27日に新しく開館する土浦市立図書館などの複合施設、アルカス土浦のオープニングイベントでフランスの画家モネの作品が展示されることにちなみ、フレンチとカレーをドッキングさせた新たな「フレンチカリー」が誕生した。
カレーによる土浦のまちづくりに取り組む堀越雄二さん(67)が発案し、フランス料理店、ル・タブリエ(つくば市花室)店主の丸田敏明さん(61)が作り上げた。18、19日に土浦市の川口運動公園陸上競技場で開かれる土浦カレーフェスティバルでお披露目される。フレンチとカレーを融合させた料理は珍しい。堀越さんは「カレーの新ジャンルとして全国に広めたい」と期待を込める。
きっかけは同市の五頭英明副市長から、モネの出身地フランスをテーマに食でまちを盛り上げられないかと相談されたこと。堀越さんは、食のまちづくり検討委員会委員長として2004年から土浦でカレーによるまちづくりに取り組み、地元産のレンコンなどを使ったご当地カレー、ツェッペリンカレーをプロデュースしてきた。フレンチとカレーの融合を思い立った堀越さんは、丸田さんに開発を持ちかけた。
丸田さんの頭に浮かんだのが、東京のフランス料理店で働いていたとき賄い食で食べたクスクスだった。クスクスは小麦粉からつくる粒状のパスタに羊肉もしくは鶏肉と野菜などを煮込んだスープをかけて食べる料理。発祥は北アフリカだが移民によってフランスに伝わり、現在はフランスで広く一般に食べられている。「カレーと同じようなスパイスを使っており、アレンジしやすいと思った」と丸田さん。
クスクス風に柔らかい子羊の肉に、地元産のレンコン、野菜などを6種類のスパイスでじっくり煮込み、小麦粉や市販のカレールーは一切使わず、スパイスの豊かな風味を生かしたスープカレー風に仕上げた。唐辛子をベースにしたアリッサという調味料を別に添え、辛さを自分好みに調整する「味変」も楽しめるようにした。
「フレンチカレーをうたっている店は、全国でも東京と北海道に2店のみ」と堀越さん。「土浦発の『フレンチカリー』ブランドを立ち上げ、ツェッペリンカレーと並ぶカレーの新たなジャンルとして全国に広めたい」と意気込んでいる。(大志万容子)
◆フレンチカリーは土浦カレーフェスティバルの「アルカス土浦」PRブースで、1日100食限定(1食400円)で提供される。