木曜日, 2月 19, 2026
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《ライズ学園日記》6 With/Afterコロナの国語授業

【コラム・小野村哲】小学校国語の模擬授業に参加した。都会の人混みが苦手な私には、自宅に居ながらにして参加できるオンライン会議システムを使った研修機会は天の恵みだ。

授業者は教師歴5年目の若い教師、題材は宮沢賢治の「注文の多い料理店」だった。まずは本文を読んで疑問に思った点を、PCに直接タイプしていく。「なぜ、クリームをぬらせたのか?」「どうして風が、‘どう’と吹き始めたのか?」など、他の参加者と疑問点を共有したら、今度は、その中のいくつかを選んで自分なりの回答を書き込んでいく。

もしもこれを一人ひとりに発表させ、板書していたら、大変な時間を要しただろう。挙手となると、発表する子も限られてしまいがちだ。しかし一人に1台のPCを用意すると、これまで手を挙げなかった子まで含め、より多様な考えがより積極的に打ち込まれるようになり、その後の話し合いも活性化したという。

ただ漫然と、塾や家庭で予習をしてきた子が模範的な発表をするのを聞かされて過ごすのでも、教師の範読のあとに棒読みするのでもない。With / Afterコロナの時代にあっては、与えられた情報をうのみにするのではなく、批判的に読み取る力が求められる。時代に取り残されつつある老教師にとっては、コンビ漫才のように宮沢賢治の作品に突っ込みを入れようという発想そのものが興味深かった。

次代に託す

コミュニケーションツールとしての「人の言語」は、あいまいで不完全なものだ。距離や方角を正確に伝えるという点ではミツバチのダンスにも及ばない。木々の間を風が吹き抜ける様子を正確に伝えるすべもない。英語の授業では‘critical’を「批判的」と訳すが、英語話者が思う‘critical’に比べて、多くの日本語話者が「批判的」という語から受ける印象はよりネガティブだ。

文字に変換された言葉はなおのこと、教科書に整然と並んだそれはいわばフリーズドライされたものだと思っていい。「馬鹿」という文字は「ばか」としか読めないが、解凍の仕方によっては「愛している」という意味にもなり得る。しかしこれまでの国語の授業では、これを受動的、無批判に読ませることに終始しがちだった。授業の後で行われるテストには、あらかじめ「そのときの主人公の気持ちは、…である」と正解が用意されていた。

もちろん基礎基本をおろそかにしてはいけない。しかし、時に不可解でさえある常識を押し付けるような授業では、言葉は生気を失う。当然、‘critical’で‘assertive’なコミュニケーション能力など養われようもない。

コロナ禍を文部科学省は「非常事態」だといい、授業のオンライン化を推し進めろと言う。「学びを止めるな!」というのももっともだ。しかし私は「学びが止まる」ことよりも、今の学びが「そのまま続く」ことを恐れる。ICT化はいいが、学びのあり方を見直すべき今、授業はおざなりに継続され、一人に1台のPCをもたせることが、目的とされてしまうことを恐れる。

時代は移り変わっている。幕末の先人たちがそうしたように、次の世代にバトンを渡し、その新たな取り組みを支援したいと思う。(つくば市教育委員)

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【ファクトチェック】外国人「優遇」制度とヨーロッパの治安めぐる発言は本当か 衆院選’26

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つくば駅前の樓外樓学園本店《ご飯は世界を救う》71

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12本中半数に空洞 ソメイヨシノ6本を伐採 つくば 桜の名所 農林さくら通り

