木曜日, 12月 25, 2025
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【夏休み特報】㊤ お勉強モード全開のつくば 初日から研究機関へGo!

さあ、夏休み。宿題の心配をするには早すぎるが、さすがつくばは頭脳都市。頭っから、お勉強モード全開だ。20日いきなり2つの研究機関が夏の一般公開を行えば、県科学技術振興財団のつくばサイエンスツアーでは「夏バス」運行が始まり、つくば市が事務局となる「つくばちびっ子博士」企画も39施設を結んでスタートする。【構成・相澤冬樹】

開発から25年、アザラシ型ロボット「パロ」特集

【産総研つくばセンター一般公開】20日午前9時30分から午後4時まで。今年の特集は、開発から25年を経て世界中で愛されるアザラシ型ロボット「パロ」が主役。病気やケガに苦しむ子供たちや一人暮らしのお年寄を癒して、今や世界中で5000体をこえるパロが活躍中とか。開発者の柴田崇徳さんによる特別講演(午後1時から、定員400人)と特別展示が開催される。

アザラシ型ロボット「パロ」に会える産総研サイエンススクエアつくば

科学技術を身近にするチャレンジコーナーでは、結晶のお勉強と実験、地質図ライブラリー特別公開など。科学工作コーナー、スタンプラリーもある。

▼産業技術総合研究所はTXつくば駅から無料シャトルバスを運行。電話:029-862-6214(広報サービス室)  https://www.aist.go.jp/tsukuba/ja/pr/2019/

全員に「適応」エコバッグプレゼント

【国立環境研究所「夏の大公開」】20日午前9時30分から午後4時まで。子供から大人まで、楽しみながら環境問題や環境研究について学べる機会。今回は特に気候変動への「適応」をテーマにしており、来場者全員に「適応」ロゴ入りのエコバッグプレゼント。

子供たちに人気のタッチプールが今年もお目見え=昨年の「夏の大公開」から(国立環境研提供)

サメやタコのタッチプール、安全機能が付いた未来の乗り物(G5)、簡単ヒアリDNA検出キットなど体験型イベントはじめ、研究者と話す環境サイエンスカフェ「プラスチック 何が問題?」、最先端実験施設潜入ツアーなど、合わせて60を超える展示、講演会、体験イベントが予定されている。(一部雨天の場合中止)

▼TXつくば駅と常磐線ひたち野うしく駅から無料シャトルバスを運行。電話:029-850-2453(広報室) http://www.nies.go.jp/event/kokai/2019/index.html

路線バスを乗り継いで6つの研究施設を回る

【つくばサイエンスツアーバス「夏バス」運行】路線バスを乗り継いで国土地理院、つくば実験植物園、つくばエキスポセンター、産業技術総合研究所(地質標本館、サイエンス・スクエア)、筑波宇宙センター、6つの研究施設を回る。大人500円、小学生250円、幼児無料(税込み運賃、保護者同伴)で、終日乗り降り自由の循環バスが運行される。

予約で同行スタッフのガイド付き見学もできるサイエンスツアー=特別展「美しい砂の世界」開催中の産総研地質標本館

ツアーバスじたいは土・日・祝日に通年実施されているが、20日から9月1日までは毎週月曜日を除く毎日開催となり11便を運行。7月26日(砂を学び、砂絵と恐竜ジオラマづくり)、8月6日(極低温・液体窒素実験)、8日(太陽・風・鉄~私たちのまわりの地球環境)、21日(草木染めで色の変化を楽しもう)の4日間は特別イベント(各回定員40人、要予約)がある。第1・3土曜日と平日の5日間限定で、スタッフガイドが同乗して解説を聞かせてくれる同行コースも設定されている。こちらもWEBからの予約が必要になる。

▼乗車場所はつくばバスターミナル8番乗り場、ターミナル隣接の関東鉄道つくば学園サービスセンターに券売所がある。電話:029-863-6868(県科学技術振興財団つくばサイエンスツアーオフィス) https://www.i-step.org/tour/tsukuba-science-tour-bus.html

パスポートに5カ所以上のスタンプを集めて

【つくばちびっ子博士2019】20日から8月31日まで、「ちびっ子博士パスポート」を持って、指定された39の見学施設の展示やイベントを見学・体験しながら、ちびっ子博士スタンプを集める企画。5カ所以上のスタンプを集めてパスポートを提出すれば、「つくばちびっ子博士」に認定され、記念品がもらえる。18カ所以上の見学スタンプと400字程度の感想を書いて提出すれば「最優秀つくばちびっ子博士」の認定証、夏休みの勲章だ。

見学施設は研究機関のほか、筑波学院大学や東京ガスつくば支社を会場にした学習イベント、小田城跡歴史広場などの文化施設も含まれる。国立公文書館つくば分館では22日から8月31日まで、企画展「平家物語 変わりゆく時代を学ぼう」を開催。パスポート・チラシの配布場所はつくば市役所1階総合案内所ほか各窓口センター、つくば総合インフォメーションセンターなど。

