土浦市で精神障害者の訪問看護ステーションを運営するハル・スタイル(haru style)代表の栗山武さん(40)と、つくば市で障害者就労支援施設などを運営するハピネス合同会社代表の荒山千秋さん(51)がこのほど、「渋沢栄一翁論語と算盤大賞」(渋澤栄一翁報奨委員会=田中直隆会長=主催)を受賞した。
日本資本主義の父といわれる渋沢栄一の著書「論語と算盤(そろばん)」を冠した賞で、経済と道徳を調和させながら経営をする起業家を称える。渋沢栄一の生涯を描いた大河ドラマがNHKで放送されている影響で、全国から自薦他薦を含め月30件ぐらい応募があり、年4回ほど各10件程度を表彰しているという。
看護師の栗山さんは、土浦、つくば市などで在宅生活をする精神障害者約60人の健康管理をしたり、薬の管理をしたり、通院に付き添ったり、24時間対応で悩みを聞いたりする訪問看護ステーションを運営する。
総合病院勤務を経て、不動産会社で働いた経験から、病院を退院した精神障害者が地域で自立生活を送ろうとする際、住まいを探すこと自体が困難であることを知った。看護師と宅地建物取引士の両方の経験を生かしたいと、2019年、訪問看護ステーションを設立し、地域で自立生活を送りたいと願う精神障害者の住まい探しを手伝うことなどもしている。
保育士の荒山さんは、土浦市内で児童の発達を支援する放課後デイサービス施設、つくば市内で障害者就労支援施設を運営する。つくば市内で2003年に認可外保育園を運営、次男が発達障害と分かったことをきっかけに子供の発達支援に関心をもち、14年、放課後デイサービス施設、18年に障害者就労支援事業を立ち上げた。
放課後デイサービス施設は、子供の集中力を高めるため運動や遊びを積極的に取り入れている。就労支援支援は、利用者に合わせて作業の種類を多くしているのが特徴だという。
荒山さんは「利用者の要望を聞いて、地道にやってきた。受賞でき光栄に思う」などと喜びを話した。(鈴木宏子)