火曜日, 9月 8, 2026
ホームつくば赤ちゃんの股関節脱臼心配 ツイッターで無料相談 つくば市の医師

赤ちゃんの股関節脱臼心配 ツイッターで無料相談 つくば市の医師

【伊藤悦子】新型コロナウイルスの感染拡大から、乳幼児健診や育児相談事業が中止や延期になっている。1歳未満の赤ちゃんは乳児一般健康診査受診票を使用し、医療機関で健康診査を受けられるが、今の時期、乳幼児を連れて病院へは行きづらい。特に赤ちゃんの股関節脱臼が見逃されやすい懸念があるため、つくば市在住の医師が10日から、自身のツイッターアカウントで無料相談を開始した。

「乳児股関節パトロール」と名付けた活動を強化しているのは小児整形外科医、中川将吾さん。4月、5月に健診を受ける冬生まれの赤ちゃんは、原因は分かっていないが股関節脱臼になりやすい傾向にあるためだ。中川さんによると、股関節脱臼は乳児健診で見つかるのがだいたい8割程度で、15%は1歳ごろになって、歩きだしてから初めて分かることがほとんどだそうだ。生後半年を過ぎてわかった場合、治療は手術になることが多いという。

「股関節脱臼は1カ月発見が遅れただけで治療法が変わってしまう可能性がある。小児整形外科医としてできることはないか」と考え、Twitterを利用しオンライン上で無料相談に乗ることにしたという。オンラインなのでつくば市や土浦市だけでなく、全国どこに住んでいても相談を受け付ける。

ハッシュタグ「#股関節心配」で

最近は、乳児の股関節脱臼を診ることができる医師も減っているという。特に生後1カ月程度だと、股関節が外れても簡単に戻ったりするため、一般の整形外科や小児科に行っても見つからないこともあるそうだ。

チェックポイントは、足の開き方の左右差、足にできるしわの数の左右差、逆子、女の子、冬生まれ、股関節脱臼の家族歴がある赤ちゃん。いくつかあてはまるなど不安がある場合は、相談してほしいと話す。 相談方法は、赤ちゃんの足のしわの状態や動きを撮影し、ツイッターで「#股関節心配」というハッシュタグをつけて動画をアップするか、DM(ダイレクトメール)を中川さんのアカウントに直接送る。

◆動画撮影のポイントは次の通り。

  • ズボンやロンパースは脱いでオムツにする→脚のシワを見やすくする
  • 動画の撮影はおへそまで→動いている部分が見やすくなる
  • 正面からの撮影→傾いていると判定が難しい
  • 靴下ははかない→脚の向きがわかりやすくなる

(中川将吾さんのツイッターより)

両市の乳幼児健診再開は未定

乳児・母子健診の延期・中止について、土浦市・つくば市の担当者に話を聞いた。

土浦市では、4、5月の4カ月児の健康診査のほか、赤ちゃん身体計測、10カ月児育児相談、つちまる育児相談は当面の間中止だ。また1歳6カ月児健康診査、3歳児健康診査は延期。おやこの歯科検診は当面の間中止で振替の予定はない。市健康増進課母子保健係によると、中止の連絡は個別に案内を送付、「心配なことや不安なことがあれば個別に電話で問い合わせを」と記載した文書を同封したという。

1歳未満の赤ちゃんは「乳児一般健康診査受診票」を使用して医療機関で健診を受診することになっているが、体重の増え方などに不安がある場合など、保健師が面接して相談に乗っている。また1歳の子どもの保護者や妊娠後期の母親には、電話をして様子を聞いているという。健診の再開時期は未定だが、「再開が決まったら市のホームページに掲載するほか、個別に連絡する」そうだ。

つくば市では、生後3カ月から7カ月未満、9カ月から12カ月の赤ちゃんは「乳児一般健康診査受診表」を使用して県内の医療機関で健康診査を無料で受診することになっている。

