月曜日, 10月 27, 2025
ホームつくば【直売所めぐり】7 新米の季節、至高の卵かけご飯に出会う JA水郷つくば「さんふれつくば店」

【直売所めぐり】7 新米の季節、至高の卵かけご飯に出会う JA水郷つくば「さんふれつくば店」

【田中めぐみ】新米の季節。つやつやに炊き上げたご飯を何のおかずで食べようか? 秋のうれしい悩みだ。最高のお米とおかずを探しに、今回はつくば市研究学園、イーアスつくばの敷地内にある直売所「さんふれつくば店」を訪れた。

朝7時、産みたてだという卵を運んできたのは岡田養鶏場の岡田恒雄さん。小松菜、大豆、米ぬかなどの材料を発酵させたこだわりの自家配合飼料で育てた鶏の卵だという。「臭みがないので生で食べるのが一番。卵かけご飯がお勧め」と話す。新米が発酵卵と出会う至高の卵かけご飯。まちがいない、朝ご飯はこれで決まりだ。

卵の後ろ側には新米が並ぶ。スタッフの遠藤拓海さんによると、夏の台風や日照不足の影響で例年よりやや少ない出来で、値段も1キロあたり10円ほど高くなっているとのこと。先月から「新米はまだ? いつ?」と心待ちにするお客さんが訪れ始め、先月半ばに新米が並ぶと売れ行きは好調。下旬からは筑波山麓で作られたブランド米として名高い北条米も並び、人気を集めていると話す。1キロから購入可能で好みに合わせて精米してくれるのもうれしい。卵かけごご飯用に奮発して北条米の特栽品を購入し、精米してもらった。

上段は卵の生産者岡田さん㊧と小玉すいかを品出しする生産者大関さん㊨、下段は梨を品出しする生産者井形さん㊨、卵かけご飯にぴったりなしょう油も種類豊富㊧

遠藤さんの話では、外国人のお客さんが多いのが特色というつくば店。外国人に人気のナスやカボチャは見慣れない種類が6~7種類ほど、また、10種類以上のハーブや香味野菜が並ぶ専用売り場もある。ハーブは外国人だけではなく日本人にも人気で、週3回品出しするが、売り切れることも多いそうだ。

小玉スイカを運んできたのは大関水耕さん。主にレンコンを作っているという。「ハウスがあるので、秋に食べたい人もいるかなと思ってすいかを作ってみた。遊び心でね」と笑う。まだ値札のラベルは貼られていない。

「いくらですか」と聞くと、「悩んでいるんだよね、どうしようか。300円から500円くらいかなあ」。遠藤さんに「スイカはいくらだと思う」と相談している。生産者さんが自分で値段を決めているのが直売所のおもしろさだ。

秋は果実も見逃せない

「今は果物も美味しいですよ。特にナシ」とお勧めを紹介してくれたのはスタッフの高野たいさん。「ナシの甘太という品種は他で売っていないからと、わざわざ探して買いに来るお客さんもいます」と試食用に甘太を切ってくれた。同店では今年から出しているという甘太は、その名のとおり甘みが強い。果汁が多くやわらかめの果肉。ちょうど梨を品出ししていた井形克美さんによると今年の出来は上々とのこと。秋の果物も見逃せない。

新米を測ってくれるスタッフの遠藤拓海さん 売場の高野たいさん㊧と井上松子さん㊨

スタッフの井上松子さんは「イーアスの敷地内にあるので若いお客さんが多い。カボチャの煮方やナスの食べ方を教えると喜んでくれ、次に来た時、あの作り方おいしかったよと言ってくれるのがうれしい」と話す。

「漬物の加工者さんからお客さんに手紙をもらったという話を聞いた。その後、偶然話したお客さんから『漬物がおいしくて生産者さんに手紙を書いた』と聞いてびっくり。手紙をもらいうれしく思う生産者さん、味に感動したお客さんがいて、それをつないでいるのが直売所だなと思った」と相好を崩した。

【サンフレッシュつくば店】

住所:つくば市研究学園C50街区1(イーアスつくばアウトモール内)

電話:029-828-8313

営業時間:午前9時~午後7時

定休日:なし(年末年始は休み)

