日曜日, 7月 3, 2022
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京都発、世界を巡って茨城着 古民家ゲストハウスの若女将

【相澤冬樹】かつては夏の遊泳場としてにぎわったかすみがうら市の歩崎、今では自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」をやってくるサイクリストが脚を休める。そんな行楽スポットに先月お目見えした古民家改装のゲストハウスが、いきなり8月末まで満杯の宿泊予約という盛況ぶりだ。訪ねると、宿を切り盛りする若女将(おかみ)、森田千亜紀さんが京都弁で迎えてくれた。

森田さんは京都・伏見の出身、2カ月前に東京から土浦市内に居を移し、かすみがうら市の第3セクター、かすみがうら未来づくりカンパニー(今野浩紹代表)に入社した。同市どころか茨城にも縁がなかったが、東京で「ゲストハウスをやれるところがないか」と人づてに探しあてたのが、同社が指定管理者となり開設するゲストハウス「江口屋」だった。

同市坂の歩崎公園近くにある江口屋は、明治後期に建てられた築110年の古民家を改築した宿泊施設。元の造り酒屋の屋号を受け継ぐ形で、7月下旬オープンした。敷地面積約3000平方メートル、建物は約190平方メートル、外観は合板葺(ふ)きだが、内部には茅葺きがまだ残っており、平屋建てらしからぬ屋根の風格がある。東に開けた和障子越しに、霞ケ浦から昇る朝日が望めるロケーションだ。

元は造り酒屋だった「江口屋」、内外装とも装いを新たにした=かすみがうら市坂

和室と洋室の全3室のほか食堂や広間を備える。部屋は通常1室2人で、新型コロナ対策から週末のみ2家族限定の宿泊を受け入れる形で予約をとったところ、早々に8月中の予約が埋まった。いばらき応援割(茨城県宿泊促進事業)を利用した県内からのお客たちだった。

1泊朝食付きの宿泊料金は大人(中学生以上)1人7000円(税別)、毎朝かまど(羽釜)で炊き上げるご飯をはじめ、地場産の野菜などで朝食が提供される。平日は日中、バーベキューや石窯ピザづくりなどが楽しめる体験プログラムを用意している。

世界22カ国の食卓を巡った

森田さんは子供時代の境遇もあって、大家族の生活や大人数で囲む食卓にあこがれた。ボランティアで子供食堂の手伝いなどもしていたといい、2017年には思い立って「世界の食卓を巡る旅」に出た。観光地やレストランの食事ではなく、暮らしのなかにある「食卓」を見てみようという意図だった。

旅はインドから始まり、中東、ヨーロッパからアフリカに入り、マダガスカルやサモアなど22カ国に及んだ。「インドでいきなり食中毒になり、止めたくなったけど、出国して2週間では帰られへん」と踏ん張った。基本お金で謝礼を払うことはなく、食材を持ち込んだり子供の世話などをして交流する付き合い方を身に着けた。モロッコではラマダン(断食)明けの食事に招かれ、「生きているヤギをさばき、皮も骨も無駄にせずいただく経験ができた」そうだ。

1年2カ月の旅の後帰国、今度は自分がホストとなる「ゲストハウス」に携わりたかった。昨年秋にかすみがうら市から話があり、新型コロナの影響であきらめかけた時期もあったが「三密」対策や部屋をローテーションで使いながらの消毒対策などを講じて、今夏のオープンにこぎつけた。

森田さんは滑り出しの手ごたえを、「いらしてくれた方に“おばあちゃんの家に来たみたい”とか、“また帰ってくるね”とセカンドハウスのように使ってもらえているのがうれしい」と語る。毎月第一水曜日に定例の交流会を開いていく計画もあるそうだ。

◆問い合わせは、かすみがうら未来づくりカンパニー(電話029-840-9010)。ゲストハウス「江口屋」の案内はこちら

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