日曜日, 6月 14, 2026
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「反対は一部」と民間一括売却 パブコメ受け最終方針 つくば市旧総合運動公園用地

つくば市が昨年示した旧総合運動公園用地(同市大穂、46ヘクタール)を民間に一括売却する案について、五十嵐立青市長は11日、パブリックコメント(パブコメ)などの結果を受けて最終決定した方針を、市議会高エネ研南側未利用地調査特別委員会(浜中勝美委員長)に説明した。「一部で反対もあったが、民間による敷地全体の一体的整備の考えは維持する」とし、民間一括売却に向け、今年春か夏にも開発事業者を公募し、2022年度内に売却するとした。

市の説明によると、昨年12月に3回開催した市民説明会には延べ76人が参加し、11、12月に実施したパブコメには77人から意見や提案があった。その内訳は、市の一括民間売却案に①明確に賛成が2人②反対ではなく具体的施設提案が57人③明確に反対が6人④反対し具体的施設提案が7人⑤方向性(賛否)が明確でないが5人だったとした。

その上で、②具体的施設提案の57人は、方針案に反対ではないとし、③明確に反対と④反対し具体的施設を提案を合わせると17%なのに対し、①明確に賛成と②具体的施設提案を合わせると77%になったとした。

その上で、市民から一部反対はあったが、過剰な公共投資をすべきでない、防災拠点など一部公共利用を図る、国や県から利用を求める声がない、取得費の負担や(現状のままでは)税収が見込めないなど財政的憂慮がある、市場性が高まり好機が到来していることなどから、民間に一括売却すると結論付けた。

さらに事業者公募の条件として、売却価格は利子を含む取得原価(68億5000万円)を基準とする、事業者が計画を守るよう10年間の買戻し特約を付けるなど、新たに条件を付けていくことを明らかにした。

一方、11日の特別委では、市民説明会での賛否の人数を明らかにしてないこと、パブコメで具体的施設を提案した57人を「方針案に反対ではない」とくくって、反対意見出ない人が77%だったと結論付けたことに対し、異論が出た。五十嵐市長は閉会後、記者団の質問に対し「(パブコメの結果を)意図的に曲げたり、誘導する意図はない」とした。(鈴木宏子)

11日開かれた市議会調査特別委員会

賛否の分析めぐり異議

【11日の特別委員会の主なやり取りは以下の通り】

飯岡宏之市議(自民党政清クラブ) 私が数えたところ市民説明会では76人のうち(民間一括売却案に)賛成は3人だったと思う。パブコメは明確な賛成は77人中2人しかいない。(市の方針と市民の意見が)乖離(かいり)しているのではないか。

五十嵐市長 市民説明会ではさまざまな意見があった。それを受け止めて方針を作成している。市民説明会で賛成が3人というのは飯岡議員の解釈だ。

橋本佳子市議(共産) パブコメ結果で、具体的施設を提案した57人は「(一括売却の)方針案に反対ではない」となっている。賛成でも反対でもどちらでもないのに、反対ではないと書くべきでない。

市課長 (57人は)一括売却に言及しているのではなく、こういった施設があったらいいなと具体的提案をしている。

山中真弓市議(共産) パブコメのどの意見を「方針案に反対ではなく具体的施設を提案した方」としたのか、具体的に明らかにすべき。

市長 さまざまな意見があった。(売却先の)事業者に取り入れてもらうためにこのように(市民からの提案施設という表に)した。

山中市議 議会は一括売却を提案してない。市民意見を取り入れるのであれば一括売却を白紙にすべき。

橋本市議 (何をつくるかという)基本のキが議論されないまま、売るのが前提なのは民主的やり方ではない。市の財産だという意識で長期的に考えるべき。

小森谷さやか市議(市民ネット) 議会が一括売却を提案したわけではないが、(一括売却を)妨げるというのでもない。一括売却すれば市民から提案が上がった施設ができないかというとそういうものではない。(市が)今持っている土地の中で検討していけばいい。(民間に一括売却した場合の)固定資産税の見込みはどうか。

市課長 (市に入ってくる固定資産税は)山林なら年5600万円程度、造成し雑種地にすれば6100万円、施設が立地すれば宅地になるので6100万円程度になる。建物の固定資産税は3億5000万円程度になり、計4億3000万円程度の固定資産税が毎年入ってくると見込んでいる。法人市民税と住民税を合わせて少なくも5億円程度になると見込んでいる。