さんふれつくば店の店内=つくば市研究学園

➡直売所めぐりの過去記事はこちら

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

わんわんランドで愛犬と学園祭 つくば国際ペット専門学校

つくば国際ペット専門学校(つくば市沼田)が25日、隣接する犬のテーマパーク「つくばわんわんランド」を1日貸し切りにして、学園祭「第16回犬友祭(けんゆうさい)」を開催した。犬の訓練士や美容師、動物看護師などを目指す学生たちがさまざまな企画を用意し、日頃の勉強の成果を披露した。 混雑するのを避けるため今年も卒業生や家族などを含めた関係者だけでの開催となった。午後からはあいにくの雨になったが、2000人ほどが参加し、駐車場は満杯となった。 ドッグトリマーコース2年生は、来園者が連れてきた愛犬と一緒に写真撮影をしたり、愛犬に似合うリボンの色を選んでオリジナルアクセサリーを作るなどした。愛玩動物看護師コース2年生は、犬や猫の生態などに関する謎解きゲームを実施した。制限時間内にクリアすると脱出出来るという試みだ。ペットケア総合コース2年生は、犬猫や学校をテーマにクロスワードパズルとビンゴを組み合わせたゲーム「クロスワードビンゴリー」を実施。犬3頭の合計体重を当てるゲームなども催された。 フィナレーレを飾ったのは、ドッグトレーナーコース2年生によるドッグ・パフォーマンスショー。同校では、学生が1人1頭の子犬を飼育し、学校での授業を始め、放課後や学生寮、自宅で一緒に生活するパートナードッグ制度を実施している。学園祭では、それぞれのパートナードッグと1年半向き合った成果を、大勢の家族や関係者の前で披露した。学生が「待て」「お預け」「進め」などの指示を出すと、パートナードッグはそれぞれ、指示を出した学生の周りを回ったり、ダンスや曲芸を見せたり、投げたディスクを空中でキャッチしたり、ステージ上に設けたトンネルなどの障害物を駆け抜けたりしていた。 栃木県壬生町から来た玉田豊さん(76)は「孫がドッグトレーナーコースの2年生で、今日のショーに出演するので見に来た。あいにくの雨だけど頑張ってほしい」などと話していた。(榎田智司)

