金曜日, 8月 21, 2026
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筑波山系のハイキング登山の薦め 《ひょうたんの眼》33

【コラム・高橋恵一】オリンピックが最上級のスポーツイベントなら、高齢化時代の庶民が気楽に取り組めるスポーツに軽登山がある。日本で一番登山人数が多いのは、八王子市の高尾山だそうだが、地元びいきで言えば、筑波山も十分に魅力的だ。

加えて、近年は、筑波山の尾根伝いの宝篋山(ほうきょうざん、小田山)や朝日峠へのハイキングも人気があり、週末は各駐車場が混み合う状態のようだ。この南山麓沿いに、宝篋山、東城寺、小野の小町の里、清滝観音(坂東33観音霊場の26番札所)、雪入山ふれあいの里など、家族で楽しめる「名所」「古刹(こさつ)」が連なっている。朝日峠を越えた石岡市八郷地区も、大変魅力的な地域なのだが、それぞれの魅力の紹介は次の機会にしたい。

筑波山や稜線(りょうせん)に連なる各山、峠などからは、360度の眺望景観が自慢で、関東平野や霞ケ浦はもちろん、東京の高層ビル群や富士山、太平洋まで望めるのだが、眼下の常総の地が、日本の武士社会を生み出し、武士社会の発展、確立に大きな役割を担った壮大な歴史ロマンの舞台でもあるのだ。

自然と歴史のロマンの地

武士が朝廷や貴族の警護・軍事のために雇われていた存在から、自ら土地を開墾・占有し、支配する武士・武士団登場の象徴的な存在が、平高望(たいらのたかもち)だ。桓武天皇のひ孫の高望王が、臣下の道を選び、平姓を与えられ、筑波山を仰ぐ常陸国真壁郡石田の地(現在の筑西市東石田)に本拠を置いて私有地を開いた。

長男・平国香(くにか)には石田、二男には羽鳥(桜川市)、三男には豊田郷(常総市)、四男には水守郷(みもりごう、つくば市)を分け与え、さらに、その領域は、常陸、下総、上総の国まで広がった。

平国香と甥の領地争いから平将門の乱が起こり、関東全域を巻き込んだ5年にわたる騒乱は、国香の長男・平貞盛(さだもり)と藤原秀郷(ひでさと、下野国)によって平定されたが、大乱を起こしたのも、平定したのも武士であり、武士の存在が大きくなった事件と言われている。その後、平貞盛は中央に出て、最初の武士政権・平清盛に至る伊勢平氏の祖となっている。

平貞盛の弟が常陸国の領地を受け継ぎ、水守郷を経て筑波の多気(たき)山を本拠とし、常陸国の那珂川以南に広く一族(常陸平氏)を配置して、主に常陸国の大掾職(だいじょうしょく、国司の守、介の次の順位の職)を世襲した。

源頼朝が鎌倉幕府を開いたとき、筑西市を本拠としていた八田知家(はった・ともいえ)が常陸の南西部に進出、多気氏(たきし、常陸大掾)に代わり、筑波山麓を領して、小田氏(つくば市)の祖となり、鎌倉時代から戦国時代まで統治した。南北朝時代に、北畠親房を迎え激しい戦いの舞台になるなど、盛衰約400年の歴史が繰り広げられた。

筑波山から眺める霞ケ浦流域の地は、自然災害も少なく、気候も温暖で、常陸国風土記では「常世の国」とはこの地のことではないかと称えられた地でもある。一方で、日本の未来を描き出す研究学園都市には、桓武平氏発祥の地・水守郷があるのだ。筑波山系の峰々から、自然と歴史のロマンの地を眺めてほしい。(地図好きの土浦人)

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「音」で土浦の今を残したい 子どもたちと集めた音でVR・AIアート体験を

