【コラム・玉置晋】僕がコラム54で「求ム!宇宙天気防災カリスマリーダー」と、看板人物の募集を出したのは2020年1月でした。その後、同年4月に宇宙ビジネスサロン「ABLab」で宇宙天気プロジェクトを設立しました。そこに加入してくださったのが、気象予報士の斉田季実治さんでした。
斉田さんはNHKの「ニュースウオッチ9」で気象キャスターを担当されており、ご存知の方も多いと思います。そんな斉田さんですが、将来、宇宙天気キャスターを目指しており、プロジェクトマネジャーになってもらえないかというお願いを聞いてくださり、ABLab宇宙天気事業の顔となっていただきました。
今年4月、斉田さんから相談があって、気象考証を担当するNHKの朝の連続テレビ小説で宇宙天気を話題にしてみないか、というものでした。このコラムでは宇宙天気という言葉を当たり前のように使っていますが、世の中の認知度はまだまだです。
朝ドラで宇宙天気が話題に出れば、たくさんの方に知っていただけるに違いない。というわけで、斉田さんとプランを練り始めました。物語の流れとしては、主人公は気象予報士で、その職場の民間気象会社で新規事業を提案するコンペが開催されます。その中で、ボツになる提案の中に宇宙天気を取り込むというものでした。
「面白いね、最高! 才能あるよ」
9月7日、ついにオンエアー。お笑いの「もう中学生」さん演じるプレゼンターが、得意の段ボール工作で「宇宙天気プロジェクト」を猛アピール。社長さんに「面白いね、最高! 才能あるよ」と褒められるも、「宇宙天気を観測する衛星を打上げるには何百億円もかかる」「宇宙天気はまだまだ大きな利益は見えにくい。今の暮らしに役立たなきゃ、我々の仕事じゃない。なので、却下」と言われてしまいました。
これ、僕がこの10年間、民間会社でずっと言われてきたことで、斉田さんにシナリオ提案の際に組み込んでもらったものでした。ドラマでは却下になってしまいましたが、僕たちは本気で宇宙天気の普及を進めようとしています。仲間も増えてきました。今後に備え、仕込みもいろいろ進めているところです。(宇宙天気防災研究者)