木曜日, 12月 25, 2025
ホームスポーツB1へ走り抜く決意 茨城ロボッツの新陣容

B1へ走り抜く決意 茨城ロボッツの新陣容

【池田充雄】男子プロバスケットボールの茨城ロボッツは10日、水戸市緑町のアダストリアみとアリーナサブアリーナで新加入選手発表会を開催。外国籍選手4人を含む6選手が新ユニフォーム姿で登場し、それぞれに抱負を述べた。今季のチームスローガンは「RUN as ONE」。B2優勝とB1昇格という目標に向かい、全員が一丸となって走り抜くという意味を込めた。開幕戦は9月21日、アダストリアみとアリーナで福岡ライジングゼファーと対戦する。

ロボッツの今季契約選手は14人。昨季から6人が入れ替わり、特に外国籍選手は4人全員が新戦力となった。首脳陣は、終盤に失速した昨季への反省から「走力を含むフィジカルの重視」「ディフェンスとトランジションの改善」をテーマに掲げ、補強を進めてきた。

新戦力6人 HCにガーべロット氏招く 

ヘッドコーチ(HC)には、イギリス代表監督のほか4カ国の7つのプロクラブで指導してきたアンソニー・ガーベロット氏を招いた。ガーベロットHCはロボッツに、最後まで戦い抜くための「構造的にきちんとした定義を持つディフェンス」と「勝利につながるカルチャー」を構築することを明言。個人の活躍以上に、選手全員がチームとして勝つことにこだわり、努力することを大事にしたチーム作りを進めている。今回獲得した各選手も、いずれもそういった観点から選ばれた。

「高いレベルの選手がそろった。能力だけで選んだのではなく、いずれも素晴らしい人間性があり、なおかつチャンピオンシップを経験し、勝つことを知っている。B1に昇格してそこで活躍するために、必要なものを全て持っている選手たちであり、われわれのカルチャーを醸成する上で大きく貢献してくれると思う」と、ガーベロットHCは期待を込める。

左から鎌田、小林、二ノ宮、ウィル、チェフ、ニックの各選手。中央は上原和人GMとガーベロットHC

新加入各選手のプロフィルと会見でのコメントは以下の通り。

小林大祐 愛称ダイス。31歳。昨季までライジングゼファー福岡に所属、同チームをB3からB1昇格へ導いたSG。会見では栃木ブレックス時代からのファンも大勢詰めかけ、サイン会に長蛇の列ができた。3×3の日本代表でもあり、東京五輪出場が期待される。「10点にも匹敵するような、勝負どころでの重要なゴールを決めたい。チームの勝利が第一なので個人成績にこだわりはないが、あえて挙げるなら優勝のための1という数字に常にこだわりたい」

二ノ宮康平 愛称ニノ。30歳。スピードを活かした切り込みや正確なシュート、冷静な判断からのアシストなど、攻守のバランスに優れたPG。アルバルク東京、琉球ゴールデンキングス、滋賀レイクスターズでB1のタイトル争いに貢献。「ロボッツは将来ビッグクラブになれるポテンシャルの高いチーム。そこに自分の経験を伝えていくことが役割だと思う。リーダーシップを発揮してチームを引っ張れる存在になり、笑顔で終われるシーズンにしたい」

鎌田 真 愛称コト。18歳。今季は特別指定選手として加入。ジャンプ力を生かしたプレーを持ち味とし、シュート能力も高いSG。2018年ハワイ州高校選手権で優勝し、MVPなど個人賞の数々を獲得。同年の若手日本代表候補にも選出された。ハワイ生まれハワイ育ちで趣味はサーフィン。母国語は英語だが家庭内では日本語で話していたので、初めての日本の生活にも不安はない。「レベルアップのため大学よりプロを選んだ。多くのことを学びたい」

ニコラス・カナー・メドリー 愛称ニック。35歳。米国出身。欧州を中心に各国のプロリーグで第一線での活躍を続け、2018-19シーズンにはスペイン1部のリーガACBでリバウンド王に輝いたPF。「ロボッツの魅力は勝利への熱意。トニー(ガーベロットHC)は私のプレースタイルを理解してくれており、そこにも心を動かされた。リバウンダーやアシストリーダー、そして何より勝つためには守備が大切なので、素晴らしいディフェンスになりたい」

