木曜日, 9月 18, 2025
ホームつくば格上げし国際都市推進課を市長公室に つくば市人事異動'22

格上げし国際都市推進課を市長公室に つくば市人事異動’22

つくば市は18日、4月1日付け組織改編と人事異動を内示した。政策強化を図る組織改編として、国内の国際交流のみならず海外の諸都市との連携を図るため、市民部市民活動課の課内室だった「国際交流室」を「国際都市推進課」に格上げし、市長公室に移設する。

内閣府国家戦略特区諮問会議からスーパーシティ特区の指定を受けたことなど、スマートシティの実現に向けた取り組みを具体化するため、政策イノベーション部の「スマートシティ戦略室」を「スマートシティ戦略課」に格上げする。

複数の部署に分かれていた子供に対する支援を一体化するため「福祉部社会福祉課こども未来室」と「こども部こども政策課子育て相談室」を統合し、こども部に「こども未来課」を新設する。

地方公営企業の上下水道事業は、組織の合理化を図るため「上下水道局」を新設する。

異動の規模は20.4%の267人(消防本部等を除く)で、前年度同様、業務の継続性を重視し、専門性、効率性を高めるため必要最低限の異動とするとしている。

4月1日付の全職員数は前年度より35人増えて2004人になる。定年退職者は51人、普通退職者は37人、新規採用職員は76人、再任用職員は134人。

女性管理職の割合は、消防本部を除き、2021年度の25%から22年度は25.3%になる。

国や県との人事交流は、引き続き文科省出身職員を政策イノベーション部長に配置する。国、県などに実務研修生6人を配置する。

任期付き職員として、学校などの特別支援教育に豊富な知識と経験がある人材を特別支援教育推進室長に配置するほか、学校にICT(情報通信技術)指導員を3人配置する。幼稚園長に、幼稚園や小中学校の現場で管理職として働いた経験のある人材5人を配置する。

国際都市推進課長に岸田和克子市長公室統括政策監

4月1日付人事異動は以下の通り。カッコ内は現職。敬称略。

【部長級】
▽政策イノベーション部長兼市長公室政策調整監(政策イノベーション部長)森祐介
▽市民部長(市民部次長)大久保克己
▽福祉部長(保健部次長)安曽貞夫
▽こども部長(市長公室次長兼秘書課長兼広報監)塚本浩行
▽都市計画部長(都市計画部次長兼都市計画課長)大里和也
▽上下水道局長(生活環境部次長)坂入善晴
▽消防長(消防本部消防次長)木村勝平

【次長級】
▽総務部次長(政策イノベーション部次長)杉山晃
▽政策イノベーション部次長(企画経営課長)大越勝之
▽市民部次長(生活環境部環境政策課長)池畑浩
▽市民部地区担当監兼地区相談課長(市民部市民活動課長)大木茂樹
▽市民部地区担当監・大穂相談センター所長、再任用(消防長)植木利男
▽市民部地区担当監・豊里相談センター所長(生活環境部次長)野原浩司
▽市民部地区担当監・谷田部相談センター所長、再任用(総務部総務政策監、再任用)藤後誠
▽市民部地区担当監・桜相談センター所長(生活環境部次長)嶋崎道徳
▽市民部地区担当監・筑波相談センター所長(福祉部次長)吉原衛
▽市民部地区担当監・茎崎相談センター駐在、再任用(財務部財務政策監、再任用)髙野正美
▽福祉部次長(障害福祉課長)根本祥代
▽保健部次長(福祉部高齢福祉課長)中根英明
▽こども部次長(幼児保育課長)吉沼浩美
▽経済部次長(都市計画部次長)岡田克己
▽都市計画部次長兼都市計画政策監、再任用(都市計画部長、再任用)中根祐一
▽都市計画部市街地振興監(教育局次長)貝塚厚
▽生活環境部次長(市民部スポーツ振興課長)伊藤智治
▽上下水道局次長(総務部次長)中泉繁美
▽会計管理者(財務部次長)飯島正志
▽教育局次長(教育局次長兼教育施設課長)飯泉法男
▽教育局次長(経済部産業振興課長)久保田靖彦
▽消防本部消防次長・消防本部担当(同・消防署担当)五月女謙次
▽消防本部消防次長(消防救助課長)青木孝徳
▽消防本部主任参事兼中央消防署長(消防総務課長)小島幸司
▽消防本部主任参事兼消防指令課長(消防指令課長)山田和美

