土曜日, 12月 20, 2025
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【つくば/都市と文化】1 建築博物都市・つくば

【鴨志田隆之】つくば市、少し限定して筑波研究学園都市内には、すでに改築、解体され現存していない建物も含めて、実に多種多様で大量の公共建築が林立する。磯崎新設計によるつくばセンタービルをはじめ、つくばカピオ(谷口吉生設計)、つくば国際会議場(坂倉建築研究所)、つくば文化アルス(石本建築事務所)、松見公園展望塔・レストハウス(菊竹清訓設計)、筑波新都市記念館・洞峰公園体育館(大高正人設計)など。

研究学園都市の開発を主に手掛けたのは、現在のUR都市機構(都市再生機構、日本住宅公団~住宅・都市整備公団が前身)と国土交通省(建設省)の出先機関、筑波大学(施設部)などだった。個々の建築物は都市の森の中に埋もれて久しいが、公団では自ら担当した建物だけでなく、建設省や各研究機関の建築についてもデータベースを残している。この資料は90年代後半の建築記録で内部資料としてまとめられたが、後にNPOが立ち上げられ、つくば建築研究会として「つくば建築フォトファイル」が2005年に出版された。つくばエクスプレス(TX)開業に合わせて、つくばの建築と街のガイドブックとしてまとめられており、現在でも入手可能だ。

106の建築物を掲載、800点のカラー写真や図版、300ページを超えるボリュームは、手軽に持ち歩くにはいささか重さを感じるが、公共、研究、住宅などのジャンルごとに紹介される建物それぞれが、これほど個性を放っていたのかと再認識させられる。

同書を編集したつくば建築研究会の若柳綾子理事に聞くと、「私の夫(若柳幹郎さん)が生前、前身のデータベースづくりを公団から依頼された。当初は内部資料でしたが、後の時代に向けて一般市民にも販売できるものとして考えられていたようです。若柳建築事務所とともにこの仕事を私とNPOが引き継ぎ、作り上げたものです。建築探訪ツアーなども展開してきました」と経緯を話してくれた。

いま、この書籍を紹介する理由は、膨大な建築作品集とともに収録されている土肥博至さん(住宅公団出身、筑波大学教授を経て神戸芸術工科大学で学長を務めた)と故・大高正人さん(大高建築設計事務所を率い各地の建築設計のほか、全国のニュータウン開発に参画)の対談にある。2人とも、建築家、都市計画家として研究学園都市のデザインに関わり、建築も残した人物だ。

対談の時点で都市は概成(1979年度、43 の教育・試験研究機関等の移転完了をもって学園都市建設は概ね完了した)しており、つくば市合併を経て、まちづくりはTX開業と沿線開発による市街地形成という新しい局面に移っていた。「もはやどこがどうだかわからなくなった」「まちは変わるもの。変われなければ沈滞する」と対話している。

彼らの展望通り、研究学園都市は変貌を続けている。しかし変化の仕方に魅力があるかどうかは、住まい、訪れる人々それぞれの受け止める印象で異なるだろう。コロナ禍によって外出も思うようにならない日々、この建築フォトファイルを再読すると、つくばの街と樹々に埋もれた106件もの建築(掲載点数)をあらためて俯瞰(ふかん)することができる。(続く、全5回シリーズ、不定期掲載)

「つくば建築フォトファイル」(変形B5判、370ページ、本体価格2381円+税)つくば建築研究会で取り扱い中(通信販売のみ、電話029-886-8039)http://tsukuba-arch.org/?page_id=12

