木曜日, 7月 10, 2025
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《食う寝る宇宙》66 宇宙開発現場の言霊信仰

【コラム・玉置晋】宇宙開発は科学技術の塊(かたまり)であることは言うに及びませんよね。その中で、僕は人工衛星の運用に関わる仕事をしているのですが、面白いことに非科学的な伝承がいくつかあるので紹介しましょう。

言霊(ことだま)とは「言葉には霊的な力があり、声に出した言葉が現実の事象に対して何らかの影響を与える。良い言葉を発すると良いことが起こり、不吉な言葉を発すると凶事が起こる」ということです。

これは、人間の社会では、あながち間違っているとは思いません。1人から発せられた信憑(しんぴょう)性の怪しい情報が人々に伝播して、国家的な意思決定に影響して、紛争や戦争につながることもありますよね。だから、言葉は慎重に発せねばなりません。

人工衛星運用の現場における凶事とは、衛星が通常とは異なる状態になることです。現場では、不明事象とか不具合が発生したと表現します。最悪の場合、人工衛星が失われることもあり、現場の先輩方はこれを経験してきました。だから、現場で不具合に関する話をすると、ベテランの先輩方から怒られます。

不具合を語る「軌道上技術評価」

ところが、僕は「宇宙天気防災」を専攻しています。宇宙天気は人工衛星の不具合を発生させる疫病神のようなものですが、宇宙天気が世の中に普及するには、その被害を明らかにする必要があります。僕は、衛星運用の中でも「軌道上技術評価」という仕事に取り組んでいます。

人工衛星の健康状態を評価し、いち早く不具合の兆候を見つけ出すのがミッションです。ゆえに、仕事として不具合を積極的に語る必要があります。不具合の情報というのは、本来であれば科学技術の発展のために、人類の資産として共有されるのが望ましいでしょう。

しかし、現実は、技術情報の開示制限がありますし、事故発生時の責任所在など、大変機微(きび)な話となります。言霊信仰は信仰に収まらず、現実のものなのです。

人工衛星の運用はシフト勤務です。一定の時間で労働者を交代させ、休みなく現場を稼働し続ける体制です。人工衛星の運用は昼夜を問わず継続されますので、こういった勤務体系がとられます。そうなると、運悪く不具合に当たる人がいるわけです。しかし、現場では、同じ人が何度も不具合に当たるという伝説が生まれることがあります。

これに関しては、かつて単位時間当たりの不具合遭遇率を計算した結果、概ね平等であることを確認していますので、衛星運用者の方は安心してください。(宇宙天気防災研究者)

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世界初公開資料も デフリンピックの歴史知るパネル展 筑波技大

聴覚障害者による国際スポーツ大会「東京2025デフリンピック」が11月に開催されるのに先立ち、筑波技術大学(つくば市天久保 石原保志学長)の天久保キャンパスで、デフリンピックの歴史を紹介する特別パネル展「デフリンピックの歴史を知る」が7日から始まった。展示されているのは、大会最初期の記録などに基づき作成された歴史年表などパネルや動画作品約20点。会期は11日まで。 資料作成を担ったのは、企画を担当する同大教員で、デフリンピックの主催団体「国際ろう者スポーツ委員会(ICSD)」副会長の大杉豊教授だ。大杉さんは今回の展示資料作成のために3月に渡米し、聴覚障害者の大学・ギャローデッド大学に保管される非公開資料などを調査した。 「100箱以上ある全てのボックスを開けて中身を確認した。これまで把握できなかった国際ろう者スポーツ委員会設立当時の議事録をはじめ、国際オリンピック委員会が初めて国際ろう者スポーツ委員会を認知した時の通知など貴重な資料が多数あった。今回の展示では、世界初公開となる資料も複数含まれている。聞こえない人が、時間をかけて大会を発展させてきた。デフリンピックを知ってもらう機会にしたい」と企画への思いを語る。 「手話の復権」 デフリンピックの始まりは、1924年8月にフランス・パリで開かれた、ろう者による世界初となる国際スポーツ大会「国際サイレント大会」だ。以降、それぞれ4年に1度ずつ夏期と冬季にそれぞれ大会が開かれた。今回の東京大会は25回目の夏季大会。デフリンピック100周年の記念大会で、日本での開催は夏・冬通じて初めてとなる。 大杉さんが、今回の展示で伝えたい物語の一つに「手話の復権」があるという。第1回大会がパリで開かれた当時、世界的に手話は差別の対象となっていた。1880年にイタリア・ミラノで開かれた第2回国際ろう教育者会議(通称:ミラノ会議)で、ろう学校での手話が禁止され、言葉を声に出して話す「口話」がろう者のコミュニケーション手段として奨励された。日本でも1933年にろう学校での手話使用が禁止された。口語のみを認め、ろう者の言語である手話が否定されたことは、ろう者の尊厳を傷つけることにつながったという。 パリで第1回大会が開かれるひと月前、同じパリで、第8回夏季オリンピックが開かれていた。それを見た、ろうの当事者たちは「聞こえる人も、スポーツを楽しんでいる。聞こえない人たちも、同じように楽しみたい」と考えた。そして、「スポーツのために世界から人が集まるのなら、心置きなく世界中の人々がコミュニケーションを取り合い、精一杯スポーツを楽しもう。そのために手話が話されるのは悪くない」と話し合ったという。大杉さんは「第1回大会はいわば、手話にとっての『ルネサンス(復権)』」の機会となったのだと話す。 今回の展示では、大杉さんが米国で関係者から聞き取った「手話の復権」に関するインタビュー動画も上映する。国際手話で語られた内容に、日本語字幕と、日本語手話と字幕を載せた約20分の映像作品だ。期間中、毎日正午から午後1時までの間、リピート再生する。 一連の調査と資料作成を通じて大杉さんは「時代を超えて(国際スポーツ大会を始めた)当時の人々の気持ちとつながることができたのは感慨深かった」と語る。 11月16日から 11月16日から始まる「東京2025デフリンピック」は、東京体育館(渋谷区)や駒沢オリンピック公園総合運動場(世田谷区)など東京都内にある17会場のほか、静岡県伊豆市の日本サイクルスポーツセンター、福島県楢葉町のJビレッジなど19会場で全21競技が行われる。12日間の大会期間中、70から80の国と地域から約3000人の選手が参加する。 筑波技術大学・大学院からは、現在、産業技術学部に所属するテコンドー選手の星野萌さんら5人が代表に内定している。また、バドミントンの沼倉千紘さん・沼倉昌明さん、サッカーの岩渕亜依さん、柔道の蒲生和麻さんなど多数の卒業生も代表選手に選ばれている。大会のエンブレムをデザインしたのは、卒業生の多田伊吹さんだ。 「是非、障害者が活躍する大会があるということを知ってほしい」と、同大広報担当の折笠紀恵さんも期待を込める。(柴田大輔) ◆特別パネル展「デフリンピックの歴史を知る」は7日(月)~11日(金)、つくば市天久保4-3-15 筑波技術大学天久保キャンパス「大学会館1階OnOffラウンジ」で開催。開館時間は午前9時から午後5時まで。最終日は午後2時まで。展示期間中、毎日正午から午後1時まで、大杉さんが手話による作品解説を行う。入場無料。