【課長級】
▽市長公室秘書課長(秘書課長補佐)伊藤尚美
▽市長公室国際都市推進課長(統括政策監兼企画監)岸田和克子
▽政策イノベーション部企画経営課長(生活環境部環境政策課長補佐)横田裕治
▽政策イノベーション部科学技術振興課長(科学技術振興課スタートアップ推進室長兼産業振興センター所長)前島吉亮
▽政策イノベーション部スマートシティ戦略課長(科学技術振興課スマートシティ戦略室長)中山秀之
▽財務部管財課公共施設マネジメント推進室長(都市計画部建築指導課長)吉田和行
▽財務部納税課長兼徴税管理監(納税課長補佐兼徴税監)柳田賢一
▽市民部市民活動課長(地区相談課長)荒澤浩俊
▽市民部市民活動センター所長、再任用(こども部長)中山由美
▽市民部大穂窓口センター所長(文化芸術課長)日下由美子
▽市民部豊里窓口センター所長(豊里窓口センター所長、課長補佐級)伊藤紀子
▽市民部谷田部窓口センター所長(経済部農業政策課長)垣内伸之
▽市民部桜窓口センター所長(大穂窓口センター所長)中川和子
▽市民部筑波窓口センター所長(教育局生涯学習推進課長)大久保文子
▽市民部茎崎窓口センター所長(谷田部窓口センター所長)宮本孝雄
▽市民部副地区担当監、大穂相談センター駐在(オンブズマン事務局長)栗山正行
▽市民部副地区担当監、大穂相談センター駐在(保健部国民健康保険課長)木澤伸治
▽市民部副地区担当監、谷田部相談センター駐在(建設部道路管理課長)色川英雄
▽市民部副地区担当監、桜相談センター駐在(大穂相談センター駐在)渡辺寛明
▽市民部副地区担当監、筑波相談センター駐在(桜相談センター駐在)御田寺義郎
▽市民部副地区担当監、筑波相談センター駐在(福祉部社会福祉課長)安田正幸
▽市民部スポーツ振興課長(政策イノベーション部科学技術振興課長) 岡野渡
▽市民部スポーツ振興課参事、つくば市スポーツ協会派遣、再任用(市民部長)横田修一
▽市民部文化芸術課長(文化芸術課長補佐兼係長)矢口治重
▽福祉部社会福祉課長兼非課税世帯等給付金室長(社会福祉課長補佐兼係長兼非課税世帯等給付金室長)相澤幸男
▽福祉部障害福祉課長(障害福祉課長補佐)岡田治美
▽福祉部高齢福祉課長(医療年金課長)日下永一
▽保健部国民健康保険課長(社会福祉課長補佐兼企画監)飯村修
▽保健部医療年金課長(医療年金課長補佐)城取美知枝
▽保健部健康増進課感染症対策室長(こども部こども政策課長)美野本玲子
▽保健部健康増進課新型コロナウイルスワクチン接種対策室長(中央図書館副館長兼視聴覚センター所長)松浦智恵子
▽保健部健康増進施設いきいきプラザ館長、再任用(福祉部長)津野義章
▽こども部こども政策課長(保健部健康増進課長補佐)鈴木加代子
▽こども部こども未来課長(福祉部社会福祉課こども未来室長)中澤真寿美
▽こども部幼児保育課長(幼児保育課長補佐)岩田光弘
▽経済部産業振興課長(財務部管財課公共施設マネジメント推進室長)柳町哲雄
▽経済部農業政策課長(農業政策課長補佐)根本隆
▽経済部観光推進課長(観光推進課ジオパーク室長)伊藤祐二
▽都市計画部都市計画課長(周辺市街地振興課長補佐)大久保正巳
▽都市計画部周辺市街地振興課長(周辺市街地振興課長補佐)吉岡誠生
▽都市計画部建築指導課長(建築指導課長補佐)中泉弘行
▽建設部道路管理課長(建設部道路管理課長補佐)石塚一弘
▽生活環境部環境政策課長(経済部産業振興課経済支援室長)渡邊俊吾
▽上下水道局水道総務課長(生活環境部上下水道総務課長)小吹正通
▽上下水道局下水道総務課長(財務部管財課長補佐)桜井克仁
▽上下水道局上下水道業務課長(生活環境部水道業務課長)本山雅之
▽上下水道局水道工務課長(生活環境部水道工務課長)植木亨
▽上下水道局水道監視センター所長(経済部観光推進課長)兼平勝司
▽上下水道局下水道工務課長(生活環境部下水道課長)渡辺高則
▽教育局教育施設課長(建設部公共施設整備課長補佐兼係長)鈴木聡
▽教育局生涯学習推進課長(教育総務課長補佐兼企画監)澤頭由紀子
▽中央図書館副館長(政策イノベーション部企画経営課長補佐兼オリンピック・パラリンピック推進室長)沼尻祐一
▽選挙管理委員会事務局副局長(政策イノベーション部企画経営課持続可能都市戦略室長)吉岡直人
▽オンブズマン事務局長、再任用(市民部地区担当監、筑波相談センター所長)木村徳一
▽消防本部消防救助課長(予防広報課長)鈴木浩
▽消防本部消防総務課長(消防救助課長補佐)廣瀬好
▽消防本部予防広報課長(予防広報課長補佐兼危険物係長)高野順一
▽北消防署長(中央消防署並木分署長)太田義春
▽中央消防署参事兼中央消防署副署長(中央消防署副署長)細田義美
▽北消防署参事兼筑波分署長(中央消防署豊里分署長)青木節

