金曜日, 5月 29, 2026
ホームスポーツ土浦一、つくば工科2回戦へ 高校野球県大会開幕

土浦一、つくば工科2回戦へ 高校野球県大会開幕

雨で順延となった第103回全国高校野球選手権茨城大会は9日開幕し、5球場で1回戦10試合が行われた。土浦・つくば勢は、土浦一が八千代を14⁻7の大差で破った。つくば工科は6ー5で岩瀬を下し、それぞれ2回戦に進出した。土浦二は勝田に敗れた。

土浦一、7失点ひっくり返し八千代に大勝

7回表、三塁打を放ちガッツポーズをする花垣謙=同

J:COMスタジアムの第1試合は、土浦一が序盤の7失点をひっくり返し、14-7の大差を付けて大勝した。

土浦一は1回表に先制点を決めたものの、1回裏に4失点で先発の橋口柊太から鶴町開に交代。だが2回裏に3失点で1-7と点差を広げられ、試合の流れは八千代優位に見えた。

3回以降はマウンドに立った鶴町や土浦一守備陣が八千代打線を抑える一方で、攻撃回ではコツコツと安打や盗塁を重ねて1点ずつ返し、5回表には松田瞬の二塁打を皮切りに土浦一打線が爆発。川井大輔の二塁打などが続いて一気に5点を獲得し8-7と逆転した。

7回表は花垣謙が三塁打、8回表は打席に立った鶴町が二塁打を放つなど土浦一打線は勢いを増し、14-7で8回コールド勝ちを収めた。

柴沼剛己監督は「今日の勝利は、去年思い切り野球が出来なかった代(の選手たち)を含めての勝利。3回終わった時点で2-7だったので『1点ずつ取っていけば追いつけるよ』と話し、それを本当に選手たちが(打線を)つなぐ意識でやってくれた。(投手の)鶴町が頑張る裏で3年生が一生懸命やってくれたので、3年生全員でもぎ取った勝利」と語った。

成田圭梧主将は「春(大会)負けてから『1イニング毎回1得点を取っていこう』と話し合っていたので、それが生きてきた。春の負けが今日の勝ちにつながった。あそこ(5回)で5点取れたのが大きかった」と振り返った。

勝利の立役者となった鶴町は「自分のやるべき仕事を全うできたと思う」と述べた上で、守備陣を含めた仲間に向けて「仲間への感謝の気持ちを忘れずに投げれた」と感謝の意を示した。(崎山勝功)

2年ぶりに観戦「母校応援 生きがい」

2年ぶりの有観客試合を観戦する観客たち=J:COMスタジアム土浦

昨年は「茨城県独自の大会」となり無観客(選手や保護者のみ入場可)だったが、今年は各球場に2年ぶりに一般の観客が入った。この日土浦市は小雨が降ったり止んだりの不安定な天気。J:COMスタジアム土浦では第1試合の土浦一―八千代戦を熱心な高校野球ファンらが観戦した。

有観客での開催を行うにあたり「コロナ禍での大会」として特別態勢を取り、学校応援やブラスバンド演奏応援は禁止となった。一般の来場者は入り口前で検温に応じ、手指をアルコール消毒してから入場した。検温に当たったスタッフは「皆さん、協力的でスムーズに進んでいる。高校野球に付きものの応援団が無いけど、(野球が)できるだけでもありがたい」と話した。

「地域の母校を応援するのが先輩にとっての生きがい」という土浦一高OBの川島一男さん(78)=同市=は「毎年母校の応援だけは欠かさずに来ている」と語る。孫が土浦一高の野球部所属ということで「応援に熱が入る。こうやってグラウンドを眺めて子どもたちのすがすがしい姿を見ていると元気づけられる」と語り口に熱が入る。

三塁側の階段付近には焼きそばやソフトドリンクなどの売店が2年ぶりに出店し、来場者が購入する姿が見られた。男性店員は「夏は高校野球が無いと活気が出ない。皆が楽しみにしている」と話した。(崎山勝功)

つくば工科、岩瀬に逆転勝ち

8回裏2死一・二塁、木村が逆転の中前打を放つ

笠間市民球場の第1試合は、つくば工科が岩瀬に6-5の逆転勝ちを収めた。同点で迎えた8回裏2死一・二塁の場面、木村尚樹主将が殊勲の一打。ツーボールからの直球を「絶対返そう」という気持ちで中前へ運んだ。「どちらに転んでもおかしくないゲームを、選手たちが気持ちを出して粘り強く頑張ってくれた」と佐藤将光監督。

