日曜日, 12月 4, 2022
ホーム コラム 《県南の食生活》12 ミーコ(水路)の恵み

《県南の食生活》12 ミーコ(水路)の恵み

【コラム・古家晴美】新緑が鮮やかな季節となってまいりましたが、新型コロナウィルスの影響で、おうちにこもって仕事や勉強をされている方もいらっしゃると思います。例年、ゴールデンウィーク前後になると、田植えをされている光景が見受けられますが、今回は田んぼや周辺の水路から頂戴(ちょうだい)してきた恵みについてです。

昭和30年ごろまでは、子供たちは夜になるとかがり火を持ち、まだ苗が植えられていない田んぼへやって来て、棒の先に針をつけた道具でドジョウを捕まえるドジョウブチをしていました。この時期はフナやコイの産卵期(ノッコミ)で、大人たちは産卵のために霞ケ浦から水路に上って来たノボリブナの魚群を玉網(たまあみ)で獲りますが、子供たちは川をせき止めて水を汲み出して魚を獲るカワボシ(カッポシ)を行っていました。

また、平成の初めごろまでは、5月に入ると、霞ケ浦の手前の堀に3~4メートルのシド(袋網)を張ったり、突きヤスを持って毎晩のように魚獲りに出かけたと言います。網にかかったドジョウが多過ぎて、酸欠で死んでしまうこともあったほど獲れたそうです。谷田部からわざわざやって来て、カーバイトランプを頭に照らしてドジョウを獲る人もいて、堤防はとにかくにぎやかでした。

いつもは島津(現阿見町)から自転車で売りに来る魚を買っていた方も、この時期には獲れ過ぎたドジョウを自宅で身を開かないままみそ汁に入れて食べ、残りを舟子(現美浦村)の魚屋さんに売りに行きました。

ドジョウ、コイ、フナ、ライギョ、ナマズ

湖岸に面していない農村部でも、田植え後に稲の丈が伸びてきたころ、大雨が降り水路から霞ケ浦へ大量の水が注ぎ込むようなときや、逆に霞ケ浦が増水して川の水がさかのぼってくるようなときには、途中に網やわなを仕掛けておくと、ドジョウのほかに、コイやフナ、ライギョ、ナマズなど様々な魚がたくさん獲れました。

フナはこってりとした味で、特にマブナの方はヒラブナ(ヘラブナ)よりも美味しかったとのこと。コイやフナはウロコと内臓を自分で取って、煮たり焼き浸しに、ライギョは切ってから火であぶり、皮をスルッとむいてから煮ると、背骨以外に小骨がなく、とても美味しかったと言います。

釣り好きの人にとって、この時期の夜の漁は、食糧確保と言う面ばかりでなく、獲ること自体が大きな楽しみだったそうです。疲れていても夜な夜な出掛けてしまうので、シーズン明けの6~7月になると、不摂生がたたり体調を崩すこともあったとか。

外に出て人に会いたいとウズウズしている方も多いと思いますが、このコロナウィルス騒動が1日でも早く終息しますように。(筑波学院大学教授)

誹謗中傷するコメントはNEWSつくば編集局が削除します。

0 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー

注目の記事

最近のコメント

最新記事

ウクライナの動物支援 愛護団体呼びかけ つくばでチャリティーライブ

戦禍のウクライナの動物を支援する「クリスマス・チャリティー・ジャズライブ」が18日、つくば市春日の積水ハウスつくば支店で開かれる。演奏は、松戸市在住のジャズピアニスト、竜野みち子さんとベース、ドラムのトリオで、クリスマスソングや誰もが知っているジャズの名曲などが披露される。 竜野さんは主に東京、横浜を中心に演奏活動をしているが、カリブ海のハイチやカナダのモントリオールジャズフェスティバルへの参加など、国外での演奏も経験している実力派だ。 ライブを主催するのは、つくば市を拠点に保護猫の譲渡活動やTNR(捕獲し、不妊・去勢手術を行い、元に戻す)活動を行っている動物愛護団体「Team.(チーム)ホーリーキャット」(2019年7月17日付)。 ロシアによる2月の軍事侵攻以降、ウクライナでは国民はもちろん、多くの動物が窮地に立たされている。国外脱出を余儀なくされた住民たちはペットをなんとか一緒に連れ出そうとしたが、多くの動物が残されているという。 代表の重松聖子さん(74)は東日本大震災が起きた2011年の10月、福島第一原発に近い警戒区域で置き去りにされた猫の救出作業を行った。ウクライナの惨状に、避難指示が出されて住む人のいない家で猫たちのむくろを見たことが思い出された。またウクライナの首都にあるキーウ動物園の餌がないという報道にも心を痛めた。 竜野さんは震災以降、被災地で動物たちの命をつなぐ活動を続けているグループを音楽活動を通して支援している。4年前、自宅近くの神社に住み着いた野良猫たちが地域猫として暮らせるよう、ホーリーキャットにTNR活動を依頼したことで、重松さんたちメンバーと親交を深めた。この出会いがつくばでのチャリティーライブ開催に結びついた。

