土曜日, 2月 27, 2021
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山中ブルーふたたび つくば美術館で30年ぶり個展

【相澤冬樹】独特の深い青「山中ブルー」で、抽象画壇に新境地を開いた山中宣明さん(68)=二科茨城支部長=が25日から、つくば市吾妻の県つくば美術館で30年ぶりの個展「残響reverberation(リヴァーバレイション)」を開く。ほぼこの30年間の画業で制作された作品約100点を準備、同市東のアトリエと美術館を往復しながら「色彩のキャンバスから音の余韻を感じ取ってもらえるよう」な展示の構想を練っている。

「西洋的な心象風景とは異なる、自分にとっての抽象画を模索してきた」という山中さんの制作スタイルは独特だ。アトリエには数百枚のCDがあり、下塗りにマイルス・デイビス、イメージを深めるのに武満徹などの音楽をかけながら、それらとコラボレーションをするかのように作品を生み出してきた。

音に色彩が見える音楽家がいるように、色彩から音が聞こえてくる絵画との交感。「絵を見終わったとき、残響のように余韻が聞こえてくる」は作家生活を通じて目指した境地であり、今回の個展のタイトルとなった。

そのなかで「青」の発見もあった。「染料や絵の具、下塗りの仕方を含め、色の出し方は一定していないが、重ね塗りをしているうちに同じトーンの青に行き当たる。一言でいえば深い青で、落ち着きがあるが決してマンネリとはならない」。この「山中ブルー」で2004年の二科展総理大臣賞など受賞歴を重ねた。

出展作「An-anonym」

つくばでの個展は、つくば美術館開館の1991年に1回目を開催して以来30年ぶり。この間、県や同市の巡回展、グループ展への出展はあったものの、今回のように300号(約2×3メートル)、500号(約4×5メートル)の大作が並ぶ機会は貴重。過去の二科展出品作をはじめ、約100点が展示される。

アトリエから美術館までは5トン車2台で運ぶという大がかりなものになり、山中さんは会場の展示レイアウトにも細大漏らさぬよう意匠を凝らしている。「一堂に並べることで、これまでの作品の見直しとこれからの展開を考える機会としたい」と語っている。

個展は12月6日まで。11月29日には日本近代美術思想史研究家の宮田哲也さんとの対談、作家自身による作品解説が28日と12月5日、いずれも午後2時から予定されている。県つくば美術館(電話029-856-3711)。

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