ウィル・クリークモア 愛称ウィル。30歳。米国出身。日本では西宮ストークス、アースフレンズ東京Z、山形ワイヴァンズでプレーし今季4年目。日本の試合の流れを熟知しており、バスケットボールIQの高さや、アウトサイドを含むシュート力を強みとするPF/C。「B1に上がる機会をもらえたことに感謝している。前のチームでは得点やリバウンドだったが、ここではまた違う役割が求められると思う。自分ができることの全てで優勝に貢献したい」

ダニエル・オチェフ 愛称チェフ。25歳。米国出身、ナイジェリア代表。2m11cm・111kgの恵まれた体格を持つ万能型のフォワード。フィジカルの強さを武器としながらスピードもあり、PF/Cとしてポストプレーはもちろんミドルレンジからの得点も得意。2016年ビラノバ大で全米大学選手権に優勝、NBA下部のGリーグなどで活躍してきた。「B2優勝とB1昇格に貢献するため、与えられたことは全部やり、全てのタスクをコンスタントにできるよう頑張る」

会見は一般公開され、大勢のブースターが選手と交流した

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

「たくさんの応援で結果出せた」筑波技術大 星野選手ら デフリンピック

石原学長に活躍を報告 聴覚障害者の国際スポーツ大会「東京2025デフリンピック」に出場した筑波技術大学(つくば市天久保)の学生アスリート4人が24日、同大の石原保志学長に活躍を報告した。テコンドーで銅メダルを獲った阿見町出身の4年 星野萌選手(21)は「たくさんの皆さんの応援をいただいたお陰で舞台に立つことができ、結果を残すことが出来た」と話し、大会を機に「茨城県内でスポーツの面白さを伝えていきたい」などと話した。 4人は星野選手のほか▽男子バレーボールで6位に入賞した4年 大坪周平選手(22)▽男子ハンドボールで7位に入賞した4年 林遼哉選手(21)▽陸上1500メートルと800メートルに出場した2年 中村大地選手(19)。日本代表の鮮やかなオレンジ色のジャージを着用し、星野選手は銅メダルを手にとって石原学長に見せるなどした。 バレーボールの大坪選手は「自分にとって初めての大きな大会で、結果は6位だったが、たくさんのお客さんに来ていただき本当に感謝している。最高のチームだった」と振り返った。 ハンドボールの林選手は「8カ国中7位だったが、初出場で1勝することができた。海外のレベルを知ることができ、とてもいい経験になった。2年後のハンドボール世界選手権、4年後のギリシャ・デフリンピックに向けてハンドボールを続けたい」と話した。 陸上の中村選手は「結果的に負けてしまい悔しさがあるが、この気持ちをこれからの大きな大会につなげていきたい」と語った。 石原学長は「皆さんは一生に一度あるかないかのチャンスをものにした。改めてお祝いします」と選手をねぎらい「この経験は自分の人生の経験になり、これから仕事の面でも、生活の面でも、家族をもつことになっても、つながってくると思う。頑張ってくれて大変うれしい」と語り掛けた。 同大にとっての大会の意義について石原学長は「大学からはアスリートだけでなくたくさんの学生がボランティアとして参加した。学生たちはグローバルな体験をする中で、障害を一つの個性として自覚し、共生社会の実現に向け活躍してくれると思う」などと話した。 同大からは学生6人と卒業生11人の計17人が選手として大会に出場した。星野選手のほか、夫婦で出場した大学院生の沼倉昌明、千紘選手がバドミントン混合団体で金メダルを獲った。卒業生では、女子バスケットボールの橋本樹里選手が金メダル、女子サッカーの岩渕亜依選手と男子サッカーの杉本大地選手がいずれも銀メダル、男子柔道73キロ級の蒲生和麻選手が銅メダルに輝いた。 ほかに、学生(現在は卒業生)の多田伊吹さんが大会エンブレムをデザインしたほか、開閉会式には3年の伊東咲良さんと2年の瀧澤優さんの2人がパフォーマーとして出演。同大の学生約100人がボランティアスタッフとして大会運営を担った。(鈴木宏子)

