水曜日, 1月 27, 2021
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《茨城鉄道物語》4 ブルネル賞って なんだっぺ

【コラム・塚本一也】皆さんは「ブルネル賞」という賞をご存じだろうか? 鉄道関連施設のデザインに対する国際的な賞で、鉄道のノーベル賞ともいわれている。受賞対象は、駅舎、鉄道インフラ、関連施設、工業デザイン、車両の5つの部門に分かれており、部門ごとに優秀賞と奨励賞が選定される。

第1回表彰式は1985年に英国で行われ、以後2~3年ごとに不定期で開催されている。JR東日本の代表的な受賞作品としては、第4回(1992年)の成田エクスプレスや第12回(2014年)の東京ステーションシティが挙げられる。

私たちに身近なところにも、ブルネル賞を受賞した作品が3つある。1つは、日本が初参加した第3回(1989年)に奨励賞を受賞した651系「スーパーひたち」である。そのスタイリッシュな外観デザインは「タキシードボディ」とよばれ、毎時130キロの運転で疾走するスーパー特急の先駆けとなった列車である。

2番目が、第6回(1996年)に駅舎部門で奨励賞を受賞した水郡線の磐城塙(いわきはなわ)駅である。同駅は、JR東日本が水郡線の各駅舎に対して取り組んだ、都市機能と鉄道駅舎を一体化した「合築駅」という施策の一環として建築された。設計は東北大学の伊藤邦明先生(故人)で、設計監理はJR水戸支社が行った。

ガラス張り外装のJR日立駅

3番目は、第12回(2014年)に優秀賞を受賞した常磐線日立駅である。同駅は日立市出身で水戸一高OGでもある妹島和代先生が設計した。妹島先生の設計は、細長比ギリギリかと思われるような柱で支えられた、大きなガラス張りの外装が特徴的である。

実は、日立駅のオープニングセレモニーは2011年3月13日を予定していた。その前々日に東日本大震災に被災したわけだが、たいした損傷もなく済んだということである。妹島先生の設計がデザインだけでなく、構造的にも優れていることが実証されたエピソードである。同駅は太平洋を一望できるカフェが有名であり、筆者も一度訪れてみたいと思っている。

このように、地方支社の管轄でブルネル賞作品が3点もあることは、JR東日本内では大変珍しいケースである。651系のスーパーひたちはすでに廃車となっているため、現在では乗車体験することはできないが、磐城塙駅と日立駅は現存している。是非、読者の皆様にも見学に行っていただき、鉄道建築の斬新さと奥深さを味わっていただきたい。(一級建築士)

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