【退職】3月31日付
▽市民部長 横田修一
▽市民部主幹、つくば市国際交流協会派遣 飯村通治
▽福祉部長 津野義章
▽こども部長 中山由美
▽消防長 植木利男
▽市民部地区担当監・筑波相談センター所長 木村徳一
▽経済部次長 中澤正登
▽会計管理者 酒井作徳
▽消防本部兼中央消防署消防監 東郷道明
▽消防本部主任参事兼北消防署長 山田勝
▽財務部納税課長兼徴税管理監 上方和男
▽市民部副地区担当監・大穂相談センター所長 矢島正弘
▽市民部副地区担当監・谷田部相談センター所長 秋葉芳行
▽市民部副地区担当監・桜相談センター所長 関口正昭
▽市民部副地区担当監・筑波相談センター駐在 星野和也

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海外出張 市長はファーストクラス可 つくば市議会委員会が否決

旅費条例改正案「市民の理解得られない」 国内や海外出張をする際につくば市長や市職員らに支給される旅費について定めた市職員旅費条例改正案が開会中の同市議会9月会議に提案されている。17日開かれた市議会総務文教委員会(木村清隆委員長)で同条例改正案について審議が行われ、市長が海外出張の際に利用する航空機の運賃について、現在の旅費条例がビジネスクラスまでとなっているにもかかわらず、改正案はファーストクラスまで利用できるようになることに対し委員から「市民の理解が得られない」などの意見が相次ぎ、同改正案は賛成少数で否決された。議会最終日の10月3日、本会議で改めて審議される。 同改正案は、国家公務員旅費法が改正されたのに伴って、同法にもとづき市の旅費条例を全面的に改正する内容。円安の進行などにより宿泊費などの上限も大幅に引き上げられる。 海外出張の際の航空機の運賃について現在の市職員旅費条例は「最上位の直近下位の級の運賃」(27条)と市独自に定め、市長はビジネスクラスまでしか利用できない。一方、来年4月施行予定の条例改正案は、海外出張の場合、市長には「最上級の運賃の額」を支給できるようになり、ファーストクラスを利用できるようになる。 17日の委員会での市人事課の説明によると「国家公務員の旅費法をよりどころに旅費を3段階で設定した。特別職は出張に伴う負担が大きいため長時間の移動時間を活用して体調を維持する必要があるためより高い上限を設定した。茨城県知事や他市・区を参考にした」などとし、「必ずしもファーストクラスに乗らなくてはいけないものではなくて出張に応じて適宜判断する」とした。 これに対し委員から「ビジネスクラスでも十分体調を養うことができる。ビジネスクラスとファーストクラスは値段が違い過ぎる。現在の条例の規定をどうして緩めるのか。五十嵐市長は(ファーストクラスに)乗らないと思うが、だれが市長になっても市民感覚に合わせたものにすべき」(小森谷さやか市議=市民ネット)▽「(3段階の運賃設定のうち)ファーストクラスに乗れるというのは内閣総理大臣と一緒になる。実際に乗らないとしても乗れるように(条文改正)することが理解できない。今、政治に厳しい目が向けられている」(樋口裕大市議=Nextつくば)▽「ビジネスクラスでヨーロッパに行くのに現在100万円くらいかかるがファーストクラスは2倍の200万円かかる。他市町村長は年に1回か2回しか海外に行かないのに、つくば市長は年に何回か行っている。市民の税金で行くのに市民にどう説明できるのか。つくば市には東京都が定めているような海外出張の運用指針もない」(山中真弓市議=共産)▽「ファーストクラスにする必要はない。市民感覚からすればビジネスクラスで十分」(飯岡宏之市議=Nextつくば)など厳しい意見が相次いだ。 採決で賛成したのは塩田尚市議(つくばクラブ)と渡辺峰子市議(公明)2人だけで、同条例改正案は否決となった。議会最終日の10月3日は修正案が出される見通しという。 つくば市長の海外出張をめぐっては、今年2月と6月の市議会定例会議一般質問で山中真弓市議(共産)が取り上げ、五十嵐立青市長は直近3年間で計5回の海外出張を行い2365万円の市税を使ったこと、海外での宿泊費が市職員旅費規則に定められた金額を超過し、市の規定が骨抜きになっていることから、旅費規程の見直しが必要だ、などと指摘した経緯がある。(鈴木宏子)

