【鈴木宏子】国の緊急事態宣言解除と県の休業要請緩和を受けて筑波山観光が18日再開した。一方、筑波山中腹の土産品店や飲食店約40店のうち、18日に再開した店は半数ほどにとどまり、観光ホテルや旅館は休業が続いている。
4月22日から閉鎖されていた中腹の市営駐車場4カ所(計470台)が18日、ほぼ1カ月ぶりに一斉に再開し、筑波山観光案内所も開館した。筑波山ケーブルカーとロープウェーも運行を再開し、筑波山つつじケ丘駐車場も利用ができるようになった。
一方、18日は雨模様の天候も重なり、筑波山神社周辺を歩く人の姿も、駐車場を利用する車もまばらだった。

ケーブルカーやロープウェーは、密集を避けるため乗車定員を6割減らし、車内の手すりなどを頻繁に消毒したり、走行中も窓を開けたままにして運行を再開した。運行する筑波観光鉄道によると、18日の利用客は例年の5月の平日と比べても少ないという。
登山道も再開された。つくば市の50代女性は「(緊急事態宣言の)前は、月2回くらい、筑波山や宝篋山、土浦の小町山に登っていたので、山登りは1カ月ぶり。今日はすれ違う登山客は少なかった。これから東京の緊急事態宣言が解除されて登山道が密になるのが心配」などと話していた。
筑波山神社前で、土産品店と飲食店を夫婦で経営する石浜豊子さんは「商売上はお客さんに来てほしいが、ゴールデンウイーク中、首都圏ナンバーの車を見掛けたので、来たら来たで心配もある」と複雑な心境を話した。
一方、首都圏からの利用が多いホテルや旅館は5月いっぱい休業を続ける。つくばグランドホテルを経営する東郷治久代表は6月以降について「6月、7月は(現時点で)予約がほとんどなく、あっても数件程度で、見通しが立たない状況」だという。ホテル青木屋は「東京の緊急事態宣言が解除されないとお客さんがこちらに来ることはない。先が見えない状況」だと語る。
