水曜日, 2月 11, 2026
ホームつくば5年で9割超の大幅減 殺処分 最新集計を検証する㊤

5年で9割超の大幅減 殺処分 最新集計を検証する㊤

【コラム《晴狗雨dogせいこううどく》特別編・鶴田真子美】2016年から20年まで、過去5年にわたる茨城県動物指導センター(笠間市)の犬猫収容数及び殺処分数に関する最新の集計が出てまいりましたので、読者の皆さまとこの数字を検証したいと思います。

今は希望殺到し予約待ち

県動物指導センターの犬の殺処分は、20年までの5年間で612匹から94%減の35匹に激減したことがわかります。

かつて、茨城県は犬の殺処分が8年連続で全国最多でした。2016年には子犬、人慣れした家庭犬さえ505匹が殺処分されました。子犬はきょうだいのうちいちばん可愛い1匹を除いて、残りは殺処分とされたのです。つい5年前のこと、そうした時代が最近までありました。

センターの子犬用モデル犬舎やふれあい犬舎の房数を見ますと、モデル犬舎は5匹分、ふれあい犬舎は8匹分の部屋しか用意されていません。数千匹という収容がある中で、ごくわずかな数しか生かされなかったのです。譲渡に選ばれなかった残りの犬は、収容中の犬猫の情報を公表する公示期限が過ぎたらガス室入りとなりました。

2021年の今は、小型犬や子犬には常に希望が殺到し、予約待ちとなっています。それほどに子犬の収容数が減ったことはほんとうに喜ばしいことです。

茨城県動物指導センター

個体識別され犬違いほぼなくなる

収容数が減れば、犬の過密収容もなくなります。1匹ごとの個体識別が可能になります。以前はセンターに犬を引き取りに行くと、犬違いが頻繁にありました。引き取り予定の犬はセンターが間違えて前日に殺処分しており、命に間に合わなかったことがあります。また、殺処分される前に保護団体が引き受ける「引き出し」申請をした犬とは別の犬が渡されたこともあります。

大部屋にいるたくさんの犬たちを前に、見分けがつかずに難儀することがありました。犬ごとの管理カードがあって犬がいない、探したら別の房の中に移されていたこともあります。あるいは管理カードがないのに犬が多くいる、という事態もありました。犬は一匹ごとに扱われることはなく、個体識別も重要視されていなかったのだと思います。どうせ3日後にはガス室に入るのだし誰も迎えに来ないのだから、と。

大部屋にいる犬たち。1匹1匹管理カードで識別されている=茨城県動物指導センター

これは、センターだけに責任があるのではありません。迷子になった犬を探してセンターに足を運ばなかった飼い主たちの責任でもあります。また、飼い主不明の迷子犬が集められてセンターで殺されるのを知りながら、センターから譲渡を受けずにペットショップに走った消費者である県民の責任でもあります。

しかし現在は、犬違いはほぼなくなり、2020年4月を最後に、成犬の殺処分は1年間は行われていません。

成猫は引き取り拒否に

猫の殺処分数も5年間で1679匹から337匹へと、約5分の1に減りました。

2019年にプレハブ猫舎2棟が建てられる以前は、猫は即日処分でした。今の雑居房2頭房がかつての猫の殺処分部屋でした。市町村や警察から集められた子猫成猫たちは、里親譲渡もされず、存在することさえ内密にされて、収容当日に殺処分されていました。

なぜなら、猫には狂犬病予防法に基づく公示の義務がないからです。飼い主を探すための2日の公示期間は、都道府県により延長され、1週間、1年と、センターや保健所により異なりますが、迷子の犬はまず飼い主探しが義務付けられています。

が、猫の収容と殺処分は法的根拠を欠いています。集めては密室で殺処分。これが繰り返されてきました。しかし、地域猫の取り組みが浸透するにつれ、また外飼いの猫の所有権侵害の問題から、成猫はセンターに持ち込んでも、引き取りは拒否されるように変わりました。

2014年くらいからでしょうか、茨城県は成猫の引き取り拒否に関して、ありがたいことに対応は早かったのです。成猫はだれかが地域で面倒をみている地域猫だったり、出入り自由の飼い猫の可能性があるから、勝手につかまえてセンターに持ち込んでも引き受けないのです。

譲渡に向けてワクチン接種やノミ・ダニ駆除のためパルTNR動物福祉病院に連れてこられた野良猫=土浦市内

茨城県は全国に比べて収容過多

県動物指導センターの収容数は5年間で、犬が1628匹から1063匹に減少しました。約3割減です。猫は2272匹から1401匹へ、約4割減です。もっと減ってもよい、茨城県は全国に比べて、これでも収容過多です。(犬猫保護活動団体CAPIN代表)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