民有林に防除対策費を補助 ナラ枯れ被害拡大防止へ つくば市

ナラ枯れなどによる森林被害の拡大を防ごうと、つくば市は今年度新たに、市内に森林を所有する民間地権者を対象に、防除対策費用の2分の1を補助する制度を創設した。 筑波山周辺の森林や公園など市有地のナラ枯れ被害に対してこれまで同市は、防除対策に取り組んできた。一方、筑波山周辺など市内の民有地の森林でも被害が出ており民有地で対策を施さないと被害拡大を防ぐことができないことから新たに補助を実施する。 同市鳥獣対策・森林保全室によると、現時点での申請者はゼロで、市が相談を受けている地権者が一人。市はホームページや市報などで広報してきたが、補助制度や防除方法を知らない地権者もいると見られる。 ナラ枯れは、カシノナガキクイムシ(通称カシナガ)という体長5ミリほどの昆虫の被害を受けたコナラやクヌギなどが、昆虫の体に付着した病原菌、ナラ菌の繁殖により水分が枝葉に行き渡らなくなり、紅葉前の7~8月頃に急速に葉の色が赤褐色に変色し枯死する被害。幹が太く樹齢を重ねた樹木が被害を受けやすいとされ、枯死した樹木は早期に対策をとらないと、翌年以降、被害が拡大するとされる。2020年9月に県内で初めて、つくば市内で被害が確認され、以後、拡大し、県林業課によると現在、県内44市町村中36市町村で被害が確認されている。 筑波山系では2022年に朝日トンネル付近で確認されたのが最初。翌23年には筑波山や周辺の森林でナラ枯れが目立つようになる中、つくば市では23年、南麓の同市臼井、市有地の筑波ふれあいの里で、ナラ枯れが確認された32本を伐採し、薬剤によるくん蒸処理を実施した。翌24年には観光拠点の筑波山梅林奥の市有地の林道、四季の道周辺に被害が広がり、市は13本を伐採しいずれもくん蒸処理した。 一方、今年は筑波山の林道沿いの市有地に関しては新たな被害は確認されていないという。昨年、四季の道沿いで、被害を受けやすいとされる幹が太く樹齢を重ねた樹木をあらかじめ伐採などしたことなどが被害の拡大を防いだとみられている。 つくば市で補助対象となるのは①幹にあらかじめ殺菌剤を注入し行き渡らせておく殺菌剤を樹幹に注入する方法(補助額は1回当たり上限5万円。カシナガに入り込まれ木くずが出た時点で注入しても効果は期待できない)②成虫が飛来する5月ごろから約半年間、樹木の幹に粘着剤やビニールシートを巻き付けカシナガが入り込むのを防ぐ方法(同5万円、粘着剤にとらえられたカシナガを生きたまま放置すると仲間を呼び寄せることがあるので、粘着剤と殺虫剤を併用する方法もある)③被害を受けた樹木を伐採し薬剤で燻蒸処理または焼却処理する方法(同15万円)。今年度予算は165万円で、市は1件につき平均20万円程度、8~10件の申請を想定している。 市鳥獣対策・森林保全室の石塚正巳室長は「市として、ふれあいの里や四季の道など市の施設で、伐倒しくん蒸処理するなどの対策をしてきたが(被害が)全て無くなったわけではない。個人の土地については広報するのみで、(市が)直接的な対策をしていないので根絶はなかなか難しい」という。 一方土浦市は2024年、ナラ枯れ被害に遭った朝日トンネル付近のコナラ16本を伐採した。費用は、運搬、処分、交通封鎖の人件費を含み計583万だった。同市はナラ枯れに対応できる補助金として小規模森林整備補助金があり事業費の70%を補助できるとしている。 ナラ枯れの被害については、全国で毎年調査が実施されている。県林政課によると23年度に被害が確認された市町村は33市町村、24年度は34市町村、25年度は36市町村と市町村数は徐々に増えている。県全体の被害面積はつくば市内で初めて確認された2020年が200平方メートル、21年も200平方メートルだったが、22年に3000平方メートルと15倍に広がり、23年はさらに前年の2.3倍の6700平方メートルに拡大した。24年度の被害面積は6100平方メートルと前年度の91%だが、同課は、森林の奥の広葉樹まで調査が及んでいないなどから、被害は前年と同程度とみている。(榎田智司)

