障害者やその家族、支援者などからなる市民団体「障害×提案=住みよいつくばの会」が、つくば市福祉タクシー券の制度見直しを考える市民フォーラムを21日にオンラインで開催する。同会は、障害とともに生活しているからこそ思いつくアイデアを、昨年行われたつくば市長選挙、市議会議員選挙の立候補者に、公開質問状の形で提案した。福祉タクシー券の制度見直しは提案したアイデアのうちの1つ。
利用申請したのは1割
つくば市は一定以上の身体障害・知的障害・精神障害がある人を対象に、タクシー運賃の一部を助成している。タクシー券1枚につき500円が助成され、障害者1人につき年間36枚、人工透析治療のために週3回程度通院している人には年間108枚が交付される。ただし、自動車税等の減免を受けている人は対象外。市によると、2020年度、制度対象者約6000人のうち、タクシー券を申請した人は約10%、申請により交付されたタクシー券のうち実際に利用されたのは約42%だった。
利用が進まないことについて、会の主宰者、斉藤新吾さん(46)は「福祉タクシー券は、障害者の社会参加の促進のためにあるが、電動車いすの利用者はタクシーに乗車できない、介護タクシーは台数が限られる、他の公共交通機関の方が便利な障害者もいる、などの理由から、対象なのに制度を利用できない人もいる」と話す。
斉藤さんは、普段はバスや電車で移動しているが、天候や体調によってはタクシーを利用する人もいると見ている。そのため、制度対象者にタクシー券の代わりにICカードを給付し、その時の状況によって、タクシーだけでなくバスや電車も利用できるようにすることをつくば市に提案している。
より多くが利用できる制度に
昨年の選挙終了後から市障害福祉課でも検討が進められ、同会も市と意見交換をしてきた。その中で、ICカードを給付した場合の精算方法や、電車やバスの利用時に障害者手帳の区分により障害者割引が適用される人と適用されない人が出てくるが、その違いを給付額に反映させるかどうかなど、様々な課題があることが分かってきた。
「私たちの会のメンバーには身体障害者が多く、知的障害や精神障害を持つ方がどのような希望を持っているか、把握できてない部分もある。私たちがまだ気づいていない課題もあるかもしれない。様々な障害を持つ方やその家族、タクシー券の制度に興味のある多くの市民の皆さんと意見交換をすることで、より多くの人が利用できる制度の仕組みを考える機会になれば」と斉藤さんは話す。
開催時間は午後1時30分から3時30分。参加費無料。申し込みは19日までに氏名とメールアドレスを、メールcil-tsukuba@cronos.ocn.ne.jpまたはファクス029-859-0594に送る。手話通訳などの合理的配慮が必要な場合は、早めに連絡する。詳しくはこちらまで。(川端舞)