2 コメント

2 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

末期がんと診断されてしまいました…《ハチドリ暮らし》58

【コラム・山口京子】末期がんと診断され、生活が変わりました。昨年12月、痔の治療のつもりで病院を訪れたところ、「痔ではなく、大腸がんです」と、医師にあっさり説明されました。そのあとの血液検査と内視鏡検査で分かったのは、進行性の直腸がん。 「ここでは治療はできないので、紹介状を書きます。どこの病院を希望しますか?」と言われても…。がんだから、専門の病院がいいのか、家から通いやすい病院がいいのか…。 家に近い総合病院の名前を伝えると、受付の方がそこに連絡し、予約日を決めてくれました。紹介状を受け取り、帰宅したものの、実感はありません。確率的にはおかしくはないけれど、自分にもホントに来たのだな…。 体の感覚は昨日と変わらないのに、がんと診断されたことで、何か変わってしまいました。この原稿を書いているときも、がんが増殖中と思うとおかしな気分。昨年は体調不良を感じていたけれど、左足の骨折や夏の暑さのせいと思い込んでいました。 4日後、総合病院で検査。10日後、直腸がんであること、肝臓・肺・リンパに転移し、ステージ4との検査結果。治療しないと余命8カ月、治療してうまくいけば2年半。治療方針は、化学療法で転移を抑え、経過を見るとのこと。年明けに入院し、抗がん剤治療を始める日程。説明を涙ながらメモしている娘。 2週間を1クールとして治療 期間限定の人生になったらしい…まだ信じられない。でも人生は期間限定。死亡率100%なのだし…。副作用の説明もあったけれど、具体的にはどんな症状が出るのか。痛みに弱い、ヘタレな自分がどこまで治療についていけるのか。 がんと分かってから、がん関連の本を何冊も読んでみました。標準治療に対する評価、抗がん剤に対する考え方、先進医療や代替治療、食事やサプリメント、漢方薬など。さまざまな見解がありましたが、とにかく抗がん剤治療を受けることにし、仕事は12月で辞めました。 入院は1月6日。CVポート(皮下埋め込み型カテーテル)を装着し、2日後に抗がん剤の点滴を開始。4日間入院して点滴を受け、退院後の10日間は静養。この2週間を1クールとして治療を続けていく段取り。これから、どのような経過をたどるのでしょう。(消費生活アドバイザー)

デジタル技術を駆使 アニメ、ゲーム、広告デザインなど展示 日本国際学園大

日本国際学園大学(つくば市吾妻)でデザインを学ぶ3、4年生が、日ごろの学習の成果を発表する作品展「2026コンテンツ デザイン エキシビジョン」(同大経営情報学部ビジネスデザイン学科主催)がこのほど、同市吾妻、中央公園内のつくば市民ギャラリーで開かれ、アニメ、ゲーム、メタバースなど最新のデジタル技術を駆使した作品や、想定した架空の店舗や商品のブランド価値を高める広告デザインなどが展示された。 1月31日から2月6日まで開催され、学生17人が作品約40点を展示した。同展は毎年開催され今年で15回目。4年生にとっては卒業制作展になる。 展示されたのは、楽曲に合わせて容姿が変化していくキャラクターを描いたアニメ作品、音楽に合わせてキャラクターや背景を動かすなどデジタルアートの制作過程そのものを映像にした作品、AIを使って小説のシナリオとキャラクターを制作したノベルゲームなど。 広告デザインは、つくば駅近くに架空のカフェがオープンしたと想定し、店舗のロゴやチラシ、缶バッチやシールなどを実際にデザインしたものや、土浦や水戸、常陸太田、龍ケ崎など、県内各地の昭和レトロな商店街を実際に訪ね歩き、それぞれの魅力を紹介したガイドブック、架空の水戸納豆のオリジナルキャラクターや商品パッケージなどをデザインした作品などが展示された。 インターネット上の3次元の仮想空間、メタバースの中で参加者を募り、参加者の分身であるアバターの撮影会や交流会を主催するなど2年間にわたる活動記録をポスター展示した4年の姜翔(きょう・しょう)さん(21)は「メタバースでは、いろいろな人が参加できるように企画を考えてイベント開きコミュニティを引っ張ったが、毎日のように反省点が出てきた」と活動を振り返った。 情報デザインやメディアアートを指導する同大の高嶋啓教授は「4年生にとっては、新型コロナの行動制限が始まった最初の年を1年生として過ごした。表現したいという強い気持ちが現れた作品や、センスが面白い作品があるので、これを引き継いでさらに深めていってくれれば」と話していた。