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技術の粋集めた「霧筑波」で最優秀賞 つくばの浦里酒造店

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5選手がJリーグへ 筑波大蹴球部

筑波大学蹴球部からJリーグへ羽ばたく5選手の合同記者会見が19日、つくば市天王台の同大大学会館で開かれた。5人のうち3人は大学サッカーを1年前倒しで退部し、すでにプロ選手として活動を始めている。残る2人は蹴球部の主力として今季の関東大学サッカーリーグ1部優勝に貢献し、現在も全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)で優勝を目指して激闘中だ。 5人それぞれ意気込み サイドバックの安藤寿岐は1月に退部しJ2サガン鳥栖へ加入。「けがで思い描いたシーズンとは違ってしまったが、鳥栖の顔になり、自分を見にお客さんが来てくれるような選手になりたい」と来季の巻き返しを誓った。 センターバック兼ボランチの加藤玄は今季J1名古屋グランパスで公式戦10試合に出場。「(途中出場が多く)出場時間を伸ばせなかった。来季こそ自分の価値を証明したい」と決意を見せた。 ゴールキーパーの佐藤瑠星はJ1浦和レッズに加入が内定。昨年の天皇杯筑波大ー町田ゼルビア戦ではPKセーブで勝利をたぐり寄せる活躍をした。「レッズには西川周作さんら優れたGKがいる。全員から学べることを吸収しスタメンを勝ち取りたい」と語った。 センターバックの諏訪間幸成は今季J1横浜Fマリノスで14試合に出場。「プロは小さい頃からの夢。目の前にチャンスがあるなら行くべきだと思った。フィジカルの強さや判断スピードなどを鍛え、勝利に貢献できる選手になりたい」と話す。 サイドハーフの山崎太新はJ2大分トリニータに加入内定。今季は主将を務めチームの精神的支柱になった。現在はインカレ予選リーグを突破し、21日に準々決勝の大阪体育大学戦を控える。「チームの目標である日本一を何としても勝ち取りたい。個人としては得点やアシストなど、目に見える結果でチームを勝たせる活躍をしたい」と述べた。 早期退部が新たな刺激に 近年、大学サッカーを途中で切り上げてプロ入りする例は増加傾向にあるが、一度に3人が出るのは筑波大でも初めて。さらに7月にはエース内野航太郎がチームを離脱し、デンマーク1部のブレンビーに加入した。これも快挙ではあるが、チームとしてはさらに苦しい状況に追いつめられた。「実力ある選手たちに頼れず、チーム運営としてもぎりぎりで、最初は不安しかなかった」と小井土正亮監督は明かす。だが残った選手たちには、4つのイスが空く新しいチャンスに映った。 「ポジションを得た選手たちが予想以上にたくましく成長してくれた。サイクルを1年でも早く回していくのが、みんなにとって良いことだと感じた」と小井土監督。、早期退部についても「次のキャリアに進むチャンスがあるなら応援してあげたいし、選手としての成長を妨げられない。大学の価値を上げることにもつながる」と、ポジティブにとらえる。 ダブル優勝で集大成を 関東リーグで2年ぶり17回目の栄冠に輝いた筑波大が、今季の集大成として次に狙うのは9年ぶり6度目のインカレ優勝だ。「筑波大がインカレと関東リーグの2つのタイトルを同時取得するのは、実現すれば1980年以来45年ぶり。それくらい難しいことに取り組める権利が今年はある。また新しい扉を開けるよう、あと3つを勝ち抜いていきたい」と小井土監督。 「本当に難しい挑戦であることは理解しているが、成功につなげられる自信と強さが今のチームにはある。それを結果で証明し、歴史に名を刻みたい」と山崎主将は気勢を上げる。(池田充雄)

日本ハムに1位指名の大川投手 母校・常総学院に凱旋

今年度のプロ野球ドラフト会議で北海道日本ハムファイターズに1位指名された大川慈英投手(22歳、明治大学4年)が18日、母校の常総学院高校(土浦市中村西根)で開かれた凱旋歓迎会に出席、「こういう形で戻って来られてうれしい。ここまで来れたのはチームメートや指導者などいろんな方々のおかげ。しっかり結果を出して恩返ししたい」と話し、野球部の後輩に対しては「大事なことは甲子園。優勝して島田直也監督を日本一の男にしてほしい」と発破をかけた。 凱旋歓迎会で同学園の大久保政行理事長は「入団契約は大川君の努力と才能が生んだ結果。ご両親や家族、応援してくれた皆さんらに感謝を忘れず、厳しいプロの世界で活躍し、後輩やわれわれに夢と希望を与えてくれる選手になってほしい」と述べた。 続いて中学校高校生徒会が花束を贈呈。高校生徒会長の中島サラ萌奈さん(2年)は、「自分たちの学校からこのような素晴らしい先輩が出たのはすごいこと。これからも大変なことはいっぱいあると思うが、私たちが応援しているので頑張ってほしい」と思いを述べた。 大川選手と生徒会メンバーは一問一答のインタビューやサイン会で交流。その後、後輩の野球部員と記念撮影し、またグラウンドでも交流した。 大川選手は神奈川県出身。2019年に常総学院高に入学し、野球部では20年秋から公式戦に出場。同年秋の関東大会で準優勝し、21年春の甲子園選抜大会に出場。初戦の敦賀気比戦では8回から登板し、延長13回まで6イニングを投げ、被安打4、4奪三振、自責点0で勝利投手となった。 明治大では最速155キロのストレートを武器とする救援投手として活躍。日本ハムの新庄剛志監督らにも、そのストレートのクオリティが評価された。 「球筋は高校生のときから並外れていた。低めで全部勝負できる制球力があり、球速も当時145キロ出ていて、そこから大学でしっかり10キロアップした。でもプロは球速だけじゃない。制球力に磨きをかけ、場面場面を考えた投球でチーム内で信頼を勝ち取ってくれれば」と島田監督の評。 2020年から常総学院高で采配を振るう島田監督は、大川選手について「自分が監督になって初めての教え子。その彼がプロになったのは感慨深い」と感想を述べ、また彼が、奇しくも自身と同じ日本ハムでプロのキャリアをスタートすることに関しては「自分のときよりレベルも上がっているし、いい投手が回りにたくさんいる。ここからは勝ち取っていかないと。彼ならできる」とエールを送った。(池田充雄)