花曇りの空模様が続くなか、中根農園直売所(つくば市下広岡、中根剛代表)の設けた「菜の花迷路」第1弾が見ごろを迎えている。菜種梅雨(なたねづゆ)が明ける中旬以降に第2弾、第3弾と順次開設の予定で、さらに一帯を折々の花のリレーでつなぐ「下広岡花迷路」の仕掛けで通年の集客を募る構えでいる。
直売所付近の農地に設置した迷路は広さ1300平方メートルのミニサイズで、入場料なしに散策できる。現在満開の見ごろとなっているのはセイヨウナノハナ。茎の高さが50~80センチほど。迷路は1メートルほどの幅でルートが切り開かれており、途中でシャボン玉を作って楽しめるようシャボン液が置かれている。
ナノハナ(菜の花)には、ナタネ(菜種は正式な作物名)、アブラナなどの呼び名がある。年末から初夏まで花期の長い花だが、菜花として食するには「これからが旬」と農園の中根剛さんの解説。今後、下広岡地内で2500平方メートルに設置した「菜の花迷路」の第2弾、7000平方メートルに及ぶ「菜の花大迷路」と相次いで開設する予定でいる。
農園では昨年7月に、耕作放棄地対策として「ひまわり迷路」を開設した(21年7月16日付)。中根さんによると、コロナ禍からアウトドアレジャーが人気となったこともあり、約1カ月で延べ2000人ほどが訪れたという。

そこで今年は一念発起。ナノハナの他に、4月末から6月に咲くポピーやヤグルマギクなどの遊歩道設置、6月中旬から11月上旬には昨年好評だった「ひまわり迷路」も開設する計画で、様々な花のリレー栽培に取り組んでいく。来場者を見込んで有料の駐車場(1台100円=税込み)も農園近くの数カ所に借地して設置した。
菜種梅雨の晴れ間にはウクライナカラー
3月から4月ごろ、気温が低く雲が多い日が何日も続いたり雨が降ったりする天気を「菜種梅雨」という。開花を促す春の雨「催花雨」という言葉が「菜花雨」に転じ、菜種梅雨という言葉ができたという説もある。

雨が上がって雲が晴れれば「青空と黄色の花でウクライナカラーになる」と中根さん。遠い地でウクライナの平和を祈る。(田中めぐみ)
◆現在開設中の「菜の花迷路」第1弾は入場無料。第2弾は大人100円、中学生50円。「菜の花大迷路」は大人200円、中学生100円を予定している。問い合わせは中根農園直売所☎090(6498)2913