焼き芋ブームを「食文化」に《邑から日本を見る》191

【コラム・先﨑千尋】「焼き芋がブームになって20年。それを食文化に定着させよう」。今やスーパーの店頭だけでなく、コンビニやドラッグストアでも焼き芋が売られている。その火付け役となったのが「なめがた農協(現なめがたしおさい農協)」だ。 行方市で焼き芋サミット その本拠地の行方市にあるレイクエコーで、1月16日に「全国焼き芋サミット」が開かれ、全国から、焼き芋愛好家や生産者、行政、農協関係者、焼き芋業者、研究者など350人が集まり、焼き芋について熱く語り合った。開催は昨年に続いて2回目。主催は同実行委員会と行方市。 サミットの冒頭、同農協の金田富夫組合長が「農協では約30年前、それまでは主食用だったサツマイモを焼き芋として販売しようと考え、スーパーの店頭で売ることを考えた。しかし、焼き方や品種などで、1年を通しておいしい焼き芋を提供するのは難しかった。工夫を重ね、マニュアルを作り、今では全国約4000店舗で通年販売している。焼き芋をブームで終わらせるのではなく、食文化にしていきたい」と話した。 サミットでは最初、茨城県職員時代にサツマイモの病害虫研究に携わってきた東大大学院特任教授の渡邉健さんが、サツマイモ栽培で問題となっている「基腐(もとぐされ)病」などについて「必要以上に怖がらないように。病原菌を持ち込まない、増やさない、残さないが基本だ」と注意を呼び掛けた。 あるとうれしい⇒あって当たり前 基調講演は、サツマイモに特化したイベント「さつまいも博」を2020年に始めた石原健司さんが「焼き芋を『あるとうれしいもの』から『あって当たり前』に。生活を豊かにするものと消費者が考えられるようになれば、ブームから文化に定着したと言える。そのためには、客層を固定客だけでなく、子供世代やインバウンド(訪日客)などまで視野を広げていく必要がある」と訴えた。 「焼き芋業界のいま、そしてこれから」というテーマのトークセッションでは、龍ケ崎市や行方市の生産者や焼き芋業者らが登壇。それぞれが「原料のイモを安定して供給することが大事。そのためには土づくりが欠かせない。後継者が残れるために外部から呼び寄せることも必要。『焼き芋で笑顔に』を合言葉に、全国各地の百貨店やイベントに出店し、イモの皮まで旨(うま)味や香りを感じる焼き方を、生産者の思いも伝えながら全国の焼き芋ファンに届けている」などと話し合った。 サミットの最後は分科会。参加者が、生産、焼き芋市場・消費トレンド、地域・観光・体験農業、暮らしと女性の視点の4つに分かれて討議した。私が参加した生産の分科会では、基腐病や立枯病などの対策に関する質問や意見が多く出された。 サミット終了後、会場を隣の「なめがたファーマーズヴィレッジ」に移して交流会が開かれ、参加者は、サツマイモ料理や焼酎、いろいろな品種の焼き芋などを味わいながら、焼き芋談義で楽しんだ。(元瓜連町長)

紅梅満開 白梅咲き初む 筑波山梅まつり開幕

第53回筑波山梅まつりが7日、筑波山中腹にある筑波山梅林(つくば市沼田)で始まった。今年の開花状況は例年より1週間か10日ほど早く、紅梅はほぼ満開、白梅は咲き始めているという。1月初旬に満開となったロウバイは見頃が続いている。 7日は雪がちらつく中、開園式が催され、同梅まつり実行委員会の神谷大蔵委員長は「雪の開園式というのは私の知る限りはじめて。今年はずっと暖かったので花が咲き始めている。開催中大きな事故がないように務めていきたい」とあいさつした。式典には関係者約50人が参加した。 梅まつり期間中、がまの油売り口上、つくばのおさけで乾杯!(2月28日と3月1日に開催)、百人きものPresents/青春フォト(3月1日)などのイベントが開かれる。園内をつくば観光ボランティア298が案内する。ご当地土産品販売、筑波山おもてなし館での「梅Café」、梅を使用した期間限定メニュー「梅食」なども用意される。3月7日にはジオパーク企画として認定商品の販売、ジオパークの特設ブースも開設する。さらに隣接のアウトドアパーク「フォレストアドベンチャー」がリニューアルされ、往復180メートルの新ジップスライドが加わった。周辺店舗ではつくばうどん特別企画や、筑波山梅まつり宿泊プランなどが用意されている。 筑波山宮前振興会の渡辺伸一会長は「来た人に満足して帰っていただけるように努力したい。今年は梅食や梅ドリンクなどを用意した。福来みかんの素材を使ったものも、バージョンアップしているので期待してほしい」と話している。 梅まつりは3月15日まで。筑波山梅林は標高約250メートル付近にあり、中腹の斜面に広がる4.5ヘクタールの園内には約1000本の白梅や紅梅がある。