火曜日, 1月 25, 2022
ホーム コラム 筑波山系のハイキング登山の薦め 《ひょうたんの眼》33

筑波山系のハイキング登山の薦め 《ひょうたんの眼》33

【コラム・高橋恵一】オリンピックが最上級のスポーツイベントなら、高齢化時代の庶民が気楽に取り組めるスポーツに軽登山がある。日本で一番登山人数が多いのは、八王子市の高尾山だそうだが、地元びいきで言えば、筑波山も十分に魅力的だ。

加えて、近年は、筑波山の尾根伝いの宝篋山(ほうきょうざん、小田山)や朝日峠へのハイキングも人気があり、週末は各駐車場が混み合う状態のようだ。この南山麓沿いに、宝篋山、東城寺、小野の小町の里、清滝観音(坂東33観音霊場の26番札所)、雪入山ふれあいの里など、家族で楽しめる「名所」「古刹(こさつ)」が連なっている。朝日峠を越えた石岡市八郷地区も、大変魅力的な地域なのだが、それぞれの魅力の紹介は次の機会にしたい。

筑波山や稜線(りょうせん)に連なる各山、峠などからは、360度の眺望景観が自慢で、関東平野や霞ケ浦はもちろん、東京の高層ビル群や富士山、太平洋まで望めるのだが、眼下の常総の地が、日本の武士社会を生み出し、武士社会の発展、確立に大きな役割を担った壮大な歴史ロマンの舞台でもあるのだ。

自然と歴史のロマンの地

武士が朝廷や貴族の警護・軍事のために雇われていた存在から、自ら土地を開墾・占有し、支配する武士・武士団登場の象徴的な存在が、平高望(たいらのたかもち)だ。桓武天皇のひ孫の高望王が、臣下の道を選び、平姓を与えられ、筑波山を仰ぐ常陸国真壁郡石田の地(現在の筑西市東石田)に本拠を置いて私有地を開いた。

長男・平国香(くにか)には石田、二男には羽鳥(桜川市)、三男には豊田郷(常総市)、四男には水守郷(みもりごう、つくば市)を分け与え、さらに、その領域は、常陸、下総、上総の国まで広がった。

平国香と甥の領地争いから平将門の乱が起こり、関東全域を巻き込んだ5年にわたる騒乱は、国香の長男・平貞盛(さだもり)と藤原秀郷(ひでさと、下野国)によって平定されたが、大乱を起こしたのも、平定したのも武士であり、武士の存在が大きくなった事件と言われている。その後、平貞盛は中央に出て、最初の武士政権・平清盛に至る伊勢平氏の祖となっている。

平貞盛の弟が常陸国の領地を受け継ぎ、水守郷を経て筑波の多気(たき)山を本拠とし、常陸国の那珂川以南に広く一族(常陸平氏)を配置して、主に常陸国の大掾職(だいじょうしょく、国司の守、介の次の順位の職)を世襲した。

源頼朝が鎌倉幕府を開いたとき、筑西市を本拠としていた八田知家(はった・ともいえ)が常陸の南西部に進出、多気氏(たきし、常陸大掾)に代わり、筑波山麓を領して、小田氏(つくば市)の祖となり、鎌倉時代から戦国時代まで統治した。南北朝時代に、北畠親房を迎え激しい戦いの舞台になるなど、盛衰約400年の歴史が繰り広げられた。

筑波山から眺める霞ケ浦流域の地は、自然災害も少なく、気候も温暖で、常陸国風土記では「常世の国」とはこの地のことではないかと称えられた地でもある。一方で、日本の未来を描き出す研究学園都市には、桓武平氏発祥の地・水守郷があるのだ。筑波山系の峰々から、自然と歴史のロマンの地を眺めてほしい。(地図好きの土浦人)

2 コメント

誹謗中傷するコメントはNEWSつくば編集局が削除します。
2 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る

陽性確認者数(公表日ベース)の推移

つくば市

土浦市

スポンサー

注目の記事

最近のコメント

最新記事

雪の降った日に 《続・平熱日記》102

【コラム・斉藤裕之】新年早々降り始めた雪。たまたま初売りで買った長靴がこんなに早い出番を迎えるとは…。犬のハクは散歩が待ちきれない様子。歌にあるように、犬は雪の中でテンションが上がることは間違いない。ただ喜んでいるのかどうかは分からない。とにかく白い雪の中を狂ったように走り回る。 白い犬だからハクという名前なのだが、真っ白い雪の中にいると白くもなんともない。むしろ小汚くさえ見える。 白という色を初めて意識したのは…。自分の才能も顧みず、親や先生の忠告を無視して絵を描こうと決めた高3の夏。門をたたいた絵画教室で私を待ち受けていたのは、石膏(せこう)像と呼ばれる白い胸像たち。そもそも、黒い木炭で白い物を描くという時点でお手上げなのだが、朝から日没までひたすら石膏像を描く日々。 そして、絵を褒められることはついぞなかったが、「斉藤はがんばっちょる」という先生の一言で夏は終わった。 それからどのくらいたったのだろうか。白い石膏像が美しいと思えたのは、黒い木炭が影を自在に描く道具だと分かり、しかもその影は暗いのではなく仄(ほの)明るいと分かったとき。石膏像は柔らかな白だと分かったとき。なるほど「日」と「白」という漢字は関係があるような気がする。 群れてしまうと灰色になる?