森林総合研究所第2樹木園 つくば市の桜の名所、同市観音台、農林さくら通りで16、17日の2日間、森林総合研究所第2樹木園の敷地内に植栽されているソメイヨシノ12本のうち6本の伐採作業が実施されている。12本の幹の内部などを調べたところ、空洞があり、倒伏の恐れがあることが分かったためだ。 伐採後は土壌改良し、早くて来春、八重咲きのサクラ「はるか」と野生種の新種「クマノザクラ」を植栽する予定だ。はるかは同研究所が開発し、俳優の綾瀬はるかさんが命名した。クマノザクラは同研究所などが紀伊半島で発見し2018年に命名された。 50年前に植栽 農林さくら通りは、農林関係の国立系研究機関が集積する約1.5キロの通り。通り沿いに約500本の桜が植栽され、各研究所が管理している。戦時中、谷田部海軍航空隊の飛行場跡だったところで、戦後、開拓地となり、その後、筑波研究学園都市の一角として農林研究団地が造成された。桜は約50年前の1975年ごろに植栽されたと見られている。同研究所第2樹木園は、筑波学園病院から常磐車道に架かる橋を渡ってすぐの、さくら通り入り口に位置する。 同研究所の佐藤保企画部長によると、さくら通り沿いの第2樹木園にはもともと13本のソメイヨシノが植えられていた。桜が散った後の昨年4月、そのうちの1本が2車線のうち片側1車線をふさぐように道路側に倒伏した。朝、出勤した職員が発見、倒伏した時刻は深夜か早朝だったとみられ、幸いけが人はなかった。 同研究所は、残りの12本に倒伏の恐れがないか調査。森林微生物が専門の研究者が目視と特別な機器で樹木の健全性を調査した結果、12本中6本に空洞があることが分かり伐採を決めた。近年、全国各地で落枝や倒木による人身事故が多発しているほか、ソメイヨシノは樹齢50年ほどを過ぎると枯れ枝が目立つようになるという。一方、昨年4月に倒伏した1本は、幹の空洞が原因ではなく根の一部が腐っていた。当日吹いた強風により根が地上部を支えられなくなったと考えられるという。 伐採する6本はいずれも幹の直径が70センチ程度、高さは10~12メートル程度で、歩道を覆うように桜の枝が伸び、桜の名所の一角を形成していた。 来春以降、植栽する桜は現在、同研究所の多摩森林科学園で育てられている。佐藤部長によると、花を咲かせるのは植栽してから3~4年後、桜並木を形成する大きさに成長するのは10~20年先になるという。(鈴木宏子)

思いやりのデザイン《デザインを考える》29

【コラム・三橋俊雄】昨年の春のことです。UR住宅で一人暮らしをされている97歳のMさんが、ビルの出入口前にある2段の階段でつまずき、仰向けに倒れて頭を少し打ってしまいました。ちょうど近くの遊び場にいた女の子たちがその様子に気づき、そのうちの1人がスマートフォンで救急車を呼んでくれたそうです。ところが、Mさんが「救急車を呼んじゃったの!」と言ったためか、その子は姿を消してしまったとのことでした。幸い、Mさんは病院で手当てを受け、その日のうちに無事に帰宅することができました。 翌日、この話をMさんから伺った私は、救急車を呼んでくれた子どもたちの気持ちがどうだったのか、心にひっかかりました。善意から行動してくれた子どもたちが、Mさんの一言によって「迷惑だったのかもしれない」と感じ取ってしまったのではないかと思うと、そのときの出来事が子どもたちの心に残ってしまいそうで気がかりだったのです。 そこで私はMさんと相談し、「救急車を呼んでくれてありがとう。私が階段で倒れていたところを、みなさんが心配して救急車を呼んでくれました。おかげさまで、病院で頭の傷の手当てを受け、その日のうちに退院できました。みなさんのおかげです。ありがとう! 97歳のおばあちゃんより」と書いた手紙を作り、遊び場にある滑り台の脇に貼りました。 次の朝に見に行くと、その手紙の下に「無事退院できてよかったです。お体に気をつけてください! by 中1の7人より」という小さな書き込みが添えられていました(上の写真)。それを目にしたとき、私は、子どもたちの善意とMさんの気持ちが、ようやくひとつにつながったように感じました。それは、小さな「思いやり」が確かに行き交った瞬間でした。 「お礼」でなく「手立て」 この出来事を振り返ると、親切心から行動した子どもたちでしたが、Mさんの一言によって、かえって不安を抱くことになったと感じたとき、私たちはどうしたらよいのか。ここでは、こどもたちが誰なのかも分からない状況のなかで、子どもたちとMさんの気持ちがもう一度寄り添えるようにと、手紙というかたちで「ありがとう」を伝えることにしたのです。 子どもたちへの手紙は単なる「お礼」ではなく、状況をより良い方向へ導くための小さな「手立て」だったと思います。途切れかけた人と人との関係を、もう一度そっとつなぎ合わせるための「きっかけ」でありました。 こうした行動こそ、小さな問題に気づき、状況を読み取り、より良い関係へとつなぎ直していく、そして素敵なコミュニティにしていくための「思いやりのデザイン」だったと感じています。(ソーシャルデザイナー)