同市母子健診担当によると、今の時期に個別で病院に健診に行くのが不安な保護者には、平日午前8時半から午後5時15分まで電話相談を受け付けて対応しているという。

また毎月予約制で行っている「すこやか健康相談」も現在は見合わせているが。予約なしで体重を測りに来た場合は、保護者が自分で測定することができる。さらに「母乳が足りているか」「体重の増え方が心配」など不安がある場合、随時対応で、短時間だが相談に乗っているという。赤ちゃん訪問も見合わせているが、ケースによっては同意を得て訪問も行っている。

4、5月の1歳半・3歳健診は延期となった。ともに法律で定められている健診なので、時期を過ぎても1歳半健診は2歳の誕生日前日まで、3歳健診は4歳の誕生日前日まで受けられるようになっている。今回は延期がいつまで続くのか分からないため、誕生日を過ぎても受けられるように体制を整えている。「6月に実施するかどうか、方針はまだ出ていない」として、「もし実施する場合は人数を減らしたり、車で待機してもらったりなど工夫する。しっかり対応しながら行うので、心配しないでほしい」ということだ。

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho





spot_img

最近のコメント

最新記事

「禍根を残す」「立つ鳥跡を濁す」《ハチドリ暮らし》65

【コラム・山口京子】どうやって始末をつけるのか? どう片づけを考えるのか? 個人であれ、社会であれ、「禍根を残さず」とか「立つ鳥跡を濁さず」という言葉は死語になってしまったのでしょうか? 科学技術が軍事利用、商業利用されるにつけ、「禍根を残す」「跡を濁す」ケースが増えているように思えます。 今、近代西洋科学には、自然を人間の都合で改変してしかるべし―という姿勢があるような気がしてなりません。科学を利用する人間の欲望のなせる業なのでしょうか。科学技術の成果が商品化され、社会がどんどん複雑化しているのに対し、人間の思考は単純化していると感じます。次第にお手上げ状態で生きるのではないか―そんな不安がよぎります。 人間のすることは自然にかなわないと分かった東日本大震災。福島原発事故のその後について、なぜ詳しい報道がされないのでしょうか? 緊急事態宣言が解除されたとは聞きません。福島の第一・第二原発の廃炉処理はどうなっているのか? 廃炉のロードマップ、時間・費用・技術など、素人には分かりません。それでも、廃炉の費用は税金から支出されるのでしょう。 経済破綻を戦争でウヤムヤに? パキスタンやアフガニスタンで医療活動に従事した中村哲さんの本に、こんな言葉がありました。「(国連難民帰還の)机上のプランは事情を知らぬものには説得力があったが、我々にはまるで粗悪なカリカチュアとしてしか映らなかった」と。それは彼の地を見続けた医師の声ですが、廃炉にも当てはまるのではないでしょうか。 事態がどうなっていくのか…。あれだけの大きな被害があり、今も将来も続いていくのに、責任はだれも取っていないような…。日本列島は地震の活動期に入ったと言われます。その上に、いくつの原子力発電所が建っているのか…。いつ大きな地震が来てもおかしくない今、それらを稼働させることは悪夢でしかないのでは? 各国ともども軍事費が膨張していくとなれば、未来はどうなるのでしょう? 国家は経済破綻を戦争でウヤムヤにするかもという声を聞きます。将来世代に重い負担が課せられていくでしょう。大きな負担と危険が隣り合わせの暮らしを押しつけることは、許されないはずなのに…。(消費生活アドバイザー)