頑張ろうとすると嫌なことが起こる 《続・気軽にSOS》122

【コラム・浅井和幸】あることがきっかけで、部屋に引きこもるようになった。このままではだめだと思い、がんばって外に出るようにした。あるとき、コンビニで買い物をしていたら、店員に嫌な目つきでにらまれた。もう外には出たくない。 頑張って仕事を始めたら、嫌な客にクレームをつけられた。一念発起してサイクリングを始めたら、自転車がパンクした。バイトを始めたら、体調を崩した。がんばって本を読もうとしたら、道路工事が始まった。 これらは実際に相談に来られた方が話してくれた事柄です。そして共通に言います。「自分は何かを頑張って始めようとすると、必ず邪魔なことが起こる。頑張ると嫌なことが起こるのはどうしてなのか。もうこんな人生嫌だ」 何か行動を起こしても起こさなくても、起こる嫌なこともあります。例えば、道路工事の開始はそれに当たるかもしれません。しかし、ほとんどのことは「頑張るから起こる嫌なこと」なのです。 この場合、「頑張る」とは、行動範囲を広げること、何かに挑戦することです。行動範囲が広がれば、その分、うれしいことも嫌なことも起こる可能性が高くなります。そもそも、頑張れば嫌なことがなくなると思うのが現実的ではないのです。 似たようなことで、能力が上がれば上がるほど、分からないことが増えていくという現象も起こります。能力が低いときは、自分が分からないことが分かっていません。しかし能力が上がり、世界が広がると、知識が増えるのと同時に、自分が知らないこと、分からないことが、より多く実感できるようになります。

初の無投票当選で3現職 県議選土浦市区

任期満了に伴う県議選は2日告示され、土浦市区(定数3)は午後5時までに現職3人以外に立候補の届け出がなく、3人の当選が無投票で確定した。同市区の無投票当選は初めて。 当選が確定したのは▽公明現職で党県本部幹事長の八島功男(66)▽自民現職で歯科医師の高橋直子(38)▽自民現職で県議会議長の伊沢勝徳(52)の3氏。 このうち県議会議長として6期目に挑んだ伊沢氏の陣営では、届け出締め切りの夕方5時に出陣式を繰り下げ、当選確定を待って祝勝会に切り替えて行った。会場の同市内のホテルには国光文乃衆院議員、安藤真理子土浦市長ら来賓と支援者が駆けつけ、「伊沢氏の実績が新しい候補者を寄せ付けなかった」などと口々に称えた。 伊沢氏は「4年間、党の政調会長から副議長、予算委員長、そして議長と役職に恵まれたが、新型コロナ感染症対策をはじめとする県政の課題に速やかな対応を迫られた。(無投票当選の)今回は極めて重い議席をいただいと思う。この信任を受け止め、さらに県勢、市勢の発展に尽くしたい」とあいさつした。 無投票で当選が決まった土浦市区の県議(定数3)

日本財団つくば研究所跡地に来年1月開所 県が臨時の医療施設

新型コロナ第8波に備え 新型コロナの第8波に備えた対策の一つとして県が11月に設置を発表していた臨時の医療施設について、大井川和彦知事は1日の定例記者会見で、つくば市南原に臨時の医療施設を設置すると発表した。日本財団つくば研究所跡地で、同財団から無償で土地の貸与を受ける。 入院規模は200床程度、酸素投与や点滴が必要な人、医療対応と介護が必要な人などが対象になる。併せて1日当たり約300人の新型コロナとインフルエンザの同時検査ができる発熱外来を併設する。年末年始の感染拡大を見据え、来年1月上旬の開所を目指す。トレーラーハウスを連結させた平屋建ての施設で、車いす利用者も対応できるようバリアフリーになる。 医療施設には医師、看護師、介護士を配置する。医師や看護師は主に県外から募集している最中という。現在のコロナ入院患者は大半が高齢者。例えば、のどの痛みで食事がとれないため、酸素投与や点滴が必要だったり、介護が必要な中等症の高齢者などを想定しているという。 第8波は、第7波の2倍以上の新規感染者が出ると予想され、インフルエンザとの同時流行により1日最大1万9000人の感染者が想定されている。県内では第7波の際、病床がひっ迫したことから、臨時の医療施設を新たに設置して備える。 同つくば研究所跡地は、2020年4月、日本財団が9000床の軽症者向け病床を整備すると発表し、地元の五十嵐立青市長が受け入れに難色を示した経緯がある。今回、県が設置する約200床の臨時の医療施設について県感染症対策課は、すでにつくば市や地元関係者には伝えてあるとしている。