先発投手も務めた木村は「抜け球が多かった」と苦しい投球で5回までに5失点。だが打撃では逆転打を含む3安打の活躍で、2回には反撃の口火を切る三塁打も放った。「みんなが盛り上げてくれて気持ちが楽になり、初球から狙っていけた」と好調を語る一方、今日の勝因については「チームが心を一つにして、全員で守りきれた1勝だと思う」と振り返った。

「1年生のときは体も小さくひ弱だったが、実力が付いてくるにつれて向上心が出てきた。一人だけ残った3年生として苦労してチームをまとめ、引っ張ってきた」と、佐藤監督の木村評。今のチームがスタートした時は上級生は木村だけで、メンバーは9人揃わず、試合では助っ人を頼みながら戦ってきたという。

助っ人の一人がレフトの井上直弥だが、野球部へは出戻りという形になる。足のけがの悪化で野球部を辞め、回復後はハンドボール部で活動してきた。「チームに迷惑がかかると思って退部したが、みんなが頑張っている姿を見て、悔しさや申し訳ないという気持ちがあった。だが、もう一度やりたいと思っても、どういう顔をして戻ればいいのか分からなかった」という。

3年になってハンドボール部の活動を終えた後、「お願いだから戻ってきてくれ」と木村が声を掛けてくれたときは、思わず涙目になったそうだ。6月から本格的に合流すると、2人が中心になって朝練を始めるなど、夏の大会に向けて準備を進めてきた。

そうした思いが実を結んだのが9回表、この回を守りきれば勝利という場面。相手4番打者の打球が左中間に上がった。「もしこれを落としたら無死一・三塁。みんなのために抑えようと体が勝手に動いた」と井上がこれを好捕。絶体絶命のピンチの芽を摘んだ。

「自分はあきらめかけてしまうことが多いが、野球は何があるか分からない。できる限りのプレーを出しきりたい」と井上。今度は絶対にあきらめないという気持ちで次戦に臨むという。(池田充雄)

9回表無死一塁、左中間への当たりをレフト井上が好捕

日立市民球場第2試合の土浦二⁻勝田は、土浦二が1ー9で勝田に敗れ、2回戦進出はなからなった。

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

1コメント

1 Comment
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

日本の競争力回復には教育改革が必要《よぎさんの眼》1

【コラム・よぎ】かつて世界トップクラスの競争力を誇った日本は現在、IMD(国際経営開発研究所)の国際競争力ランキングで38位に後退している。技術革新、企業ガバナンス、労働生産性など多くの分野で停滞が見られ、国際社会における存在感が低下している。インフラ面では依然として高い水準を維持しているものの、ビジネスや政治の効率性に課題が残り、その背景には人材の質の低下があると指摘されている。 人手不足でなくスキル不足が問題 教育分野においても問題は深刻である。不登校やいじめの増加に加え、学級閉鎖の頻発や教員不足が進行している。さらに、大学ランキングの低下、英語力やICT(情報通信技術)教育の遅れも顕著であり、若者の海外進出や高度な研究への挑戦を阻む要因となっている。また、企業が求めるスキルと教育内容との乖離(かいり)や、企業内研修機会の減少が重なり、スキル不足や構造的失業を招いている。加えて、自己肯定感の低さや将来への希望の欠如といった精神的課題も社会全体に広がっている。 人口減少や高齢化に伴う人手不足が深刻だと指摘されている一方で、専門家は「日本の問題は人手不足ではなくスキル不足である」と強調する。産学連携の強化や国内人材のリスキリング、IT・AI分野の教育機関の拡充が不可欠である。また、人手不足への対応として外国人材の受け入れが進んでいるが、その活用には課題も多い。技能や言語能力が十分でない人材の受け入れが進むなど、質と量のバランスに問題がある。 適切な移民政策の下で、人材マッチングを進めるとともに、教育・医療などを含めた包括的な支援体制の整備が求められている。 学校を「学びの企業」と再定義 地方から都市への人口流出を防ぐには、地域における教育と雇用の機会創出が重要である。公立学校では生徒数減少により統廃合が進み、学校経営そのものの見直しが求められている。学校を「学びの企業」として再定義し、生徒や保護者のニーズに応じた教育の提供、教員育成、ガバナンス強化を進めていく必要がある。 進学校、一般校、特別支援学校、工業高校、夜間学校、通信制教育など、多様な学校形態が存在する中で、それぞれの教育が本当に生徒や社会のニーズに応えているのかを具体的に問い直す必要がある。例えば、夜間学校において全日制と同様のカリキュラムをそのまま適用しても、多くの生徒にとっては現実的ではない。学校の形態や生徒の実情に応じて、カリキュラムや教育活動を柔軟に調整することが求められる。 問題は「形骸化」と「現状維持」 日本社会の最大の課題は「形骸化」と「現状維持」である。これを打破するためには、教育の目的と理念を再確認し、改革と改善を同時に進めることが不可欠である。教育は単なる知識伝達にとどまらず、人材育成を通じて社会と国家の未来を形づくる基盤であり、日本再生の最も重要な鍵である。このコラムでは、教育をどのように変革していくべきか、考えていきたい。(元土浦一高・付属中学校 校長) 【よぎ(本名プラニク・ヨゲンドラ)】インド西部のプネ大学(物理・経済)卒、同大学院(国際・労務経済)修士。同時に日本語と情報技術を学ぶ。1997年に国費留学生として来日、大手IT企業や金融機関の幹部として勤務。2019年から東京都江戸川区議。22年4月~26年3月、茨城県立高校の公募校長として、土浦一高・付属中学の副校長・校長。全日本インド人協会会長、江戸川印度文化センター館長。1977年生まれ、インド出身。