カエル像36体の物語 つくばテクノパーク桜 住民ら絵本づくり

つくば市桜のまちづくり団体、テクノパーク桜まちづくりを考える会(水谷浩子代表)がこのほど、地区内のあちこちに36体あるカエルの石像を主人公に、絵本『36ぴきのかえるちゃん』(A4判、20ページ)を制作、発行した。同会の古場容史子(よしこ)さんが朗読を担当し、YouTubeでも読み聞かせ動画を配信している。 36体のカエルの石像が会議をし、音楽のあるまちづくりをしていく物語。代表の水谷さんを中心に会員らが考え、筑波大学卒業生の高橋理恵子さんが絵本のイラストを描いた。 テクノパーク桜は1997年に、土地区画整理事業により完成した。筑波大学の東に隣接し、商業施設や住宅、研究施設が立ち並ぶ。同会は2009年に地域の良好な環境を守り、まちの活性と交流を目指すことを理念として発足。桜まつりや街角音楽会などさまざまなイベントを実施してきた。 地区内には事業の完了時点で、さまざまなポーズの36体のカエル像が設置されていた。腕を組んだり、ほおづえをついたり、一体一体ポーズが異なる。 代表の水谷さんは1998年からテクノパーク桜に住んでいる。当時はカエル像を気に留めていなかったが、ある時、数を数えたら36体あることが分かり、また1体ずつポーズが違っていることから興味を持ち始めたという。絵本の制作について「コロナ禍で会の活動がなかなかできなかったので、カエルの本を作ってお店に置いてもらったら街のことを知ってもらえるのではないかと思った」そう。 当時、石像を製作したのは桜川市に住む岩瀬照夫さん(72)だ。岩瀬さんは「ずいぶん前のことで記憶があいまいだが、注文を受けて制作した。カエルのデザインについては一任されていた」と話す。両国国技館(東京・墨田区)前に設置する四つに組んだ力士の像を手掛け、その制作のすぐ後にテクノパーク桜のカエル制作を始めたため、力士の姿をしたカエル像を思いついたという。

サツマ苗などの自家育成が許諾必要に 《邑から日本を見る》104

【コラム・先﨑千尋】茨城の冬の風物詩はなんといっても干し芋づくりだ。寒風にさらされ、日の光を浴びた干し芋をこたつでお茶を飲みながら口にする。のどかな感じがする。もっとも最近では、天日乾燥は少なく、ほとんどが機械による人工乾燥になっているので、昔ながらの風景は少なくなっている。 今月13、14日には、ひたちなか市で2年ぶりの干し芋品評会が開かれ、干し芋ファンの人気を呼んでいる。その干し芋、最近は見た目がきれいで、軟らかめが好まれ、昔からの作り手は「これは干し芋ではない」と不満たらたらだ。 その干し芋の原料であるサツマイモは、3月になれば畑にイモを伏せるなど今年の準備に取りかかる。大体は、昨年収穫したイモから良質のものを選び種イモとするが、今年は今までと大きく事情が違う。 それは、昨年の国会で種苗法が改正され、つくば市にある農研機構などが育成し、登録した品種を対象に、農家が作ったものの一部を育てる自家増殖を原則禁止することになったからだ。この改正は、登録品種の海外への流出を防止するのがねらいだと国は説明している。 背景には、ぶどうのシャインマスカットやサクランボの紅秀峰(べにしゅうほう)などが大量に中国、韓国、オーストラリアなどに流出していることがある。サツマイモでは、人気が高い干し芋用の紅はるかが同じように海外に流出している。中国でのシャインマスカットの生産は、国のデータでは、栽培面積が日本の30倍以上、韓国でも日本の栽培面積よりも多い(2018~2020年)。 この種苗法の改正によって、生産農家が自家で苗を採る時にどうすればいいのか。これまでだったら、手続きは要らないし、カネもかからない。他人にあげたり、売ったりしても構わなかった。

花粉症に新型コロナが紛れ込むリスク《土着通信部》50

【コラム・相澤冬樹】杉木立を歩く。花粉症の気が多少はあるみたいだが、そうそうひどい症状に悩まされたことはなく、森の中にも平気に入っていける。今ごろの時期になると、飛散のタイミングをうかがっているのだろう、スギの雄花がたっぷりと花粉をまとって、枝葉が重たげだ。 立ち止まって見上げていると、鼻の奥に引っかかるものがある。出そうで出ない、くしゃみ。不意に疑問が浮かんだ。 新型コロナの感染拡大が初めて伝えられたのは2年前、ちょうど今頃の時期だった。あの時、風邪の諸症状のなかで、熱や咳や倦怠感にコロナを疑っても、くしゃみと鼻水だけならまず大丈夫、と聞いて安心したように思う。感染症怖さに、軽度の花粉症ぐらいでは医者に行きたくない気分が支配的だった。 2年経って、今度はオミクロン株である。一般に重症化のリスクは低いといい、無症状の感染者が多いとの報告もある。それこそ風邪の諸症状どころか花粉症と見分けがつかないとしたら、逆に厄介だ。今度ばかりは、くしゃみも気にかけた方がいいのだろうか。 そうそう、くしゃみが出そうになるとマスクを外したくなる。くしゃみの飛沫のかかったマスクは使い続ける気にならないから、つい外そうとするのだが、飛沫をおびただしいほど周囲にばら撒く行為で感染対策上、好ましいことではない。 花粉症患者の中に、新型コロナが紛れ込む可能性とリスクが高まっている。常識的にはマスクをきちんと装着し、うがい・手洗いの励行、不安を覚えたらかかりつけ医師に相談をということだろう。