小森谷市議 URがずっと持っていて50年間買い手が付かなかった土地。今が(売却の)千載一遇のチャンス。住民投票では8割が反対した。あの時の議論を思い出していただきたい。大きな箱モノをつくることに不安をもった。身近なスポーツ施設の改修や教育施設にお金をかけてほしいというのが住民の意見だった。8割の人が反対した理由をもう一度思い出していただきたい。

橋本市議 私たちも住民投票で反対をしたが、今回は、公のものを民間に売ってしまうということに対し、慎重に考えるべきだと言っている。市民の財産を、千載一遇のチャンスだからと一括売却してしまって本当にそれでいいのか。

川久保皆実市議(つくばチェンジチャレンジ) 防災多目的広場と災害用水源が有事のとき本当に使えるのか確認したい。広場と水源は民間が整備し、維持管理は市ということだが、使用貸借契約を結ぶのか。

市課長 今のところ協定。今後必要であれば契約締結も考えたい。

川久保市議 災害協定には一般に損害賠償がなくきちんと履行されるか疑問だが、損害賠償の規程があるところもある。

市課長 今後研究したい。

川久保市議 転売防止だが、会社法上の関連会社(に限定する)とするなどのルール付けをしているところもある。

市課長 そこまで考えてなかったので検討したい。

山本美和市議(公明) (特別委に出されたパブコメ意見を閉会後に回収するという当初の市の方針に対し)どんな意見が市民からあったのか分からない。市民から提案があった施設を表にしているが、どういう意見を反映させたのか、それはなぜなのか書いた資料を付けるべき。

市長 (市民提案施設の表は)市民の意思を形にして残し、事業者に見ていただいて(カフェやテニスコートなどの従たる施設として)この先、事業者に検討材料にしてもらおうと(表のような)まとめ方をした。載せないと何のために説明会やパブコメをやったのかということになる。

飯岡市議 高エネ研南側未利用地(旧総合運動公園用地)は(筑波研究学園都市の一角として)UR(当時は日本住宅公団)が土地収用法を背景に、一団地の官公庁施設用地として土地を全面買収した。土地収用法9条は事業の承継、10条は手続きの承継について書いてあり、公共の利益に沿うよう管理しなければならないと書かれている。

飯野哲雄副市長 (元の所有者の)URとの取り決めの文書の中に(公共利用の)定めは無い。

市課長 2014年3月31日にURと市土地開発公社が締結した文書に、公的利活用に限定する条文はない。

副市長 (用地は)URから取得している。土地収用法で取得したわけではない。

中村重雄市議(創生クラブ) 用途地域変更にどのくらいかかるのか。

市部長 来年度から、1年ほどかかる。

中村市議 先に用途地域を決めて(事業者を)絞るのか。

市部長 (今回の)方針に沿って用途を決め、地区計画も合わせて決める。

高野文男市議(創生クラブ) 準工業地域にするということだが、どんな企業が入ってくるか読めない。

市部長 準工業地域は住宅や商業施設も建てられるので、地区計画の中で住宅や大規模商業施設を除外する。

橋本市議 買戻し特約はどのようにするのか。建物が立地してしまったら、そのまま市が買い戻すのか。

市課長 債務不履行があった場合に市が買い戻すことができるようにする特約で、10年間は転売できないようにする。建物が立地する前に事業計画変更があったり、転売があったりのリスクを防ぐための担保になる。

鈴木富士雄市議(自民党政清クラブ) 一括売却という方針だが、市民からは公共施設の提案がある。市民意見を売却条件にどう入れるのか。

市課長 市民からの提案施設は事業者に(従たる施設をつくる)参考資料にしてもらう。

鈴木市議 市民意見が入らなければ市民の意見を聞かないことになるが、すり合わせはどうするのか。

市長 市民意見は様々。(市民から出た)施設を全部入れると、300億円の総合運動公園をつくるのと同じ、財政破綻と同じになる。必要なものは必要な土地を見つけてつくっていく。(市民提案施設は事業者への)参考として載せている。

鈴木市議 市民説明会では、市は何をしたいのか説明がない、という意見があった。これについてはどうか。

市長 (今回の)方針で説明していること(=民間一括売却)が私が実現したいこと。

橋本市議 市民説明会(の分析)も追加して掲載してほしい。

市長 市民説明会については「敷地一括売却方針案の是非、公共利用の可能性、周辺環境への配慮、防災拠点の考え方、公募の条件など様々な論点で活発に意見交換を行うことができた」と書いている。現時点で修正の必要はない。

橋本市議 パブコメの意見結果総括表で、具体的施設を提案した57人を「方針案に反対ではなく」と書いてある箇所だが、「方針案に反対ではなく」の部分を省いて方針を修正すべきだ。