つくつくつくばの七不思議の旅《映画探偵団》92

【コラム・冠木新市】2009年、「つくばの映画・演劇を作ろう」をテ一マにNPO主催の講演会で30人を前に語った。当時、映像のロケ地に誘致する運動は盛んだったが、地元の文化・歴史・伝説を活用して、自ら作る動きは少なかった。 つくばにも面白い素材がいくつかあった。その一つが、茨城県出身の童謡詩人・野口雨情が1930(昭和5)年に作詞した「筑波小唄」「筑波節」で、元は一つの歌をなぜか二つに分けた新民謡だ(映画探偵団22)。 2010年、その理由を「雨情からのメッセージ」と題して講演、朗読劇、踊り、演奏で表現した。新築の筑波銀行ホ一ルに300人ほど集まった。好評だったこともあり、つくばの7地域の話を「つくつくつくばの七不思議」として再創造しようと考えた。 2012年春、北条を竜巻が襲い町を破壊したころ、水戸で「筑波小唄」「筑波節」の幻のSPレコードが見つかった。いろいろな方の協力を得てCDに復刻、また、つくば市の観光物産課の応援で踊りの講習会を5期まで開催した。 同年秋、詩劇「北条芸者ロマン~筑波節を歌う女~」を上演。北条街づくり振興会との縁を深めた。このとき、植田利浩さんが作曲した曲を「筑波恋古道」と名付けた。 2015~16年、「つくつくつくばの七不思議/サイコドン」をACCSケ一ブルテレビで放映。「筑波恋古道」の作詞もでき、歌い手を募集するが、応募はなかった。踊りのイベントでは、植田さんの歌うデモテ一プを使用した。2023年の「金色姫伝説旅行記」のときに、声楽家・大川晴加さんが新たに吹き込んだ。 「はじまりのうた BEGIN AGAIN」 「北条芸者ロマン」に取り組んでいたころ「はじまりのうた BEGIN  AGAIN」(2013)という映画が製作された。オ一プニングはバーのステ一ジ。無名の女性シンガ一が歌い、1人の中年男性が身を乗り出して聞く。そして「その日の朝」とクレジットが出て回想となる。 男は、音楽プロデューサーで5年間失敗続き、妻と別居中。娘に煙たがられ、自分が創立したレコード会社からもクビを宣言され、地下鉄で自殺を考えバーに来る。男は、無名シンガ一の背景にピアノやベースが加わる幻想を見る。 次に女性の回想がはじまり、楽曲を提供した恋人歌手との関係がこじれ争いとなる中、バーでプロデューサーの男と出会ったことが描かれる。 2人は作品を企画する。会社からデモテ一プを要求されるが、録音費用のない男は、デモよりもアルバムを作ろうと考える。路地裏やビルの屋上などで録音する。演奏者には後払いで、才気あふれる無名の若者を集める。さらに女性歌手の誘いで、男の娘をギターに採用。完成したアルバムは高評価を受ける。 エンドクレジットが流れる中、女性がレコード会社と契約したくないとの訴えに男はあっさり了承し、最後にはネットを使い1ドルで売ることにする。アルバムは大ヒットするが、男は元の会社から再びクビになる。そうした時代を先取りした作品だった。 「筑波山 恋うたつづり」 2025年8月27日、「筑波小唄」「筑波節」「筑波山唄」「筑波恋古道」を収録した「筑波山 恋うたつづり」が恩田鳳昇監修で日本コロムビアから発売された。企画から15年かかった。つくつくつくばの七不思議の旅は「はじまりのうた」をヒントにまだまだ続きそうである。サイコドン ハ トコヤンサノセ。(脚本家) ※つくつくつくばの七不思議セミナー(お話と懇談会)のお知らせ:2025年9月27日(土)午後1時~、カピオ小会議室、参加費無料。