入替戦 第1戦は敗れる つくばFCレディース なでしこ2部復帰目指し

2025プレナスなでしこリーグ2部入替戦の第1戦が25日、つくば市山木のセキショウ・チャレンジスタジアムで行われ、つくばFCレディースは、なでしこリーグ2部11位の南葛SCウイングス(WINGS、東京都葛飾区)に5ー0で敗れた。つくばは昨シーズン、なでしこリーグ2部から降格し今シーズンでの復帰を目指す。入替戦はホームアンドアウェーで2試合が行われ、2試合の合計得点で勝負が決まる。第2戦は11月2日にアウェーのAGFフィールド(東京都調布市)で行われる。つくばは次のアウェーで6点以上の差を付けて勝てば逆転で2部昇格が決まるが、5点差なら同点となり、勝っても4点差ならば、南葛のなでしこ2部残留が決まり、厳しい戦いとなる。 つくばFCレディース 0 ー 5 南葛SC WINGS   0 前半 1        0 後半 4 【得点】前半=5分 南葛・菅野永遠、後半=33分 南葛・石倉花純、42分 南葛・佐藤幸恵、43分 南葛・石倉花純、90+2分 南葛・佐藤幸恵 つくばFCレディースは前半5分、南葛の菅野永遠から右コーナーキックを直接決められ、失点する。つくばも4分後、石黒璃乙が中央からドリブルで突破してシュートを放つが得点ならず。石黒は高校卒業後の今季から新加入しチーム最多得点を挙げている。 31分には、ケガで出場できない高橋萌々香に代わってキャプテンを務めた鏡玲菜が、中央から左足でミドルシュートを放ちゴールを捉えるが、相手キーパーに弾かれた。39分には再び鏡がフリーキックを直接狙ったが、わずかにゴールをとらえることができず、得点を奪うことは出来なかった。鏡は「相手のサイドが上がってきているところにロングボールを入れた。あの位置からのシュートは得意なので常にゴールを狙っていていたが悔しい」と残念がった。 前半は0ー1とリードされて折り返した。志賀みう監督は「やるべきことは徹底してやったが1失点はもったい失点だった」と前半を振り返った。後半は「もう一度やるべきことを徹底出来るよう確認し、相手が狙ってくる部分や自分たちの狙いを確認して選手に指示をした」。 後半は開始直後、南葛の細かなパス回しでゴールに迫られるが、つくばはデフリンピック日本代表のGK伊東美和を中心にDF陣が必死で守る。すると徐々に流れをつかみ、後半14分に石黒がシュートを放つ。GKが弾いたところを穂谷颯季がシュートを放つが、惜しくもゴール右に外れる。31分にも中央からパスを受けた石黒がドリブルで持ち込みシュートを放つが、またしても相手GK米満布貴に弾かれた。 一方南葛は、後半34分に途中出場の石倉花純がゴールを決め2点目を挙げると、後半42分には同じく途中出場の南葛、佐藤幸恵が決定的となる3点目を奪う。ホームで意地を見せたいつくばも、両サイドの攻撃から果敢にゴールを狙うが、その後は運動量が落ちて足が止まってきたところを押し込まれて、さらに2点を追加され5ー0で敗れた。 鏡は「自分たちのサッカーは(戦術として)体力を使うので、体力面だったり改善するところはたくさんある。あと1週間で準備していきたい。次の試合はアウェーで厳しい戦いになるが、相手の嫌がることをたくさんやって、5点、6点取って勝ちたい」とリベンジへの意欲を語った。石黒は「自分たちへの流れはあったが、そこで自分が決められなかったのが悔しい。リーグ戦の後半からは入替戦に向けて調整してきたので、力を発揮出来るようにしてきたが、もっとやれたなって思いが強い。得点力、シュートの回数も上げるべきで、最後まで動き続けるのが大事だと思った。あと1週間で足りない部分を補えるようにしっかり準備していき、絶対に昇格出来るように勝ちにいく」と話した。  今季キャプテンを務めた高橋萌々香は、試合後サポーターに向けて「まだ後半戦があるので、切り替えて、次は勝てるようにまだまだ諦めずに戦う」と誓った。志賀みう監督は「正直悔しい。選手は、伝えたこと、これまで積み上げてきたものをしっかり発揮してくれた」と選手を称え「自分(監督)自身が足りないから結果を出せなかった。本当に悔しい」と涙を浮かべながらも「まだ終わっていない。次は5ー0以上で勝ちに行く。皆さんも諦めずに一緒に戦って下さい」とサポーターに後押しを頼んだ。 今季、関東女子サッカーリーグ1部のつくばは、9月に福島県のJヴィレッジで行われたなでしこリーグ2部の入替戦予選を3勝1敗の2位で終え、入替戦の権利を得ていた。入替戦は、一つの上のカテゴリーであるなでしこリーグ2部の下位2チームと、予選会1位と2位のチームが戦う。予選会2位のつくばは、なでしこリーグ2部12チーム中11位の南葛と対戦し、予選会1位のレノファ山口FCレディースは、なでしこ2部最下位のFC今治レディースとホームアンドアウェーで2試合行う。合計得点で勝ったチームが来シーズンのなでしこリーグ2部に昇格または残留する。25日行われたレノファ山口FCレディースとFC今治レディースの第1戦は0-0の引き分けだった。(高橋浩一)

「外国人差別に反対」国道沿いで抗議行動 常総市議ら呼び掛け

「デマを信じて差別に加担しないで」ー。 外国人への差別や偏見に反対する抗議行動が25日、常総市で行われた。市内外から集まった参加者が、国道沿いでメッセージボードを掲げて「差別をなくそう」と訴えた。同市議の入江赳史さん(36)が呼び掛けた。入江さんは「夏の参院選で候補者が『外国人が増えて治安が悪くなる』と事実に基づかない主張をした。非常に許しがたい発言だし危機感を覚えた」と動機を語る。 12%が外国籍住民 午後4時前、常総市内を走る国道294号線沿いに10人余りが集まり、それぞれが手にするボードには「人間にファーストもセカンドもない」「あらゆる差別に反対」などの言葉が並んだ。 入江さんは6月から街頭で差別反対を訴えてきた。今回、初めて他の人にも行動を呼び掛けた。SNSで発信したところ市内外から反応があり、参加者の都合を踏まえて前日の24日にも市内で活動を行った。 常総市は県内で最も人口に対する外国人住民の比率が高い。昨年12月末現在、約6万人の人口のうち、約12.2%にあたる7153人が外国籍の住民だ。人数は、つくば市(外国籍1万4275人、人口比5.5%)に次いで県内2位で、ブラジル、フィリピン、ベトナムをはじめ、スリランカ、インドネシア、中国など50カ国余りの出身者が暮らしている。 「国際結婚をする方もいる。友人や職場などで日常的に外国人と関わる市民が多い地域だからこそ、事実に基づかないデマが広がるのは危険だ。差別を受けやすい外国人が事故を起こしたなどだけでも注目されてしまう。市民としてこのまちで声を上げる必要があると思った」と入江さんは話す。 差別はどこでも起きうる この日の行動には、東京から駆けつけた金正則さん(71)の姿もあった。在日コリアンの金さんは「選挙に出て世の中を変えたい」と68歳で日本国籍を取得し、6月の都議選に出馬した経験を持つ。選挙期間中、出自を元にした誹謗中傷を受けた。 「差別に反対する人は多いが、声に出して表現する人は少ない。『どっちもどっち』という中立の姿勢は差別への加担と同じこと。市民が『差別はダメ』だと明確に伝え、地域を超えて連帯することが大切だ」と訴えた。 常総市議の堀越道夫さん(74)は「市内ではごみの出し方など、日常の中で感じる外国人住民への不満などは確かにある。今の時代はそうした印象が過度にあおられてしまっている。市民として、なんとかしなければいけない」と語った。 入江さんは「選挙のたびにデマが拡散され、差別の被害を受ける人がいる。これは常総市だけでなく、どこでも起きうる全国的な問題。ネット上のデマを信じて差別に加担するのを止めてほしい」と訴え、「街頭活動をしていると『日本人を差別するのか』と言われることがある。しかし人権に国籍は関係ない。これからも外国籍の方々とこのまちでも共に暮らしていけるよう、差別に抗い続けたい」と語った。(柴田大輔)

