【山崎実】首都圏とつくばを直結するつくばエクスプレス(TX)の将来延伸構想・計画をめぐる議論が活発化している。実現には莫大な費用と時間を要するが、県議会の議論から一端をのぞいてみる。
東京2020オリンピック・パラリンピックの開催を背景に、東京・臨海開発に熱い視線が注がれているが、TXの将来計画で提起されたのが臨海地下鉄線との相互乗り入れだ。2016年4月の国の交通政策審議会答申で、これまでの秋葉原から東京までの延伸に加えて、都心部・臨海地域地下鉄構想との一体的整備が初めて盛り込まれた。
この臨海地域地下鉄構想は、将来、交通需要の増加が見込まれる晴海、豊洲、有明などの地域と都心部を結ぶ約5キロの整備構想。臨海副都心とのアクセスの利便性が図られ、TXの東京延伸と一体整備の検討に期待がかかる。
しかし東京都は、その重要性は理解しつつも「他に優先して整備すべき路線があり、現時点では臨海地下鉄整備の方針を固めた事実はなく、構想の段階」だという。今後、関係者間で調整を重ねていく必要があると慎重な姿勢だ。
県は、臨海地下鉄線との相互乗り入れはTXの東京延伸につながるだけでなく、ひいては関西圏など全国各地とのアクセスが飛躍的に増大すると見込んでいる。「東京都からの情報収集に努め、都の今後の検討状況や沿線自治体の意向などを踏まえながら、協議を進めていく」(政策企画部)としている。
TXの延伸構想については県内でも茨城空港への延伸実現への働き掛けがあり、今後、各方面でさらに活発な議論が展開されそうだ。
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