洞峰公園などが「自然共生サイト」に NPOとつくば市が共同申請

市内7カ所目 民間の取り組みなどによって生物多様性の保全が図られている区域や活動を認定する環境省の「自然共生サイト」に、つくば市の洞峰公園とその近接公園が16日認定された。同日つくば市が発表した。認定区域は洞峰公園(同市二の宮、17.4ヘクタール)と、近接する二の宮公園(同市二の宮、2.7ヘクタール)、まつぼっくり公園(同市千現、0.6ヘクタール)の3公園で、面積は計20.7ヘクタール。 市環境保全課によると、洞峰公園などで動植物調査や希少種の保護などを実施しているNPOつくばいきものSDGs(木下潔代表)から昨年秋ごろ、つくば市に提案があり、今年4月、同NPOとつくば市が共同で申請した。 市内では奥村組技術研究所内のビオトープ(同市大砂)も同日、自然共生サイトに認定された。市内の自然共生サイトは計7カ所となり、認定数としては全国の市町村で4番目に多くなった。認定サイトのほとんどは国際データベースのOECM(保護地域以外で生物多様性保全に資する区域)にも登録される予定。 認定制度は2023年度から始まり、25年4月に認定の仕組みを法制化した地域生物多様性増進法が施行された。法律に基づく認定は今回が初めて。同法に基づいて民間が作成・実施する増進活動実施計画と、市町村が取りまとめ役となって地域の多様な主体と連携して行う連携増進活動実施計画が認定され、二つの計画の活動実施区域が自然共生サイトとなる。 ゾーニングし緑地管理 市によると、洞峰公園とその近隣公園サイトの活動計画は、800メートルの距離を置く3つの公園の状況について①隣接する複数の研究所の樹林地、草地と共に100ヘクタールを超える緑地を形成し、絶滅危惧種を含むつくばの里地里山、沼・湿地に特徴的な動植物が生息生育している②通勤、通学など日常生活の傍ら、多様な生き物の活動に触れることができる—などが特徴だとしている。 活動計画の目標については①日常生活の中で生物多様性を実感できる市街地ならではの環境を次世代につなぐことを目指す②自然観察会などの環境教育活動を通じて身近な公園の生物多様性の価値に対する認知を高め、市民参加による調査モニタリング活動や保全活動を推進する―の二つを掲げている。 主な活動内容は、植生の特性に応じて園内をゾーニングし緑地管理するというもので①希少動植物生息生育エリアでは保全対象動植物に適した手刈りの草刈り、落ち葉かき、播種、樹木剪定を行い、対象植物の生態系を侵害する動植物は防除する②通常管理エリアは機械刈りや樹木剪定など一般的な公園緑地の管理手法を行う➂希少種エリアと通常管理エリアの間の緩衝的役割を担う緩衝ゾーンは主として背丈が高めの高刈りにより草地管理を行う—としている。 モニタリング計画として①植物、鳥類、昆虫、菌類を対象に年1~2回、有識者の指導の下、市民参加型調査・モニタリングを行う②希少植物種については開花期に生育状況を同NPOが中心となって調査する—とし、実施体制として①市と同NPOは専門家の意見を交えて保全計画を立案し実行する②つくば市は対象サイトの運営管理を統括し、希少動植物の生息生育エリア以外の緑地管理、沼管理を行う➂同NPOは希少動植物の生息生育エリアを管理し、調査・モニタリング活動、環境教育、市民参加型生物多様性保全活動を計画・実施する—となっている。計画期間は今年9月から2030年8月までの5年間。 一方、洞峰公園をめぐっては、2024年2月に県から市に無償譲渡された経緯などを受けて、今年4月、同公園の管理・運営方法などを市に提言する「洞峰公園管理・運営協議会」(委員長・藤田直子筑波大芸術系環境デザイン領域教授)が4月にスタートしたばかり。一般市民が参加してこれからの維持管理について話し合う分科会は1回目が7月に2日間開かれたのみで、本格的な議論はこれからになる。 洞峰公園を管理する市公園・施設課は、今回認定された活動計画は、県が管理していた時を含め、すでに取り組まれてきた活動を継続するものだなどとしている。(鈴木宏子)