筑波大学の学生中心に企画・運営されているクラシックコンサートのつくばリサイタルシリーズが、新たに「サロンシリーズ」を立ち上げる。シリーズ実行委員会主催による第1回は29日、つくばアルスホール(つくば市吾妻)で「塙美里サクソフォンが彩るクラッシックの世界」を開催する。
過去のシリーズとの違いは会場の大きさだ。これまで全11回のコンサートはカピオホール(つくば市竹園)などの大きな会場を中心に行われてきたが、今回は100人規模のアルスホールでの開催となる。「日常では味わえないような特別な空間を創ることを目指した」という。
実行委員会の須澤紗音さん(筑波大学比較文化学類3年)は、「カピオホールが現在改修工事中で、別会場を探していた。会場が変わるのだから雰囲気も大きく変えたいと思い、新しいシリーズとして立ち上げた」と経緯を話す。
「サロン」と命名したのは、貴族が友人を集めて小さな演奏会を開くイメージからの着想。「これまでから考えるとかなりの小さめの会場で小人数での開催になる。日常とはまったく違う空間を創出したいと考えてこの名前に決まった。間近で大迫力の演奏を生で見ることができる機会はそう多くはない」という。
出演するサックス奏者、塙美里さんは茨城県の出身。「今回の企画は委員会でも長年温めてきたもので、実現の運びになってとても楽しみにしている」と須澤さん。サックスとピアノの編成で19世紀以前のクラシックが演じられるのは珍しいそう。
実行委員会は立ち上げ以降、コロナ渦での不自由な活動を余儀なくされてきたが、明るい兆しもある。これまでの2年間は、筑波大学が開催する新入生の歓迎イベントが中止になっていたが、今年は開催された。実行委員会も新入生のメンバーを7人集めることができた。これまでの2年間で最も多い人数で、これまでに居なかった学類の学生や、大学院生の加入もあったという。(山口和紀)
◆塙美里サクソフォンが彩るクラッシックの世界(第1回つくばリサイタルシリーズ サロンシリーズ) 5月29日(日)午後2時開演。プログラムは、ビバルディ「フルート協奏曲」(作品10-2“夜”)、バッハ「バイオリン協奏曲」(二短調第1楽章)ほか。チケット(税込み)は一般1500円、学生500円。チケットの予約はこちら。つくばリサイタルシリーズ公式ブログはこちら。