【鈴木宏子】1期4年ごとに約2000万円が支給されるつくば市長の退職金について、五十嵐立青市長は5日の定例記者会見で、公約に基づいて22円にすると発表した。
退職金は任期満了の今年11月16日を基準日に支給される。五十嵐市長は初当選した2016年11月の選挙戦で「市長特権の退職金廃止」を公約の一つに掲げていた。
一方、退職金を廃止することについては、県内44市町村で組織する県市町村総合事務組合が事務処理を行っており、制度上、受け取りを辞退しゼロにすることが困難だという。
市長退職金の算定方法は、任期満了日の給与月額に22を掛けた額になる。現在の月額約92万7000円だと約2000万円になるが、任期満了日の給料を1円にして22円にする。
手続きとしてはさらに市長給与特例条例の改正が必要になるが、条例改正案を議会に提案する時期は現時点で未定。
五十嵐市長は「2000万円というのは市民感覚から離れているので公約に掲げた。新型コロナで市民は大変な状態にあり、痛みを分かち合いながら約束を守っていく」と話した。
退職金の原資として、市は同事務組合に負担金を支出しているが、返還されないという。
議会から指摘も
市長退職金をめぐっては今年3月議会一般質問で議員から「(就任から)3年が経過しても(廃止するか否かの)結論が出ない。実現できないとなれば公約実現ができないことにつながるのでしっかりと進めていただきたい」などの指摘が出ていた。
これに対し五十嵐市長は、退職金を廃止するためには県内全市町村長の同意が必要となるなどの課題があるとして「廃止に向けた検討を進めている」などと答弁していた。