県立高校改革プランを進める茨城県は22年度当初予算案に、サイエンス専科高校へ改編するつくば工科高校(つくば市谷田部、久松政信校長)の実習室や実習機器の整備費として4憶9900万円を計上した。IT専科高校に改編する友部高校と共に、整備や民間委託を進めるなどして23年春の開設を目指している。
つくば工科高の改編は「科学技術科」の新設が特徴で、AI時代をリードする研究者や高度技術者の育成を目指す。県教育委員会、つくば市教育委員会、同校の関係者が21年に「開設準備委員会」を設置し、実務作業を重ねてきた。
改編に伴う課題の一つ、施設整備には4憶9900万円を投じる。既存教室の改修を進め、機器分析室、バイオ実習室、プレゼンルームなど実習室の整備、無菌作業を行うクリーンベンチ、3Dプリンターなど先端技術を学ぶことができる実習機器の整備を進める。
入試は学科試験だけではなく、部活動や生徒会活動などを通じ、科学技術に対する探究活動を評価する特色選抜制度の利用を含め実施する方向。大井川知事は中高協働研究への発展を意図、昨年には「中学の時から課題実践を通して、サイエンス分野に関心のある生徒に興味をもってもらうような努力をしながら生徒を募集していく」と発言している。
校名については、久松校長を議長とし、県と市の教育委員会関係者や地元有識者による「校名候補選定会議」を設置し検討をスタート、6月にも案が示される見通し。高校教育改革推進室は「校名は地元の方々にはそれぞれ思い入れがあるので、慎重に協議を進めたい」としている。
科学技術科の募集は23年度から
22年度の県立高校志願者枠は既に発表され、同校は機械、ロボット工学、電気電子、建設技術の4学科でそれぞれ40人の定員で募集しているが、既存の学科の募集は22年度が最後。23年度からの募集枠は科学技術科の240人となる。(花島実枝子)