「分からないことだらけ、不安たくさん」住民団体が設立総会【つくばに国内最大級のデータセンター】

周辺住民ら約200人集う つくば市大穂で建設が始まった国内最大級のデータセンター計画に対し、市や事業者に公開説明会の開催を求めている住民団体「データセンターから市民を守る会」(柳町弘幸会長)が6日、計画地近くの同市筑穂、大穂交流センターで設立総会を開いた。 会場には周辺住民など約200人が集まった。参加者からは「分からないことだらけで、不安がたくさんある」「なぜつくばにこんな大きな施設をつくらないといけないのか。1棟や3棟はやむを得ないかもしれないが、住宅地周辺なので(事業者が計画している)100万キロワットには反対していただきたい」などの意見が相次いだ。 守る会は今年4月から活動を始め、周辺住宅を回って住民アンケート調査と署名活動に取り組み、事業者のグッドマンジャパンに説明会開催を要望してきた(6月8日付)。2日開会した市議会9月定例会議に向けては、つくば市による市民向け公開説明会の開催を求める請願を出したばかり(8月31日付)。 4月から活動を続ける中、周辺住民などから入会申し込みなどが相次いでいたなどから、6日、改めて設立総会を開き、規約などを定め、役員を紹介した。 設立趣意書や規約によると、市が所有していた45ヘクタールを売却し用途地域を変更して進められている国内最大級のデータセンター開発は、市全体に関わるまちづくりの重要な課題だが、市民や周辺住民などから「排熱による気温上昇、騒音、水利用などについて、十分な説明が行われていない、正確な情報が分からないという声が数多く寄せられている」などとし、将来にわたり安心して暮らせる地域づくりを進めるため、今後の活動として①市民への情報提供と情報共有➁行政と事業者への要望・提案③公開説明会の開催要望④環境と生活環境の調査・研究などを行うとしている。 歌川学さんが講演 設立総会では、つくば市内の研究機関に勤務し温暖化対策を研究する歌川学さんが「データセンターの地域への影響」と題して講演した(5月19日付、5月20日付)。歌川さんは、事業者の計画通り100万キロワット(1000メガワット)のデータセンターが完成した場合、現在つくば市全体で排出されている2倍の二酸化炭素が大穂のデータセンター1カ所から排出され、市全体の2倍の排熱が発生するなどの試算結果を改めて示した。その上で「夏の猛暑日などは周辺住民、特に健康弱者の健康影響が懸念され、農業などにも影響が懸念される」と改めて述べ、「地域に影響が出ないか、悪い気象条件も想定して、地域の気温上昇分布を予測試算し、地域の健康弱者、農業などに影響がないかを確認することが必要だ」と述べた。 データセンター業界が今年5月に策定した地域との共生をうたう「地域共生ガイドライン」に対しては「数値目標が一つもない」と批判。自治体や住民が事業者と協定を締結している事例を紹介したり、自治体が地区計画を見直した例などを紹介した。(鈴木宏子)

バイシクル・ダイアリーズ ⑸《ことばのおはなし》96

【コラム・山口絹記】前回の記事では、深く考えずに「ツール・ド・つくば2026」にエントリーしてしまったところまで書いた。 エントリーしてしまったものは仕方ない。自転車屋に向かい、店長さんに「ペダルをビンディングにしたいんです」と伝えた。ビンディングペダルとは、ペダルと靴をカチッとくっつけて、より力強く走るためのペダルのことだ。 「乗り始めて半月も経ってないですけど、そんなに急いでどこに行くんですか?」 もう少し慣れてからでもよいと言われたものの、こちらには時間がない。ツール・ド・つくばにエントリーした旨を伝えると、店長さんは拍手をしながら取り付けを了承してくれた。ビンディングペダルにシューズ、お尻にクッションの入ったピチピチのパンツ(ビブショーツという)も購入。準備は整った。あとはエンジン、つまり自分の体力だけが問題だ。 この日から、毎晩、家の周りを何十周と走る自転車妖怪となった。 約1週間走り続け、5月半ば、ついに実地練習。店長さんから「家からスタート地点までをウォーミングアップにするといいですよ」とアドバイスをもらい、自転車で筑波山へ向かう。 本番は絶対1時間を切ってやる スタート地点からしばらく景色のよいストレートが続くが、カーブを曲がると突然クライムが始まる。なんというか、思っていたのと違う。具体的に言うと、八幡崎の坂より勾配がきつい。あ、帰りたいかも。 不動峠までのコーナーには、あと何回カーブが残っているかを教えてくれる立て看がある。コイツがメンタルをゴリゴリ削ってくる。ヨタヨタ走る私の横を、ランニングのおじいさんが追い越してゆく。不動峠でその名の通り動けなくなり座り込む。これは割とホントにまずい。 気を取り直して再び登るも、辛い、苦しい、以外何も考えられない。スカイラインに入ると爽快な下り坂が始まるが、下るということは、その分また登らねばならないということだ。勘弁してほしい。 なんとかゴールして、タイムは01:07:04。登りきりはしたが、途中で座り込んでしまった。コレって大会的にはOKなんだろうか。わからない。不安だ。 ということで、また毎晩の走り込みが始まった。特に練習したのがギアチェンジだ。重すぎるギアで踏めば当然脚を使うし、下りから登りに変わるところで軽いギアにしておかないと、とんでもなく失速する。毎晩、家の周りのカーブを曲がるたびにギアを変えた。 そして本番1週間前、再び本番コースへ。 前回脚をついた不動峠を気合で突破。ギアチェンジの練習も少しは効いたようで、そのまま一度も脚をつかずゴールできた。 タイムは01:00:34。あと34秒。 本番は絶対1時間を切ってやる、と意気込んで下山した。(言語研究者)