つくば駅前に大型ディスプレイ登場 イルミネーションと共ににぎわいを

オフィスビル「T.S BUIL」 つくば駅前のオフィスビル「T.S BUIL」(同市吾妻)のペデストリアンデッキに面した2階部分の壁面に21日、縦2.5メートル×横4.4メートル、200インチの大型ディスプレイがお目見えし、クリスマス関連の映像が放映されている。 22日夜からは同ビル恒例のクリスマスイルミネーションも加わり、道行く人たちの目を楽しませている。駅前をもっとにぎやかにしたいと、同ビルを所有する不動産業の都市開発(塚田純夫社長)が新たに大型ディスプレイを設置した。 ディスプレイの設置工事は14日から始まり、1週間の工事期間を経て21日から放映が始まった。毎日正午から夜9時まで映像が流れる。クリスマスの現在は、クリスマスにちなんだクイズやイルミネーション点灯のお知らせなどが流れ、26日以降は年越しに関する映像に変わる。 今後は市の情報や警察関連情報、防災情報なども放映していく予定だ。「屋外広告物」という扱いのため、大きな音を出し大勢の人が集まるコンサートやパブリックビューイングを行うためには今後、市と相談しながらになるという。 イルミネーションは来年1月12日まで点灯する。3年前に始まり、昨年同様、同ビルのペデストリアンデッキに面する2階エントランスのガラス張り壁面全体がLEDで装飾され、ショーケースの中にはサンタクロースや雪だるま、トナカイ、クリスマスツリーなどが飾り付けられている。 ディスプレイに見入っていた市内に住む60代女性は「大型のディスプレイにびっくりした。世の中に季節感がなくなってきた時代なので、こんな感じでクリスマスなど季節を知らせてくれるのはありがたい。ディスプレイの前のペデストリアンデッキは広くなっているのでコンサートでもやってくれたら」と話す。近くの職場に通う50代の男性会社員は「ずっと殺風景だったので、とても良いと思う。どんどんにぎやかにすることをやってほしい」と話していた。 都市開発の霞学部長は「つくば駅前にあるつくばセンター広場のにぎわいづくりに協力出来たらということでやっている。防災も重要なので、行政の防災の取り組みに協力し、防災に関することも放映していきたい」と語る。また「今年、1階にスタジオを移転したラヂオつくばの中継も可能なので、ディスプレイで何が放映できるか考えていきたい」と述べる。 現在放映している映像の制作は20代の同社若手社員が担当した。管理部の藤沢花恋さんは「グラフィックデザインのソフトを使って動画を作ったが、初めてだったので大変だった。デザインなどは不慣れだが担当させてもらい、いい経験になった。今後の展開も考えたい」と話した。設置業者とのやりとりや申請業務など担当した営業部の高橋開人さんは「人が集まる場所が出来ればとてもうれしい」と述べた。(榎田智司)

