【崎山勝功】ボクシング試合「東日本大震災復興チャリティー ダイナミックヤングファイト」が20日、つくばカピオ(つくば市竹園)で開かれる。主催のヤマグチ土浦ボクシングジム(土浦市東崎町)によると、同ジム主催の試合は今年1月27日に後楽園ホール(東京)での開催が最後で、新型コロナウイルスの感染拡大以降では初めて。
同ジムでは例年4月と7月頃にボクシング試合を開いていたが、メーン会場の後楽園ホールがコロナ禍のため使用中止となり開催を断念した。橘朗代表コーチは「(選手たちが)気持ちやモチベーションを維持していくのが大変だった」と振り返った。
つくばカピオでの試合開催に当たり、同ジムでは▼座席数を通常の3分の1に削減し座席は全席指定▼1試合終わるごとにリングに強酸性電解水を散布して消毒▼セコンドはマスクかフェイスシールドを着用▼報道関係者はリングサイドからの撮影を禁止し2階席から撮影―などの対策を講じた。消毒に使う強酸性電解水は、ボクシング愛好家のつくば市内の業者から寄付を受けたという。
再開に腕ぶす選手たち
久しぶりの試合とあって、ジム所属の各手たちはそれぞれに意気込みを見せた。
土浦市出身のプロボクサーで日本バンタム級7位の高橋竜也(31)は、47戦目のリングに上がる。昨年11月の試合で肩を痛めて以来の試合出場。「プロになって初めてこれだけ期間が空いた。全然マイナスじゃなくて自分の悪いところを見直したり、短所や悪いところを鍛えられたりしたのでプラスになった」と自粛期間も前向きに受け止めた。「勝つことしか考えていない。勝ち方にこだわってしっかり勝つ。KOだったら最高。いいボクシングをできるようにする」と自信を示した。
同市出身で今年1月から51.4キロ契約でプロデビューした人見信男(35)は「1月のデビュー戦は負けてしまったので、その時の反省を生かしたい。試合が延びたことで自分を鍛える時間を使えたので、プラスに捉えて挑みたい」と意気込んだ。「試合が決まったのがコロナで流れて、残念な気持ちになったけど、また次の試合を組んでくれるのが分かったので会長に感謝して練習に集中することができた」と振り返った。
つくば市出身でスーパーウェルター級の根本裕也(34)は「年齢的にそんなに先が長く無いので、負けたら終わりの気持ちでやっている」と背水の陣で試合に臨む。「自分も試合が2回流れたので久しぶりの試合。いずれはやると思っていたので、いつ決まってもいいように準備はしていた。やっとその時が来たという感じ」と試合再開を歓迎した。
20日は午後5時から7試合が組まれている。人見は第2試合で小安慎吾(三迫)と、根本は第6試合で足名優太(渡嘉敷)と、高橋はメーン試合で城後響(三迫)と、それぞれ対戦する。(かっこ内は所属ジム)
◆問い合わせ先は同ジム(電話029-824-8686)。