半、日本語を学ぶ。 歓迎会では、19人のうち、出席した18人全員がそれぞれ、習いたての日本語で、出身国、年齢、日本でやりたいこと、趣味などを自己紹介し「日本語学校で学びながら専門学校に進みたい」「卒業後は日本で仕事先を見つけたい」「音楽とサッカーが趣味」「読書や旅行が好き」「好きな日本の食べ物はすしとラーメン」などと話した。 在校生を代表してバングラデシュ出身のイスラム・サイフルさんが歓迎のあいさつをし、「最初、日本語があまりわからず、電車に乗った時はどこに行くのかもわからなかった。先生たちは優しく教えてくれたので安心して勉強することができた。皆さんも故郷を思い寂しくなることもあると思うが、学びながら日本の生活を楽しんでください」と新入生にエールを送った。 東郷理事長は「遠い国から、このつくばの地に来てくれてありがとう。日本語を学びながら、日本の文化や社会も学んでほしい。つまずくことがあるかもしれないが、つまずきは大きな経験。明るく前向きにチャレンジして成長してほしい」と語った。 歓迎会には在校生も参加し、この日は新入生を含め200人を超える生徒が会場にあふれた。在校生を対象に日本語能力試験の表彰も行われ、5段階評価のうち最も難しいN1に合格した1人、日常的な日本語を理解できるN2合格の2人、N3合格の21人、N4合格の26人が表彰された。N1は日本人でも合格するのが難しいという。 その後、新入生、在校生、教職員全員で記念撮影が行われた。最後は歓迎パーティーとなり、在校生がキーボードやギターを弾きながら歌ったり、ミャンマー出身の生徒が伝統舞踊を披露するなどした。 東郷理事長は「入学した学生を見ていると、向上心があり明るい、日本人の失ったものをもっているような気がする」などと話した。(榎田智司)

国スポ出場の5選手が決意 関彰商事で壮行会

10日から青森県で開催される第80回国民スポーツ大会(国スポ、旧国体)に出場する関彰商事所属の5選手の壮行会が8日、つくば市二の宮の関彰商事(本社筑西市・つくば市、関正樹社長)つくばオフィスで開かれた。 5選手は、男子砲丸投げに兵庫県代表として出場する森下大地選手(32)、女子やり投げに宮城県代表として出場する兵藤秋穂選手(27)、男子柔道に茨城県代表として出場する戸高淳之介選手(24)のいずれも筑波大出身の3人と、6月に行われた第80回国民スポーツ大会軟式野球競技茨城県大会で優勝した常陽銀行の補強選手として、関彰商事から選出された松本航輝選手(27)、矢萩陽一郎選手(26)の2人。 壮行会には関社長のほか、役員や社員など約100人が参加した。関社長は「それぞれのふるさとを代表して、思う存分、力を出し切って活躍していただきたい」とエールを送った。 男子砲丸投げの森下選手は「中学生の時に友達に誘われて始めた。今シーズン最後の試合なので最後は優勝で締めくくれるように頑張りたい」と決意を述べた。 女子やり投げの兵藤選手は「高校1年の時に、やり投げを専門にしていた顧問の先生から誘っていただいたのがきっかけで始めた。自己ベスト(57メートル56センチ)を更新することを最低目標とし、強い気持ちを持って、勝負よりも記録を重視してやっていき、攻めの姿勢で投げ抜き、今シーズン最後を納得のいく形で締めくくりたい」と話した。 男子柔道の戸高選手は「両親と兄が柔道をやっていて、それに自分も付いていった形で5歳の時から始めた。4年に1回の全都道府県が出られる年なので、1日目に二つ勝って、前年度優勝の東京と対等に戦い、それを乗り越え、関彰商事、茨城の名に恥じないような結果を出したい」とそれぞれ意気込みを語った。 軟式野球の松本選出は「関彰商事として3年連続の出場がかなわなかったのを大変悔しく思っているが、今回常陽銀行からリベンジの機会を与えられたので精一杯頑張る」と雪辱を誓った。矢萩選出も「茨城県代表として精一杯頑張る」と抱負を語った。 国スポ「青の煌(きら)めきあおもり」は、10日から20日まで開催され、砲丸投げ、やり投げなどの陸上競技は青森市のカクヒログループアスレチックスタジアム、軟式野球は青森市の青森県営野球場、柔道はつがる市の伊藤鉱業アリーナつがるで開催される。(高橋浩一)

「説明会を即時開催せよ」住民ら、初の抗議行動 つくば データセンター建設現場前

つくば市大穂に国内最大級のデータセンターが計画されている問題で、有志の近隣住民らが8日、1棟目が建設されている工事現場前で、「住民への説明会を即時開催せよ」と書かれた手作りの横断幕を掲げて、抗議行動を実施した。街頭での抗議行動は初めて。 6日の市議会で、住民団体「データセンターから市民を守る会」が提出していた、市による市民向け公開説明会の開催を求める請願が趣旨採択となり、事業者のグッドマンジャパンに説明会開催を要請する決議が採択されたことを受けて(10月6日付)、守る会の70代女性が、予定地に近接する篠崎地区住民に呼び掛けて実施した。 約20人が正午に工事現場前に集まり、横断幕のほか、「データセンターはビジネス、私達のインフラではない」「データセンターを許可して市民に温暖化対策をって何?」などと書かれたボードをそれぞれ掲げてアピールした。 抗議行動を呼び掛けた女性は「1棟目が2月に着工してもう10月になったのに、納得できる説明会が開かれていない。地域住民は皆、井戸水で生活しているので、特に水の問題は心配している。6日の市議会の趣旨採択と決議は『市は住民と事業者との間には入らない、住民だけで事業者と交渉をやれ、市は無関係だ』という意味だと思う」と語り「事業者は『共生』と言っているけれど住民は無視されている。市は住民に寄り添ってくれず、税収が増えることばかり言う。それでは住民が犠牲になって負担を強いられてしまう。地元の気持ちを表そうと抗議を呼び掛けた」とし、「今後も皆と力を合わせて考えつくことはやりたい。黙っていてもだめなので行動に移したい」と話している。(鈴木宏子)