給食の米飯350食分を廃棄 振替休日を連絡し忘れ つくば市立中学校

つくば市は27日、市内の市立中学校1校が4月27日(月)を振替休日とすることを市給食センターに連絡するのを忘れ、同日の学校給食の米飯約350食分、約5万6000円相当を廃棄したと発表した。 市健康教育課によると、同中学校では4月25日(土)に授業参観を実施し、27日を振替休日としていた。学校行事などで給食の提供を中止する際は、各学校が前月の5日までにそれぞれ給食センターに連絡することになっているが、学校からの連絡が漏れたという。 同市の給食は、委託業者が米飯を炊き、一人分ずつ器に入れて各学校に直接配送している。おかずは学校給食センターが調理し各学校に配送している。4月27日午前10時ごろ、委託業者が同中学校に米飯を配送したところ、休校だったことから給食センターに連絡し廃棄とした。一方、給食センターで調理した350人分のおかずは、配送する前だったため、他校に割り振った。 同課は、市内の各学校と幼稚園などに対し、給食の中止や人数の変更が発生する場合は適切に報告するよう改めて周知し、再発防止に努めるとしている。

在来大豆「タノクロ豆」を守り受け継ぐ《宍塚の里山》136

【コラム・小関緑】宍塚には大粒でとてもおいしい大豆があります。地元では通称「タノクロ豆」。田の畦畔(けいはん)などで作られてきた在来大豆です。近年は作る方が減少しましたが、この大豆を守りつないでいきたいと、地元の方から種を分けていただき、種継ぎを続け20年以上になります。大豆は味噌(みそ)に加工し、宍塚の方々と里山保全に取り組む人たちで分けています。 里地里山文化の象徴 大豆は、味噌、醤油(しょうゆ)、豆腐、納豆の原料であり、畑でとれる貴重なたんぱく源。日本人の食に欠かせない食料です。それぞれの地域で、その土地の気候風土に順化した在来大豆が作り継がれてきました。田んぼの畦(あぜ)は、陽当たり風通しがよく、根を伸ばせば水に届く―そんな環境が大豆にはちょうどよく、畦畔での栽培が行われていました。 自然資源を持続的に循環利用し、気候風土に適した作物のタネをとり、持続的に食料を生産する―そのような生業(なりわい)の在り方が里地里山の文化の要だと考えています。私にとって在来大豆は、そんな里地里山文化の象徴です。 お味噌に加工して配付 20年以上前、当時の及川ひろみ会長が会報配付に集落各戸を回った際、おいしい煮豆をごちそうになったのが、出会いでした。その方の作業を手伝わせていただくことから、栽培が始まりました。 栽培は、土地の資源を生かすこと、先人の知恵を生かすことが基本。聞き書きでも畑作や大豆栽培について聞いており、播種時期、麦間を利用した栽培、脱穀や調整の道具などが記録されています。当会では、落ち葉を畑にすきこむ方法や、裏作の麦との二毛作などに取り組んでいます。ただ近年は草管理が行き届かず、気候変動に伴う生育不良にも苦戦しているところです。 タノクロ豆の存在を知ってもらうため、できた大豆は味噌にして地元の方と里山保全に係る人たちで分けています。味噌作りも最初は地元の方に教わり、宍塚伝来のレシピで作っています。糀(こうじ)の米もなるべく宍塚産にし、当会の田んぼ塾の谷津田米や宍塚の農家が生産したお米を使用。煮炊きには里山保全作業で出た材をまきに使っています。