【鈴木宏子】つくば駅に隣接する同市吾妻、中央公園の池に25日、噴水が約10年ぶりによみがえった。高さを変えながら最大12メートル噴き上がり、夜は赤や青、紫にライトアップされる。
池の水質調査に取り組んできた地元の市立吾妻中パソコン科学部の中学生が2018年、地域の夏祭りで、噴水をつくったり、水を入れ替えれば池の水がきれいになるなどと提案したのがきっかけ。中学生たちは当時、地域住民などにアンケート調査を実施し、「昔は噴水が出ていて水がきれいだった」という回答があったことが提案につながったという。
中学生の提案を受け、噴水による中心市街地の活性化と池の水質浄化を目的に、市は噴水の再整備に取り組んだ。
まず中央公園の西側に深さ110メートルの井戸を掘って、毎分200リットルの地下水をくみ上げ、池に引き込んだ。さらに噴水で水を噴き上げることにより、毎分約830リットルの池の水を撹拌(かくはん)する。
池の水にはこれまでも地下水が引き込まれていたが、設備が老朽化していたため、あまり入っておらず、ほとんどが雨水だった。新たな地下水の引き込みにより、池の水は16日間で入れ替わるという。今回の地下水引き込みや噴水の設置により、工事前は12センチだった透明度が、現在は38センチと3倍きれいになった。
工事は今年5月から8月半ばまで実施した。整備費は約3760万円。
吾妻中3年でパソコン科学部部長の中村鴻太さん(15)は「パソコン科学部として誇らしい。まさかこんなスケールの噴水ができるとは思わなかった。これからも水質調査を続けたい」と話した。
市公園・施設課の吉原利夫課長は「中心市街地の新たなシンボルができた。新型コロナもあるので(3密などに)気を付けながら、皆さんに見ていただき、楽しんでいただければ」としている。
◆噴水は午前9時から午後10時まで稼働し、日没から午後10時までライトアップされる。