【コラム・秋元昭臣】昨年春、船齢42年のSK-25 (船長25フィート)のクルーザーヨットを譲り受け、知り合い2人と私の3人で共同所有しています。旧船名「AURORA(オーロラ)」はそのまま引き継ぎました。レストア(修復)は大変でしたが、仲間の協力によって楽しみながらできました。
まずは霞ケ浦に浮かべた状態での作業。昨秋、出入港に使うエンジンを洗浄し、5ノットで機走(エンジンで走ること)できるようにしました(それまでは3ノット)。一部腐っていたチラー(かじの柄)は、新しいものに交換。また、車いすの人でも乗り移りできるようにと、専用の移乗板も造りました。
今年1月には、土浦港に上架(陸上げ)して船台に乗せ、本格的な作業入り。まずはクレーンで吊り上げた状態で高圧洗浄。10年浮かしっぱなしの間に付いた汚れを洗いました。それから、船底塗装、推進プロペラ・舵・キール(横流れ防止と転倒防止の鋳鉄製1トンの重り)、船体木部修復、木製ブルワーク(デッキ周囲の波除け・落水防止枠)更新―など。
スタンション(支柱)の腐った木台座も交換。風雨で傷んでいたウインチ(帆綱用)取付ボードも新調。キャビン(船室)入口屋根の「スライドドア」が割れて雨漏りするため、ドアの割れ目に細い木材を入れ、ウレタンニスで固めました。
3月12日に「レストア進水式」
このほか、キャビン屋根左右の手すりやキャビン周囲の飾りも修復。木部にワックスをかけたところ、見違えるように輝き出しました。デッキは、滑り止め「つや無し」の白が素晴らしい仕上がりに。深いグリーンに金色のラインが入っているハル(船体)は、2度ワックスをかけて磨いたところ、作業者の顔が映るまでに。
下架前には、プロペラシャフト止水装置のグランドパッキンを交換。キャビン側と狭い機関室にもぐり込み、新しいパッキンをシャフトに巻きつけ、水漏れ対策を施しました。
修復が終わり、いよいよ進水式。3月12日(土)、シャンペンで「レストア進水式」を行いました。国籍、性別、年齢、障害の有無に関係なく、誰でも乗ってもらえればと思っています。もちろん子どもたちにも。また、クルーザーの訓練艇として利用することを考えています。(元ラクスマリーナ専務)
<私たちの「AURORA」に乗りませんか>
▽4月中に乗船体験会を2回予定
▽定員は1回5人まで(12歳以下の子供は2人で大人1人分)
▽1人500円の保険料をいただきます
▽乗船時間は60~90分
▽乗船場所は土浦港「ラクスマリーナ」
▽問い合わせは秋元akimotoakiomi@gmail.comまで