里山の恵みをぎゅっと絞った雫(しずく)のようなお味噌です。 唯一無二だから種をつなぐ 宍塚の風土に順化し、生業文化に根差して作り継がれてきたタノクロ豆。これは、世界に唯一無二です。本来は地元の人たちによって受け継がれるのがベストですが、現代の社会構造では難しくなっています。ここで途切れさせてはならない、タネをつながなければならない―ほぼよそ者で構成される当会がそのつなぎ役になれればと考えています。 幸い、本当の地元住民であり、会員としても活躍くださっている方が、栽培をしてくださっています。このつながりに感謝し、今後も細々ではありますが継続していきます。(宍塚の自然と歴史の会 会員)

傘がない《短いおはなし》51

【ノベル・伊東葎花】 電車を降りると雨だった。しかもかなり降っている。カバンに入れたはずの、折りたたみ傘がない。困ったな。タクシーは行列ができている。コンビニまで走って傘を買うか。だけどちょっと走っただけで、ずぶぬれになりそうな雨だ。 迷っていたら女が隣に立って、傘を広げていた。じっと見ていたら目が合った。 「傘をお忘れですか?」 「ええ、そこのコンビニで買おうと思っています。しかし、この雨では」 「よかったら、コンビニまでご一緒しませんか?」 「えっ、いいんですか。肩が濡れてしまいますよ」 「構いませんよ。困ったときはお互いさま。さあ、どうぞ」 女が開いた傘は、僕の傘にとても似ていた。どこにでもあるチェック柄だけど、僕の傘には柄のところに「M」の文字が刻まれている。僕の名前の頭文字だ。 「僕が持ちますよ」 そう言って傘を受け取って柄を見ると、「M」の文字が刻まれている。 「あの、これはあなたの傘ですか?」 「違います。電車の中で拾ったんです」 「拾った? じゃあやっぱり、これは僕の傘だ。かばんから落ちてしまったんですね」 「まあ、そうでしたか。届けようと思ったんですけど、この雨でしょう。つい、持ってきちゃって。ごめんなさい」 「構いませんよ。返してもらえたら」 「コンビニに着いたらすぐにお返します。本当にすみません」 女はすまなそうにうつむいた。かわいい人だ。彼女に拾ってもらえたのは、もしかしたら運命かも。 それにしても、カバンに入れていた傘が、どうして落ちたんだろう。何かを取り出したときに落としたのかな。ウトウトしているあいだに落ちたかな。ぜんぜん気づかなかった。 ふたりで並んで歩いた。かなり密着している。長い髪が腕に触れるたび、いい匂いがした。早くなる鼓動を気づかれないように歩いた。あっという間にコンビニに着いた。 「ありがとうございました。では私は、傘を買って帰ります。本当にすみませんでした」 「こちらこそ、あなたに拾っていただけてよかった」 「雨が強くなってきました。さあ、早く帰ってください」 「また会えるかな」 「同じ電車を利用しているんです。きっと会えますよ」 女は笑いながら手を振って、店に入った。そうだ。これが運命なら、きっとまた会える。 歩き出してから、冷蔵庫に何もないことを思い出した。 「弁当とビールでも買うか」 引き返してコンビニに行くと、女がレジで金を払っているところだった。「あれ? その財布」 似ている。色、マーク、表面のキズ。紛れもなく僕の財布だ。「あの、それは、あなたの財布ですか?」 女が振り向いて、にこやかに答えた。 「違います。さっき拾いました」 (作家)