▼電話:029-883-1111(つくば市教育局教育指導課) https://www.city.tsukuba.lg.jp/kankobunka/event/1004810.html

各施設で多彩なイベント・プログラム

【科学捜査展 科学の力で真実を解き明かせ!】20日から9月1日まで、つくばエキスポセンター。科学技術を使って事件や事故の現場に残された見えない証拠を分析する科学捜査。実際の捜査で使われる鑑定技術を体験装置や映像、パネル展示で紹介。車とバイクの接触事故、放火の可能性ある火災事件など4つの捜査体験シミュレーションで犯人を推理する。
▼当日配布の整理券方式で1回12組。参加は無料だが、入館料が必要。電話:029-858-1100(つくばエキスポセンター)http://www.expocenter.or.jp/?post_type=event&p=41107

【森林総合研究所「夏の一般公開」】27日午前9時30分から午後4時まで。最新の研究成果を解説するパネル展示や、体験型イベント(サイエンス体験、見学ツアー、ウッドクラフト、クイズラリー、昆虫のコーナーなど)を実施する。森林浴のリラックス効果体験、大人限定の木を発酵したアルコールの香りを試すコーナーなど体験会。講演は「茨城にシカがやってきた」岡輝樹(野生動物研究領域長)ほか。
▼電話:029-829-8372(広報係)https://www.ffpri.affrc.go.jp/news/2019/20190727natsukoukai/index.html

 

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「たくさんの応援で結果出せた」筑波技術大 星野選手ら デフリンピック

石原学長に活躍を報告 聴覚障害者の国際スポーツ大会「東京2025デフリンピック」に出場した筑波技術大学(つくば市天久保)の学生アスリート4人が24日、同大の石原保志学長に活躍を報告した。テコンドーで銅メダルを獲った阿見町出身の4年 星野萌選手(21)は「たくさんの皆さんの応援をいただいたお陰で舞台に立つことができ、結果を残すことが出来た」と話し、大会を機に「茨城県内でスポーツの面白さを伝えていきたい」などと話した。 4人は星野選手のほか▽男子バレーボールで6位に入賞した4年 大坪周平選手(22)▽男子ハンドボールで7位に入賞した4年 林遼哉選手(21)▽陸上1500メートルと800メートルに出場した2年 中村大地選手(19)。日本代表の鮮やかなオレンジ色のジャージを着用し、星野選手は銅メダルを手にとって石原学長に見せるなどした。 バレーボールの大坪選手は「自分にとって初めての大きな大会で、結果は6位だったが、たくさんのお客さんに来ていただき本当に感謝している。最高のチームだった」と振り返った。 ハンドボールの林選手は「8カ国中7位だったが、初出場で1勝することができた。海外のレベルを知ることができ、とてもいい経験になった。2年後のハンドボール世界選手権、4年後のギリシャ・デフリンピックに向けてハンドボールを続けたい」と話した。 陸上の中村選手は「結果的に負けてしまい悔しさがあるが、この気持ちをこれからの大きな大会につなげていきたい」と語った。 石原学長は「皆さんは一生に一度あるかないかのチャンスをものにした。改めてお祝いします」と選手をねぎらい「この経験は自分の人生の経験になり、これから仕事の面でも、生活の面でも、家族をもつことになっても、つながってくると思う。頑張ってくれて大変うれしい」と語り掛けた。 同大にとっての大会の意義について石原学長は「大学からはアスリートだけでなくたくさんの学生がボランティアとして参加した。学生たちはグローバルな体験をする中で、障害を一つの個性として自覚し、共生社会の実現に向け活躍してくれると思う」などと話した。 同大からは学生6人と卒業生11人の計17人が選手として大会に出場した。星野選手のほか、夫婦で出場した大学院生の沼倉昌明、千紘選手がバドミントン混合団体で金メダルを獲った。卒業生では、女子バスケットボールの橋本樹里選手が金メダル、女子サッカーの岩渕亜依選手と男子サッカーの杉本大地選手がいずれも銀メダル、男子柔道73キロ級の蒲生和麻選手が銅メダルに輝いた。 ほかに、学生(現在は卒業生)の多田伊吹さんが大会エンブレムをデザインしたほか、開閉会式には3年の伊東咲良さんと2年の瀧澤優さんの2人がパフォーマーとして出演。同大の学生約100人がボランティアスタッフとして大会運営を担った。(鈴木宏子)