22、23日 りんりんポート土浦 普段は意識せずに聞き流している、揺れる木々の音、足音、街のざわめきなど土浦市内の音を録音し、映像やVR(仮想現実)、AIなどの技術と組み合わせて「土浦の音」を体験する展示「土浦サウンドアーカイブプロジェクト 土浦サウンド展」が22、23日、同市川口、霞ケ浦湖畔の休憩施設、りんりんポート土浦で開かれる。 主催するのは、土浦市在住の音楽家、宇津木紘一(44)が代表を務める市民団体「つちうらサウンド・アーカイブ・プロジェクト実行委員会」。昨年から開いてきたワークショップの一環で、地域で集めてきた音や活動を紹介するとともに、来場者自身が音を聞き、触れ、遊ぶことのできる「小さな美術館」のような空間をつくる。地域活性化や地域課題解決を目的とした活動を対象にした市の助成制度「土浦市協働のまちづくりファンド(ソフト)事業」にも採択された。 子どもたちと音を探す 今回の活動は、昨年10月に15人ほどの子どもたちと土浦の街に出て音を集めるところから始まった。市内を走るサイクリングロード、つくば霞ケ浦りんりんロードを自転車で走ったり、霞ケ浦総合公園を歩いたり、霞ケ浦で遊覧船に乗船しながら、スマートフォンを使ってさまざまな音を録音した。水や風の音など自然界の音だけでなく、足音、自転車のきしみなど、普段は聞き流してしまっている音を録音した。参加した子どもたちが驚いたのは、自分の耳で聞く音と、録音した音との違いだったという。 今年2月には、ワークショップで集めた音と、サックス奏者である宇津木さんらによる生演奏によるコラボイベントが、市内の寺院で開かれた。(2月20日付) 宇津木さんは「音を通して、その土地の文化や地域を知ることができる」と話し、「音は人の記憶と結びつく。何気ない一つ一つの音も、複数の音が重なることで、その場所ならではの風景が浮かび上がることがある」、そんな気づきが活動に繋がったと語る。 土浦の音でリズムをつくる 今回の展示では、これまでのワークショップやコンサートを写真や映像、資料で振り返るほか、VRなどを利用した体験型作品も並ぶ予定だ。普段は美術館などに出掛けなければ触れる機会の少ないメディアアートを、身近な地域で気軽に楽しんでもらいたいとする。 映像とともに音の遠近や変化を体験する「土浦サウンドVR」は、暗幕で光を遮った室内に設置された100インチのスクリーンに、AI技術を使用し、土浦市内の風景を元に作られた仮想空間がプロジェクターで映される。参加者は、パソコンを操作しながら空間を移動し、画面上のものに触れるとさまざまな音を聞くことができる。 音遊びゲーム「おとふね」は、企画のために作られたスマートフォン用のアプリを使い、土浦で録った音を素材に、自分でリズムをつくることができる。例えば、足音をバスドラムの「ドン」という音のように使ったり、風や葉の揺れる音を楽器の一つとして組み込んだりする。アプリ上で好きな音を選び、何度も組み合わせながら自分なりのリズムをつくる。スタッフに相談しながら体験できるようにもする予定だ。「私自身、世界にある全ての音を音楽に使えると気付いた時に世界が広がった」と話す宇津木さんの体験が元になったコーナーだ。作った音は、ダウンロードし持ち帰ることができる。 会場にはこのほか、地域で活動する作家と一緒に線香花火や紙パックを使ったランタンを手作りできるコーナーも設ける。 消えていく「音」で町を残す 活動の背景には、「今の土浦を残す」という目的があると宇津木さんはいう。「音から、その地域の文化や歴史を読み取ることができる。ふと耳にした瞬間に昔を思い出すこともある。音にはそんな力がある。街の景色や暮らしは変わり、文化や歴史も失われていく。だから、今しか聞けない音を記録しておきたい」 今はスマートフォンがあれば、誰でも簡単に音を録音できる。宇津木さんが子どもの頃は、録音には専用の機器やカセットテープが必要だった。身近になった録音技術を使って地域の音を残し、さらにVRやAIなど現在の技術と組み合わせることも、このプロジェクトの目的だ。残された音を将来聞いた人が「なぜ、この音がしていたんだろう」と疑問を持ち、当時を知る人に尋ねることで、地域の歴史を知るきっかけにもなると想像する。 「写真は撮るけど、音は撮らないですよね」と話す宇津木さん。「一度、音に意識を向けるようになると、どこへ行っても音に気付くようになる。音を積極的に感じる機会が少し増えるだけでも、日常の楽しみは増えるんじゃないかと思う」とし、「専門的な知識は全然なくて大丈夫。夏休みの思い出づくりに、『ちょっと面白そうだな』という気持ちで来てもらえれば」と呼び掛ける。(柴田大輔) ◆「土浦サウンドアーカイブプロジェクト 土浦サウンド展」は、8月22日(土)、23日(日)、土浦市川口2丁目13-25 りんりんポート土浦で開催。両日とも午前11時~午後5時。手作り線香花火、紙パックランタンの「手作りワークショップ」は午後1時からと、午後3時から。午後3時30分からは、サウンドスケープ・ライブと題して、宇津木さんと、同実行委員会の統括ディレクターを務める作曲家でピアニストの中村浩之さんによる、集めた土浦の音と楽器による即興演奏会が開かれる。入場無料。問い合わせはメール(contact@bbmusic.tokyo)へ。イベントの詳細は、特設サイトへ。

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