コロナ時代の歳末助け合いー。生活が困窮している大学生やひとり親家庭の生活支援のため、食料品や日用品の無料配布が26日に土浦市内で、27日につくば市内でそれぞれ行われる。
年越し支援テント27日松見公園に再び つくば
【山口和紀】つくば市では27日午前11時から、松見公園(つくば市天久保)を会場に、学生らに対して野菜やコメ、日用品などの無料提供が行われる。実施するのは市民団体「学生応援プロジェクト@つくばーPEACE(ピース)」(冨山香織代表)。前回の支援は今月6日に行われ、今回で2度目となる。
前回の支援では、口コミやSNSで支援物資を募り、約20人から家庭にある食品や日用品の提供があった。カンパも6万円集まり、食品の購入等に充てた。支援物資を受け取りに訪れたのは、当初の想定だった20人を大きく超えて、実際には学生を中心として140人ほどに上った。
プロジェクトを企画した冨山さん(39)は、つくば市内の飲食店を夫婦で経営している。アルバイトとして働く大学生や、店を利用する学生たちとの会話から「学生たちが大変な状況にある」ことが伝わってきたと話す。
前回、支援物資を受け取った人を対象にアンケートも実施された。回答した69人のうち、19人はアルバイトのシフト勤務が減り収入も減ったという。「親の収入が減っている」「アルバイトの収入が減り、親からの仕送りも減った」という声などもあった。
無料配布を受け取った人間学群の学生(21)は、「自分はとても困っているという状況ではないが、バイト先が短縮営業でシフトに入りづらい状況だから助かった」と話した。正月の帰省については「実家では(感染した際の死亡リスクが特に高い)高齢の祖父や祖母と同居して暮らしているので、今年は帰省できない。正月を一人で過ごすのは初めて。そういう学生も多いのではないか」という。
27日の無料配布は「年越し準備」に向けたもので、今後、月に1回程度の開催を目指している。冨山さんは「野菜や食品など支援物資の提供を募集している。学生たちのため、ぜひ協力していただけたらありがたい」という。募集しているのは、野菜、缶詰・レトルトなどの食品類、日用品のたぐいだ。
支援物資の提供など連絡はpeaceoftsukuba@gmail.com(冨山さん)まで。
シングルマザーにも呼びかけ26日市民会館駐車場 土浦
【崎山勝功】土浦市では26日午後1時から同市真鍋新町のクラフトシビックホール(土浦市民会館)駐車場で、学生・ひとり親支援の「食料日用品無料配布会」が行われる。主催は「コロナに負けるな!つちうら食料支援プロジェクト」。つくば市で行われた「学生応援プロジェクト」による食料無料配布会を知って、「土浦でもやりたい」と同市在住の長坂法子さん(74)が仲間たちとプロジェクトチームを立ち上げた。
近隣の農家に野菜やコメの提供を呼び掛けたところ「野菜を提供したい」と複数の農家から提供の申し出があったという。また市民有志からレトルト食品や日用品の寄付も相次ぎ、プロジェクトチーム立ち上げから約2週間で多くの支援物資が集まった。
長坂さんは「つくばと違って『学生の街』ではないので、ひとり親も支援しようと思った。桜町のお店で働いている人がどれだけ大変か」と目を配る。
同市桜町は県内有数の歓楽街、キャバクラをはじめ「接待を伴う飲食店」も立地する。こうした店に勤務する若いシングルマザーも少なくなく、コロナ禍に伴う営業時間短縮要請や営業自粛の影響を受け、収入減や失業する例も見られるという。
配布会の会場では、生活に困窮するシングルマザーを支援に、相談窓口の紹介も併せて行う予定だ。「本来は政治の仕事。公助が必要。みんな共助で助け合っているけど、(20代から40代の)女性の自殺率も高くなっている」と長坂さんは行政の積極的な支援を訴えた。
問い合わせは、土浦母親大会連絡会事務局(電話:029-824-8949)まで。