つくば駅前に大型ディスプレイ登場 イルミネーションと共ににぎわいを

オフィスビル「T.S BUIL」 つくば駅前のオフィスビル「T.S BUIL」(同市吾妻)のペデストリアンデッキに面した2階部分の壁面に21日、縦2.5メートル×横4.4メートル、200インチの大型ディスプレイがお目見えし、クリスマス関連の映像が放映されている。 22日夜からは同ビル恒例のクリスマスイルミネーションも加わり、道行く人たちの目を楽しませている。駅前をもっとにぎやかにしたいと、同ビルを所有する不動産業の都市開発(塚田純夫社長)が新たに大型ディスプレイを設置した。 ディスプレイの設置工事は14日から始まり、1週間の工事期間を経て21日から放映が始まった。毎日正午から夜9時まで映像が流れる。クリスマスの現在は、クリスマスにちなんだクイズやイルミネーション点灯のお知らせなどが流れ、26日以降は年越しに関する映像に変わる。 今後は市の情報や警察関連情報、防災情報なども放映していく予定だ。「屋外広告物」という扱いのため、大きな音を出し大勢の人が集まるコンサートやパブリックビューイングを行うためには今後、市と相談しながらになるという。 イルミネーションは来年1月12日まで点灯する。3年前に始まり、昨年同様、同ビルのペデストリアンデッキに面する2階エントランスのガラス張り壁面全体がLEDで装飾され、ショーケースの中にはサンタクロースや雪だるま、トナカイ、クリスマスツリーなどが飾り付けられている。 ディスプレイに見入っていた市内に住む60代女性は「大型のディスプレイにびっくりした。世の中に季節感がなくなってきた時代なので、こんな感じでクリスマスなど季節を知らせてくれるのはありがたい。ディスプレイの前のペデストリアンデッキは広くなっているのでコンサートでもやってくれたら」と話す。近くの職場に通う50代の男性会社員は「ずっと殺風景だったので、とても良いと思う。どんどんにぎやかにすることをやってほしい」と話していた。 都市開発の霞学部長は「つくば駅前にあるつくばセンター広場のにぎわいづくりに協力出来たらということでやっている。防災も重要なので、行政の防災の取り組みに協力し、防災に関することも放映していきたい」と語る。また「今年、1階にスタジオを移転したラヂオつくばの中継も可能なので、ディスプレイで何が放映できるか考えていきたい」と述べる。 現在放映している映像の制作は20代の同社若手社員が担当した。管理部の藤沢花恋さんは「グラフィックデザインのソフトを使って動画を作ったが、初めてだったので大変だった。デザインなどは不慣れだが担当させてもらい、いい経験になった。今後の展開も考えたい」と話した。設置業者とのやりとりや申請業務など担当した営業部の高橋開人さんは「人が集まる場所が出来ればとてもうれしい」と述べた。(榎田智司)

サンタクロース《短いおはなし》46

【ノベル・伊東葎花】 今日、学校で男子とケンカした。だって、サンタクロースはいないって言うんだもん。私は絶対いると思ってる。プレゼントだって、毎年くれるもん。家に帰ってママに聞いた。 「ママ、サンタクロースはいるよね」 「そんなことより、今夜は冷えるから温かくして寝るのよ」 …そんなことって言われちゃった。 今、世界中が燃料不足で大変なのは知ってる。イブなのに、イルミネーションも暖房も自粛なの。お店は早く閉まっちゃうし、地球全体がどんより暗い。テレビも毎日「新しい燃料が見つからないと人類滅亡」とか言ってる。でもね、私はそんなことよりサンタクロース。今日は寝ないで、サンタクロースの写真を撮るの。私をバカにした男子を見返してやるんだから。 私は、ベッドにもぐりながら、その時を待った。すると、午前0時を過ぎた頃、窓の外が一瞬明るくなった。街中が真っ暗だから、すぐにわかった。サンタクロースが来たのかも。 耳を澄ますと、ピコピコと電子音のような音が聞こえた。サンタクロースは鈴の音と共に来ると思っていたけど、今どきは違うんだ写真を撮ろうと窓を開けると、緑色の少し小さめの人が飛び込んできた。あれ、サンタクロースは赤い服を着たおじいさんだと思っていたけど違う。緑色だ。 「いやあ助かった。船が故障しちゃってさ。地球って寒いね」 サンタクロースが言った。サンタクロースは、そりに乗って来ると思っていたけど、船で来るんだ。 「あ、仲間が助けに来てくれた」 サンタクロースが指さす先に、角が生えた黄色い生き物がいた。これがトナカイ? 本物のトナカイを見たことはないけど、角があるし、きっとそうだ。 「お邪魔しました。ありがとう地球人」 サンタクロースがトナカイと一緒に帰ろうとしたので、私は慌てて呼び止めた。 「あの、ちょっと待って…、プレゼントは?」 「ああ、親切にしてくれたお礼ね。地球人、意外としっかりしてるね」 サンタクロースは、持っていた袋から赤い石を取り出してポイと投げた。「石かよ!」と思ったけれど、世界中が不景気なので文句は言えない。「じゃあね」とサンタクロースは、あっという間に出て行った。きっとたくさんの家を回るから急いでいるんだ。 「あ、写真!」 慌ててシャッターを押したけど、UFOのような白い光が写っただけだった。ああ、失敗。 写真は撮れなかったけど、サンタクロースに会えた興奮でなかなか眠れない。それに、どういうわけか部屋の中が夏みたいに暑くて、毛布を全部蹴飛ばした。サンタクロースからもらった赤い石は、暗い部屋で不思議な光を放っている。なんだろう、これ。 この石が、燃料不足の地球を救うエネルギー源になる物体だと知るのは、少し後の話。地球を救ってくれたのはサンタクロースだって、私は信じてる。 (作家)