サンタクロース《短いおはなし》46

【ノベル・伊東葎花】 今日、学校で男子とケンカした。だって、サンタクロースはいないって言うんだもん。私は絶対いると思ってる。プレゼントだって、毎年くれるもん。家に帰ってママに聞いた。 「ママ、サンタクロースはいるよね」 「そんなことより、今夜は冷えるから温かくして寝るのよ」 …そんなことって言われちゃった。 今、世界中が燃料不足で大変なのは知ってる。イブなのに、イルミネーションも暖房も自粛なの。お店は早く閉まっちゃうし、地球全体がどんより暗い。テレビも毎日「新しい燃料が見つからないと人類滅亡」とか言ってる。でもね、私はそんなことよりサンタクロース。今日は寝ないで、サンタクロースの写真を撮るの。私をバカにした男子を見返してやるんだから。 私は、ベッドにもぐりながら、その時を待った。すると、午前0時を過ぎた頃、窓の外が一瞬明るくなった。街中が真っ暗だから、すぐにわかった。サンタクロースが来たのかも。 耳を澄ますと、ピコピコと電子音のような音が聞こえた。サンタクロースは鈴の音と共に来ると思っていたけど、今どきは違うんだ写真を撮ろうと窓を開けると、緑色の少し小さめの人が飛び込んできた。あれ、サンタクロースは赤い服を着たおじいさんだと思っていたけど違う。緑色だ。 「いやあ助かった。船が故障しちゃってさ。地球って寒いね」 サンタクロースが言った。サンタクロースは、そりに乗って来ると思っていたけど、船で来るんだ。 「あ、仲間が助けに来てくれた」 サンタクロースが指さす先に、角が生えた黄色い生き物がいた。これがトナカイ? 本物のトナカイを見たことはないけど、角があるし、きっとそうだ。 「お邪魔しました。ありがとう地球人」 サンタクロースがトナカイと一緒に帰ろうとしたので、私は慌てて呼び止めた。 「あの、ちょっと待って…、プレゼントは?」 「ああ、親切にしてくれたお礼ね。地球人、意外としっかりしてるね」 サンタクロースは、持っていた袋から赤い石を取り出してポイと投げた。「石かよ!」と思ったけれど、世界中が不景気なので文句は言えない。「じゃあね」とサンタクロースは、あっという間に出て行った。きっとたくさんの家を回るから急いでいるんだ。 「あ、写真!」 慌ててシャッターを押したけど、UFOのような白い光が写っただけだった。ああ、失敗。 写真は撮れなかったけど、サンタクロースに会えた興奮でなかなか眠れない。それに、どういうわけか部屋の中が夏みたいに暑くて、毛布を全部蹴飛ばした。サンタクロースからもらった赤い石は、暗い部屋で不思議な光を放っている。なんだろう、これ。 この石が、燃料不足の地球を救うエネルギー源になる物体だと知るのは、少し後の話。地球を救ってくれたのはサンタクロースだって、私は信じてる。 (作家)

「つくばは第二の故郷」 日本人3人目のISS船長 大西卓哉飛行士

つくば市役所を訪問 日本人として3人目となる国際宇宙ステーション(ISS)の船長を務め、8月に帰還した宇宙航空研究開発機構(JAXA)の大西卓哉飛行士(50)が22日、つくば市役所を訪問し、五十嵐立青市長に活動を報告した。市役所入口では、職員を始め来庁中の市民が大西さんを出迎えた。ISSの船長には、過去に若田光一さん、星出彰彦さんが就いている。 大西さんは1975年東京都生まれ。2016年には第48次、第49次長期滞在クルーのフライトエンジニアとしてISSに約113日間滞在した。第72次、第73次長期滞在クルーとして滞在した今回は、10年ぶり2度目の宇宙飛行となった。 ISSでは船長として緊急時の指揮を執るなど全体の安全確保と計画遂行を統括し、他の飛行士の活動を取りまとめた。またISSに設置された日本の実験棟「きぼう」で、ほぼ重力のない宇宙空間の微小重力環境を利用した科学実験に取り組んだ。 大西さんは船長としての役目について「良い意味でのプレッシャーと同時に、大きなやりがいを感じた。大切にしていたのは、一人一人とのコミュニケーション。さまざまな国出身の飛行士がいる中で、それぞれの性格や個性の振れ幅のほうが、国籍の違いよりも大きかった。決断を下す際に、きちんと説明して理解してもらうよう心掛けた」と話した。ISSの運用は2030年で終了することから「これが最後かもしれないなと思うと寂しさというのがあった」とし、帰還時については「宇宙に名残惜しさも感じつつ、地球に帰れることのうれしさも同時に感じているような、不思議な心境だった」と振り返った。 今後については「米国を中心に人を月面に送る計画がある。その計画に宇宙飛行士として貢献したい。また民間による宇宙ステーションなど新しい分野で、自分がこれまで得てきた知見を活用できるチャンスがあれば」と語った。 つくばについては「私たち宇宙飛行士にとって、つくばはたくさんの仲間がいる『第二の故郷』のようなまち。つくばに来るとほっとする」とし、子どもたちに向けては、「私たち宇宙飛行士が宇宙空間でどのようなことをやっているのかを伝えたい。宇宙をきっかけに科学に興味を持ってもらえたら。宇宙センターの特別展などへ足を運んでもらえるとうれしい」と語った。 つくば市によると、大西さんが搭乗したロケットの打上げ風景や、ISSでの実験風景、クルーらの様子が掲載された記念パネルは、23日から市役所庁舎1階に掲示予定だ。(柴田大輔)