福島第1原発の廃炉作業を視察《文京町便り》45

【コラム・原田博夫】10月初め、茨城新聞 政経懇話会の主催により、福島第1原発の廃炉作業を視察する機会を得ました。 2011年3月の東日本大震災の後、宮城県石巻や岩手県釜石などの地震・津波被災地には何度か足を運ぶ機会がありました。同地に所在していた石巻専修大学は、地震・津波の被害をほとんど受けていなかったこともあり、被災直後から復旧・復興に向けての基地としての役割を果たしていたため、そのネットワークに頼った部分もありました。 加えて、当時、私が代表を務めていた研究プロジェクト「持続的発展に向けての社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)の多様な構築」(2009年度~13年度)が文科省の私立大学戦略的研究基盤形成支援事業に選定されていて、この復旧・復興プロセスがその研究テーマそのものであるとの認識もありました。 石巻や釜石などの被災地には、東北新幹線の仙台発着が復旧した2011年5月の連休明けに訪れ、その後5年ほどは半年ごとに現地訪問を重ねました。しかし、福島第1原発の現場および被災地には訪問する機会がありませんでした。私自身、体力面での自信もなくボランティアなどでお手伝いできる見込みが薄く、現地訪問でかえって足手まといやご面倒をお掛けするのではないかと危惧したためです。 そうしたところ、冒頭のように茨城新聞からの提案・打診があり、この機会に現地をぜひ訪ねたいと考えた次第です。そもそもこの視察会に参加する際は、本人確認の身分証明書(運転免許証等)の提出を事前に求められるなど、当然ながら気持ちを引き締められました。 誰にも見通せない最終的な廃炉 ともあれ、集合地・水戸をバスで出た後、富岡町の東京電力廃炉資料館に到着し、そこで全体状況の説明を担当者から伺い、構内バスに乗り換えて、協力企業棟(被災後建設された、ほとんど窓のない長方形の建物群)の一棟に入り、そこで、線量計(施設内での累積線量を計測)や立入許可証を貸与されました。これは、われわれのような単発の視察者だけではなく、現地で日常的・継続的に作業している関係者(現在は毎日4000人程度)も同様な手続きを踏んでいました。 現地では、海抜35メートルの崖上から、廃炉作業を進めている(海抜10メートルに設置された)1~4号機での進捗(しんちょく)状況を確認しました。1号機の大部分はカバー壁で覆われているため、内部を視認することはできませんが、望見できるわずかな部分や撤去されていない箇所や周辺の部材からも、被災の深刻さ・復旧作業の大変さに身をつまされる思いでした。 現在の廃炉作業では、循環注水冷却に連動する汚染水処理に相当注力していますが、最終的には燃料デブリの取り出し・保管管理が目標のハズです。しかし、この燃料デブリに関しては、試験的取り出しが2回ほど行われただけです。しかもそのサイズは、小指の爪ほどの大きさにすぎません。この作業を進めるためにも、隣接の(過酷事故に至らなかったけれども稼働していない)5~6号機をあえて解体せず、試行・事前調査用に活用しているようです。 粛々と進んでいる廃炉作業ですが、最終的な廃炉がいつどのような形で達成できるのか、実は誰にも見通せないのではないか、とため息が出ました。帰路に立ち寄った、双葉町の東日本大震災・原子力伝承館の見事なレイアウトの施設とのコントラストにも呆然としました。(専修大学名誉教授)