市議会の行政視察報告書を読む《水戸っぽの眼》16

【コラム・沼田誠】先月、福岡県議会の海外視察をめぐる報道が話題になった。現議員の任期が始まった2023年4月から2026年3月までの3年間で計23件実施され、総額約2億6496万円、1人当たり平均約135万円に上る費用であることが報道されている。 地方議会の行政視察とは、どのような根拠に基づくものなのか。委員会として行う視察は、地方自治法第100条第13項「議会は、議案の審査又は当該普通地方公共団体の事務に関する調査のためその他議会において必要があると認めるときは、会議規則の定めるところにより、議員を派遣することができる」という条文に基づく。 つまり、毎年必ず実施するものではなく、必要に応じて予算を通して実施するという、一般的なルールの上に成り立っているに過ぎない。このことを踏まえれば、費用や頻度以上に、調査研究する必要性が明確であるかどうか、つまり「目的が明確か」「何を持ち帰るかが意識されていたか」ということが、もっと問われるべきだと思う。 つくば市 9件中2件は合格 この視点で、つくば市議会と水戸市議会の視察がどうなっているのか調べてみた。つくば市議会は、委員会ごとの視察報告書が公式サイトで公開されていたので、2025年度の委員会視察報告書9件を読み比べてみた。 広報広聴委では、視察前から「2026年度に主権者教育の取組を実施できないか検討しており、その具体化に向けた参考とするため」という論点を持って臨み、視察先の3段階の難易度設定などを、評価軸ごと持ち帰っていた。また、総務文教委では、視察を受けて「決算審査分科会の集中審議事業に選定した」と、視察成果を議会の活動につなげることを報告書に明記している。9件中この2件は、目的と市民への還元が明確に表現されている。 しかし、他委員会の所感は、視察内容の説明のあと、「大変参考になりました」などの言葉で締めくくられ、市の具体的な行政課題との接続が明確ではないものもあった。とりわけ、議会運営委として改革の先進市を視察しながら、「引き続き積極的に議会改革を進める所存」という一般論で結ばれていたのは、腰が引けている印象を受けた。 水戸市 個別の報告書公開なし 水戸市議会はどうか。残念なことに、水戸市議会公式サイトでは、つくば市議会のように個別報告書の公開は見当たらなかった。これでは、行政視察が充実した内容だったとしても、広く一般に知らしめることはできない。まずは、その質を市民が問える状態をつくることに取り組むべきだろう。 筆者自身、水戸市職員時代に、地方議会の行政視察対応を行ったことがある。その際は、視察側の目的を踏まえて準備し、質疑も真摯(しんし)なものだった。しかし、議会によっては、先に行先が決まり、後付けでテーマが設定されるところもある、という噂(うわさ)も聞いたことがある。 行政視察は「旅行」ではない。何のために行き、何を持ち帰ったか―その費用を負担している市民がしっかり確かめる必要があるだろう。(元水戸市みとの魅力発信課長)