市長 そもそもパブコメは賛成、反対ではなく、全般について意見を求めるもの。1人1人の賛成、反対ではない。

橋本市議 賛成、反対を聞いてないというなら、「方針案に反対ではなく」と書くのではなく、事実をそのまま載せるべき。

塩田尚市議(山中八策の会) 用地を購入する時、市が債務保証をし、議会が議決をした。売却の時は議会の議決は必要か。

市課長 市開発公社から民間への売却になるので議会の議決は必要ない。

【訂正12日午後5時】本文3段落目「③明確に反対と④反対し具体的施設を提案を合わせると11%」は17%の誤りです。訂正します。

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かすみがうら市 土浦市に合併要望へ

2005年以来の激震 平成の大合併によるかすみがうら市誕生以来、地域に戸惑いが生じている。かすみがうら市議会が16日に、土浦市との合併を前提とした市政の転換と、合併相手となる土浦市と同市議会への要望を進める議案を議員提案することが明らかとなったためだ。 合併はかつて土浦市、旧霞ケ浦町、旧千代田町、旧新治村の4自治体間で協議されたが合意に至らず、2005年3月に旧千代田町と旧霞ケ浦町の2町がかすみがうら市に新設合併、翌年に旧新治村が土浦市に編入される形で現在に至る。 かすみがうら市の宮嶋謙市長は今年7月の任期満了で引退を表明している。市議会発の今回の合併要望は、宮嶋市長続投無しという状況により、7月に行われる市長選を見据え、新市長への最大の継承となる。 広域連携の基本姿勢を重点課題に かすみがうら市でこの課題の矢面に立つ経営企画課は「トップレベルの対話があったようだがまだ何の指示も降りてきていない。冷静に対処しなくてはならない」と語る。 折しも2026年度は、市政の根幹政策である第2次総合計画・後期5カ年計画の総仕上げの年度でもある。同課では市民アンケートをとり、今後ワークショップなどを通じて、2027年度スタートの第3次総合計画策定作業に入っている。合併協議が現実のものとなれば、この一大事業は大きく影響を受ける。 「総人口、財政規模から、当市が土浦市に編入される形を変えることはできないだろう。しかし、かすみがうら市のまちづくり理念は次期総合計画内でも重要なテーマ。当市だけでは乗りきれない、解決しなくてはならない課題というものがあり、広域連携を掲げて市民生活の支えにしようとしている」(経営企画課) この広域連携というテーマを土浦市に提案する合併要望の柱とすることで、「まさかの寝耳に水」に同市職員は取り組もうとしている。 「市の総人口は緩やかに自然減をたどっているが、産業支援やまちづくり政策を通した社会増もある。合併によって将来の居住地受け皿や豊かさを誇れる自然環境といった地域資源を、どのように生かしていくかも考えていくことになるだろう」 市民は冷静に事態を受け止めているようだが、「約20年、かすみがうら市という名称に慣れ親しんできた。これが消えていくと寂しさを禁じ得ない」といった声が聞かれた。 商都のカンフルになるのか かすみがうら市議会で議案が可決されれば、同市の要望を受け取る形となる土浦市政の現場は、困惑の表情だ。土浦市は9日「現時点ではかすみがうら市議会の動向を注視している段階であり、コメントを差し控える」と発表した。同市政策企画課は「上層部からの指示通達は何もない。今は動向を見守るだけ」と述べる。 2006年に旧新治村を編入し、市域の拡大と工業団地など産業誘致基盤を得た土浦市は、半面、歴史を積み重ねてきた中心市街地の地盤沈下という課題を抱えている。市政策企画課は「(合併のメリットや効果を)今は語る時ではない。中心市街地の活性化と、将来延伸してくるつくばエクスプレスの受け皿づくりといった課題に向き合わなくてはならない。合併の先にある可能性を、どこに見出していくべきかはこれからのテーマと認識している」「(両市とも)互いに人口減の問題がクローズアップされているが、土浦市における人口の社会増も地道な取り組みの持続によるもの。合併のための議論が始まれば、真剣に受け止めていかねばならない」とする。 かすみがうら市でも「社会増減は年度によって異なるが、2024年度に民間の人口戦略会議で分析された『消滅可能性自治体』には名を連ねなかった。条件付きで持続可能な分類という可能性は、かすみがうら市が守り継承すべき財産」と未来を見つめる。持続性という問題は、茨城県内では大半の基礎自治体が内包している。(鴨志田隆之)