つくばの廃校、芸術文化創造拠点に 

旧田水山小で改修工事着工へ 廃校となったつくば市水守、旧田水山(たみやま)小学校を改修し、同市の芸術文化創造拠点にする工事が8月から始まる。だれもがアートに触れることが出来る施設として、来年度後半にオープンする計画だ。 市民が創作室を一定期間借りて趣味の作品をつくったり、備え付けの木工工作機械を使って工作に挑戦したり、音楽やダンス、演劇を練習したりできる。作品の展覧会や舞台の発表をする設備も整える。土日曜には、筑波大芸術系の関係者や市内のプロのアーティストがワークショップを開く計画もある。公募で選んだアーティストが数カ月間、教室で創作活動をするなどアーティストの育成にも取り組む。運営は当面、市直営とし、アートコーディネーターが常駐して企画展なども開催する計画だ。 同小は、秀峰筑波義務教育学校が開校したのに伴って2018年3月に閉校した。敷地面積約1.1ヘクタール、教室棟は鉄筋コンクリート造3階建て。建築面積約1000平方メートル。 教室棟は創作室などに改修する。校庭には遊歩道を整備して屋外ギャラリーをつくる。体育館は2023年3月の同基本計画策定時点では、修繕し地域のスポーツ団体が引き続き使用する予定だったが、劣化が激しいため取り壊し、跡地を駐車場にする。プールは解体し、跡地にプールの形を生かした展望デッキと屋外ギャラリースペースを整備する。駐車場は計70台、駐輪場は17台整備する。災害時の指定避難所になっていることから、引き続き地域住民が避難所として利用できるようにする。 教室棟の1階は、職員室を改修しだれでも利用できる地域利用スペースにする。だれでもふらっと立ち寄って休憩したり、中高生などが勉強したり、アーティストと交流できるスペースにする。家庭科室と理科室をそれぞれ改修した創作室は、個人やグループが創作活動に利用できるようにする。 2階は、教室3室を改修して創作室をつくる。プロを目指すアーティストが滞在しながら創作活動を行ったり、作品展示などする。元コンピューター室は、自在に間仕切りができる展示パネルや可動式スポットライトなどを設置し、さまざまな企画展示を開催などする。 3階は、教室を改修して創作室を3室つくる。木工工作機械などを備えた部屋をつくり、市民が工具を使ってDIYなどにも挑戦できるようにする。音楽室は音楽の練習に使えるよう防音壁などを整備したり、図工室はダンスや演劇の練習ができるスペースにする。図書室は本棚をそのまま利用し芸術を専門とするライブラリーに改修する。 各創作室の使用料金などはこれから検討するという。職員室を改修した1階の地域利用スペースと、図書室を改修した3階のライブラリーはだれでも無料で利用できるようにする。 「人、モノ、情報が出会い、つながりが生まれ、新たな価値観やつくば独自の芸術文化を育む」をコンセプトに、アーティストの育成、市民が文化芸術に触れる機会の創出、地域交流の場の形成などに取り組む方針だ。 改修工事費は約8億8000万円。改修工事期間は8月から来年7月まで。2023年3月の試算では概算工事費は約4億4000万円だったが2倍になる。1995年の教室棟建築から30年経ち、改修や修繕だけでなく施設の長寿命化工事を実施する必要が生じたためと市は説明する。 同基本計画によると、年間約2万8000人の利用者を想定している。完成後の施設の維持管理費は概算で年間約4700万円の見通し。 改修を前に同小でこのほど市民説明会が開かれ約30人が参加した。集まった市民からは「多額の費用をかけるのだから計画通りに進めてほしい」「野外の芸術にも力をいれてほしい」「災害時の避難場所としての機能はどうなるのか」「周辺の道路が狭いので対策をしてほしい」「工事の騒音が心配」「地元の(伝統芸能の)田中ばやしも芸術なのだから練習場所として使わせてほしい」など意見が出た。 市民部芸術文化推進課の矢口治重課長は「市民みんなが気軽に集えるような場所になるように努力していきたい」と話す。(榎田智司)

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